多くの場所で桜の季節がすぎて、本格的な春がスタートしているかと思います。連休も近づいてきていますので、どこかに出掛けたいな~と思っている人も少なくないはず。
そこで今回は、トップシーズンに入った春の風物詩、富山の蜃気楼(しんきろう)を紹介したいと思います。

「蜃気楼? そんなのまだ見たことない! 」という人は、北陸新幹線や飛行機に乗って富山県の魚津(うおづ)に出掛けてみてくださいね。
そもそも蜃気楼とは?

(C) 富山県観光連盟
そもそも蜃気楼とは何でしょうか? 筆者の勝手なイメージだと、水平線や砂漠の地平線に浮かぶ“あるはずのない幻影”と言った感じがしますが、実際はちょっと違います。
≪大気の下層に温度などの密度差があるとき、光の異常屈折により、地上の物体が浮き上がって見えたり、逆さまに見えたり、遠くの物体が近くに見えたりする現象≫(goo辞書より引用)
とあるように、現実にある風景が大気の関係で伸びたり、反転したりする自然現象を言うのですね。
地図帳が手元にある人はぜひとも確かめてみてほしいのですが、蜃気楼の名所として知られる魚津市から富山湾を眺めると、右手の遠くに片貝川の左岸がせり出していると分かります。住所で言えば寿町、日力建材などの工場がありますが、その富山湾越しに見える遠方の景色が反転したり伸びたりと、独特の見え方を楽しませてくれるのですね。
この時期になると魚津には、バズーカ砲のような望遠レンズを持参する写真家が大挙して訪れます。古くは1564年にあの上杉謙信が蜃気楼を見たという記録も『北越軍談』に記されているとか。魚津は昔から蜃気楼の名所として、多くの人を引きつけてきたのですね。
蜃気楼の見えやすい日はどんな日?

ただ残念ながら、蜃気楼はいつ行っても見られるというわけではありません。魚津埋没林博物館のデータを見る限り、ベストシーズンは4月~6月だと分かりますが、その時期でも、
・晴天
・午前中
・無風
という3条件が整わないと出にくいと知られています。また、蜃気楼が出ても肉眼では十分に楽しめない日もあります。できれば双眼鏡や望遠レンズも持参したいですね。
「ええ、そんなの持っていない・・・」と言う方、もちろん大丈夫です。現地に手ぶらで行っても、蜃気楼が出ていればベテラン写真家や地元の方が、カメラをのぞかせてくれたり、双眼鏡を貸してくれたりします。
筆者もかつて海岸沿いの堤防を歩いていたら、「見た?」などとご高齢の方に声を掛けられ、双眼鏡をのぞかせてもらいました。
東京方面からなら北陸新幹線で富山駅、あるいは黒部宇奈月温泉駅で下車して、あいの風富山鉄道に乗り換えてください。羽田空港経由で全国から富山きときと空港に来てもOK。
ちなみに蜃気楼の名所である海の駅『蜃気楼』は、『魚の国のしあわせ Fish-1グランプリ』で準優勝したB級グルメ、バイ飯も有名です。せっかくですので、足を運んだら食べてみてくださいね。

(C) 富山県観光連盟
[蜃気楼(しんきろう)- 魚津市]
[Photos by Shutterstock.com]

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
1979年東京生まれ、埼玉育ち、富山県在住。成城大学文芸学部芸術学科卒。国内外の媒体に日本語と英語で執筆を行う。北陸3県を舞台にしたウェブメディア『HOKUROKU』の創刊編集長も務める。
https://hokuroku.media/
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