■あわせて読みたい 【連載】海外一人旅!初心者・女性にもおすすめの国はどこ?
第8回「アイルランド・ダブリンで歴史とフレンドリーな人々に出会う」
第9回「中世香るオーストリアに酔いしれる」
第10回「ヨーロッパ最古の王国・スコットランドを訪ねて」
第11回「冒険とリラックスが両立する心地良い国・ベルギー」
第12回「ポーランドで中世の街と可愛い陶器に出会う」
一人旅初心者にもおすすめの行き先をご紹介する連載第13弾。今回おすすめする旅先はフランスのアルザス地方です。
フランス・アルザス地方が海外一人旅におすすめなワケ
フランスの北東部、ライン川を挟んでドイツと国境を接するアルザス地方は、ドイツの影響を強く受けた独特の文化と街並みをもつ地域。
パリからTGV(高速鉄道)で2時間とアクセスも便利ながら、カラフルな木組みの家々や素朴な温かみを残す雰囲気はパリとはまったくの別世界。そんなアルザスなら一人でも心地良く過ごすことができます。
芸術鑑賞が好きな方はパリと組み合わせて訪れるのもいいですし、中世ヨーロッパの街並みが好きな方ならドイツを起点に、ハイデルベルクなどと併せて訪れるのもおすすめです。
世界遺産の街・ストラスブール
アルザス地方の中心都市が、欧州議会の本部が置かれ「ヨーロッパの首都」とも称されるストラスブール。街の名は「道の街」を意味するラテン語の「ストラテブルグム」に由来し、古くから交通の要衝として栄えてきました。現在も中世の面影を残す旧市街は「ストラスブールのグランディル」として世界遺産にも登録されています。
アルザス地方は石炭などの天然資源をめぐってフランスとドイツが熾烈な領有権争いを繰り広げた地域。一時はドイツ領となるなど、フランスとドイツのはざまで揺れ動いてきました。
ストラスブールを歩けばカラフルな木組みの建物の数々や、趣向を凝らした看板、街角で売られているプレッツェルなど随所にドイツの影響が見られます。
その一方で、ドイツにはないフランスならではの洗練されたエスプリも感じられます。ストラスブールはフランスとドイツの文化が融合した、他にはない魅力にあふれているのです。
美しすぎるストラスブール大聖堂
ストラスブールを語るうえで欠かせないのがストラスブール大聖堂。かの文豪ゲーテが「荘厳な神の木」と称賛したという、ストラスブールが誇るランドマークです。
1015年に建てられた聖堂を前身とし、その後1176年から263年もの歳月をかけて1439年に完成しました。ヴォージュの山から切り出された赤色砂岩でつくられていることから、その外観は赤味を帯びた色合い。荘厳さと優雅さが同居した独特の存在感が見るものを魅了します。
レースのようにびっしりと外壁を覆い尽くす彫刻は見れば見るほど圧巻で、その美しさにはため息が出るほど。
外観のみならず、内部の色鮮やかなステンドグラスや世界最大級の天文時計も必見です。また、高さ66メートルの大聖堂の展望台からはストラスブール市街を一望することができます。
メルヘンの世界! プティット・フランス
「運河の街・ストラスブール」がもっとも実感できるのが、イル川の本流が4つの支流に分かれる地帯にあるプティット・フランス地区。中世の時代には皮なめし職人の館があったこの地区は、「コロンバージュ」と呼ばれる木組みの家々が集中するエリア。
個性あふれるカラフルな木組みの家々が並ぶ風景を見ているだけで心躍ります。ストラスブールのなかでも趣あるエリアだけにおしゃれなカフェやレストランも多いので、ゆったりとした心安らぐひとときを過ごしましょう。
アルザス博物館でアルザス文化に触れる
ストラスブールにある美術館・博物館のなかでも特におすすめなのがアルザス博物館です。古いアルザスの伝統家屋を利用しているので、この建物に足を踏み入れること自体が特別な体験。なかなか中に入る機会のない古い木組みの建物をじっくりと見ることができます。
館内には18~19世紀にかけてアルザス地方で使われていた生活用品の数々が展示されており、昔のアルザスの人々の生活ぶりがうかがえます。文化を知ればこの地方により一層の愛着がわくはずです。
第1回「タイのバンコクで3つのハッピーを味わう旅」
第2回「台湾の魅力がギュっと詰まった街、台北」
第3回「一人で気ままに歩きたい街ロンドン」
第4回「ドイツ・ロマンティック街道のレトロ可愛い町へ」
第5回「異国情緒たっぷり、不思議と街に溶け込めるマレーシア」
「お菓子の街」で食べる魅惑のスイーツ
ストラスブールで見逃せないのが見た目にも美しい絶品スイーツ。パリで活躍するピエール・エルメ氏をはじめ数多くのパティシエを輩出したストラスブールは「お菓子の街」とも呼ばれるほどのスイーツ天国。
街を歩けば狭い範囲にたくさんのパティスリーやチョコレートショップが見つかります。どこにしようか迷ったら、ストラスブールで人気を二分するNaegel(ネゲル)かChristian(クリスチャン)に行けば間違いありません。
「ハウルの動く城」の舞台・コルマール
ストラスブールから電車で30分のところにある可愛い街・コルマール。ほとんど戦災に遭わなかったことから、アルザス特有の木組みの家々や石畳の道など、中世からルネッサンス期の街並みが残っています。
コルマールの旧市街にある「プフィスタの家」がジブリ映画「ハウルの動く城」の冒頭シーンに登場する建物にそっくりと話題になり、近年日本でも注目を集めるようになりました。
重厚な雰囲気の残る旧市街、運河の風景が美しいプティット・ヴェニスなど、キュートな木組みの建物と運河、そして街を彩る花々が一体となった風景はまさにヨーロッパの可愛い街そのもの。もともと美しい街を花々でいっそう華やかに飾るアルザスの人々の美意識には感嘆せずにはいられません。
コルマール近郊にはリクヴィルやカイゼルスベルグといった美しい村が点在しているので、時間に余裕があればこちらもぜひ訪れてみてください。
美しい風景と田舎っぽさを残す素朴な温かみに心安らぐアルザス地方。ここを旅すればきっと心豊かに生きることの大切さを教わったかのような気がするはずです。
[Naegel(ネゲル)]
[Christian(クリスチャン)]
[Photos by Shutterstock.com]
■あわせて読みたい 【連載】海外一人旅!初心者・女性にもおすすめの国はどこ?
第8回「アイルランド・ダブリンで歴史とフレンドリーな人々に出会う」
第9回「中世香るオーストリアに酔いしれる」
第10回「ヨーロッパ最古の王国・スコットランドを訪ねて」
第11回「冒険とリラックスが両立する心地良い国・ベルギー」
第12回「ポーランドで中世の街と可愛い陶器に出会う」