“天然のいけす”と呼ばれる富山湾。寒ブリやホタルイカ、シロエビなどさまざまな魚介類を楽しませてくれる海でもありますが、その富山湾で捕れる雑魚中の雑魚、下の下とも呼ばれ一昔前までは捨てられていた深海魚が、現在はすご~く人気だとご存知ですか?
特に女子にはうれしい効果がいっぱいの魚。そこで今回は富山県の観光情報などを参考に、週末の女子旅におすすめのグルメ、富山湾でとれる深海魚げんげの魅力をまとめます。
富山湾の幻の魚、げんげ
西の能登半島と東の生地鼻灯台に囲まれた、きれいな弧を描く富山湾には、日本海側に存在する800種ほどの魚のうち、なんと約500種が生息するとされています。そのうちの1つ、以前までは捨てられていた深海魚げんげが大変な人気を博しています。
げんげとは体長20cmほどのぬるぬるとした深海魚で、人間界の基準ではお世辞にも「かわいい」とか「かっこいい」とか、温かい声援を投げ掛けられるような魚ではありません。
富山県のホームページでは好意的に“大きなおたまじゃくし”と表現されていますが、筆者の印象では何かの手違いで工業用排水プールにすべり落ちた死後3日目の魚といった感じです。
ちょっと曲がっている胴体も薄気味悪いのですよね。ただ、体の表面を分厚く覆う、ドロドロしたゼラチン質にコラーゲンが含まれているとして、近年は重宝されているのです。
富山県のサイトでも、記事ランキングのトップがげんげについてのコンテンツでした。それだけ注目されているのですね。
これは美味!富山の新たな特産品
意外ですが、食べてみると味は一級です。てんぷらが個人的には好物ですが、空揚げ、吸い物など何にしてもおいしく、料亭や割烹などでも盛んに利用されている食材です。
食材のプルプル感を味わいたければ鍋がおすすめ。実際の効果はさておき、寒い季節に温かい鍋でいただくと、何だかお肌にもいい気がしてくるから不思議です。
げんげで有名な漁港は、富山県東部の魚津(うおづ)。北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅で下車して、富山地方鉄道に乗り換え新魚津駅で降りてください。徒歩で漁港や海の駅にも行けますし、周辺の割烹や料亭でもげんげを食べられます。
その後は周辺の宇奈月温泉などに宿を取って、ゆっくり旅を満喫してみては? 東京方面からだと新幹線で2時間もかかりませんよ。
[富山食ブランド ゲンゲ – 食べんまいけ 越中とやま食の王国 ] [All photos by Shutterstock.com ]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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