英語では「ロック・ペーパー・シザーズ」と呼ばれる、世界で広く親しまれているジャンケン。何気なく出すものを決めているように思えますが、実はある法則があったようです。
科学誌「ネイチャー」に掲載された研究を参考に、今後のジャンケンに有利になりそうな情報満載でお届けします!
ジャンケンにはパターンがあった
これまで科学の世界では「ジャンケンを総合的に見た場合、グー・チョキ・パーをランダムに、ほぼ同じ確率で出すもの(ゲームの世界で言うところの「ナッシュ均衡」)」と思われていましたが、2014年に「ネイチャー」に掲載された研究では、興味深い事実が明らかに。
中国・浙江大学の研究者が360人の学生を6つのグループに分け、ランダムな相手とジャンケンを300回ずつ行う実験をしました。この結果、1回目で勝った被験者は、2回目も同じパターンで勝負に臨む確率が高いことが分かりました。つまり「チョキ・グー・パー」のパターンで勝利した場合、次の勝負にも「チョキ・グー・パー」を出す割合が高くなるということです。
残念ながら1回目の勝負で負けた場合、次の試合にはなんと「グー・パー・チョキ」のパターンで臨む人が多かったとのこと。興味深いですね。
「グー」を出す確率が高い!
続いて、2016年に「ネイチャー」に掲載された英サセックス大学の研究から分かった実験結果をお伝えしましょう。
ジャンケンの心理をコンピューターとの対戦から読み解く実験を行いました。この結果、中国で行われた実験と同じように、われわれ人間は無意識のうちに勝利パターンでジャンケンに臨む場合が多いことが分かりました。また、パーやチョキよりも「グー」を出す確率が少々高いことも明らかに。
自分では意識していなくても、実は無意識のうちに勝利パターンを繰り返していることが分かったジャンケン。1回だけのジャンケンだと運任せになりそうですが、同じ相手と3回戦できる場合、相手のパターンに注意してみてはいかがでしょう?
それにしても、大人になるとジャンケンまで複雑に考えてしまう悲しさ。本当はジャンケンぐらい、童心に返って無邪気に楽しみたい気もしますよね。
[Technology Review]
[Nature(論文:Social cycling and conditional responses in the Rock-Paper-Scissors game)]
[mental_floss]
[Nature(論文:Negative outcomes evoke cyclic irrational decisions in Rock, Paper, Scissors)]
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