【連載】海外一人旅!初心者・女性にもおすすめの国はどこ?/第9回「中世香るオーストリアに酔いしれる」

Posted by: 春奈

掲載日: Jul 7th, 2016

ドイツ在住、TABIZINEライターの赤松春奈です。あなたは海外一人旅をしたことがありますか? 自分の予定が空いたときにふらりと行けて、誰に気兼ねすることなく自分の好きなことだけして気ままに過ごせる一人旅。この連載では、海外一人旅初心者の女性にもおすすめの旅先をご紹介していきます。

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一人旅初心者にもおすすめの行き先をご紹介する連載第9弾。今回おすすめする旅先は中世の面影を残すオーストリア。いずれも世界遺産に登録されている首都ウィーンと「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台・ザルツブルクに出かけましょう。

オーストリアが海外一人旅におすすめなワケ

海外一人旅!初心者・女性にもおすすめの国はどこ?/第9回「中世香るオーストリアで文化と芸術に酔いしれる」

世界でも有数の治安の良さを誇るオーストリアは、貴重品の管理や夜遅くの外出は控えるといった基本的なことに気を付けていれば一人でも安心して旅行ができる国です。

海外一人旅!初心者・女性にもおすすめの国はどこ?/第9回「中世香るオーストリアで文化と芸術に酔いしれる」

首都のウィーン旧市街は世界遺産にも登録されている文化・芸術の宝庫。華麗な宮殿や世界屈指の美術館、歴史ある教会など、中世ヨーロッパを思わせる街並みが広がっています。数々の見どころを擁する世界に名だたる都市でありながら、旧市街の大部分を徒歩で回れるほどよいサイズも魅力。

地方に足をのばせば、アルプスを抱く世界遺産の街・ザルツブルクの美しい風景にも心癒されるはず。優雅な街を歩いて文化と芸術に酔いしれてみませんか。

世界遺産の首都・ウィーン

海外一人旅!初心者・女性にもおすすめの国はどこ?/第9回「中世香るオーストリアで文化と芸術に酔いしれる」

ヨーロッパにおいて一時代を築いたハプスブルク家の帝都ウィーン。ウィーンの旧市街はヨーロッパの中でも古い街並みがもっとも良く保存されている街の一つで、「ウィーン歴史地区」として世界遺産に登録されています。

海外一人旅!初心者・女性にもおすすめの国はどこ?/第9回「中世香るオーストリアで文化と芸術に酔いしれる」

13世紀ごろから城塞都市として発展しましたが、19世紀にフランツ・ヨーゼフ1世が城壁を撤去し、かわりに環状道路を設置しました。一周5kmほどの環状道路の内側がゴシックやバロックといった壮麗な歴史的建造物がひしめく世界遺産地区となっています。

シェーンブルン宮殿

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ウィーンで絶対に外せない見どころの一つがシェーンブルン宮殿です。かつて栄華を極めたハプスブルク家の夏の離宮だったこの宮殿は、ヨーロッパでも有数のバロック宮殿。モーツアルトが皇族の前で演奏したという神童ゆかりの地でもあります。

「テレジアン・イエロー」と呼ばれる、女帝マリア・テレジアが好んだ黄色に塗られた宮殿の総部屋数はなんと1441室にも及ぶのだとか。そのうちの約40室が一般に公開されており、金箔を用いた装飾、ボヘミアン・クリスタルのシャンデリアといったあまりにも優雅な内装はマリア・テレジアの時代に改装された華やかなロココ様式です。1762年にモーツァルトがわずか6歳で皇族の前で演奏を披露した「鏡の間」も公開されており、かつての繁栄を肌で感じることができます。

ホーフブルク王宮

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ハプスブルク家の居城だったホーフブルク王宮。広大な敷地に18の棟と19の中庭を有する壮麗な複合建築物です。皇帝の住居、「シシィ」の愛称で親しまれている美貌の皇妃エリザベートにまつわるシシィ博物館、宮廷銀食器コレクションなど目もくらむばかりの華麗なる皇族の世界が広がっています。

ウィーン美術史美術館

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ルーブルやプラドと並ぶヨーロッパ有数の美術館で、一日では周りきれないといわれるほどの膨大なコレクションを有しています。

豪華絢爛な館内には歴代のハプスブルク家が収集した古代から19世紀までのヨーロッパ各地の美術品およそ40万点が並びます。絵画ギャラリーのコレクションは世界でも屈指の水準で、ルーベンスやレンブラントなど多岐にわたり、「農家の婚礼」をはじめとするブリューゲルの作品群が特に有名です。

美術館内にある宮殿のように豪華な空間を利用した「世界一美しいカフェ」ともいわれる「カフェ・ゲルストナー」にも立ち寄ってみましょう。贅沢な装飾が施された吹き抜けの空間にはただただ圧倒されてしまいます。こんな素敵な空間でのティータイムもヨーロッパならでは。

ベルヴェデーレ宮殿

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バロック宮殿の最高傑作とたたえられるベルヴェデーレ宮殿は、対トルコ戦争を救ったサヴォィ家のオイゲン公の夏の離宮でした。迎賓館として使用された上宮と居住用の下宮の2つの宮殿からなり、その間には見事な庭園が広がっています。

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現在上宮は中世から現代までの絵画を展示するオーストリアで2番目に大きい美術館となっており、特に世界最大のクリムトコレクションは必見。「接吻」をはじめとするクリムトの伝説的名画が展示されています。

シュテファン大聖堂

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800年以上の歴史をもつオーストリア最大のゴシック建築、シュテファン大聖堂。「ウィーンのこころ」ともいえるウィーンのシンボル的存在です。

海外一人旅!初心者・女性にもおすすめの国はどこ?/第9回「中世香るオーストリアで文化と芸術に酔いしれる」

歴史を感じる薄暗い内部に足を踏み入れると、その荘厳な雰囲気に呑まれてしまいそうです。

海外一人旅!初心者・女性にもおすすめの国はどこ?/第9回「中世香るオーストリアで文化と芸術に酔いしれる」

正面から見た左右の塔と入口は現存する最古の部分で、13世紀のもの。塔からは美しいウイーンの街並みが一望できます。

「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台・ザルツブルク

海外一人旅!初心者・女性にもおすすめの国はどこ?/第9回「中世香るオーストリアで文化と芸術に酔いしれる」

ウイーンに行ったら映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台となったザルツブルクにもぜひ足をのばしてみましょう。コンパクトな街でありながら壮麗な建造物の数々に彩られた街並みは「ザルツブルク市街の歴史地区」として世界遺産に登録されています。さらにはモーツアルトの生誕地としても有名で、「音楽の都」としても世界に名を馳せています。

海外一人旅!初心者・女性にもおすすめの国はどこ?/第9回「中世香るオーストリアで文化と芸術に酔いしれる」

アルプスの山々を望む自然と調和した美しい街を歩くだけできっと心が洗われるはず。
ウィーンからザルツブルクまでは鉄道でおよそ2時間半~3時間程度。日帰りも可能ですが、できればザルツブツクに宿泊したほうが中世の面影が残る街の風情を存分に味わえます。

世界遺産・ザルツブルクの見どころ

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ザルツブルクの街を見下ろす丘の上に位置するホーエンザルツブルク城塞は、歴代大司教の居城でした。中世の城塞建築としては中央ヨーロッパでもっとも保存状態の良いものの一つで、内部には博物館から大広間、礼拝堂、拷問部屋まで、見どころが満載。

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ザルツブツクでもっとも有名なスポットがミラベル宮殿の庭園ではないでしょうか。花々が咲き乱れる美しい庭園は映画「サウンド・オブ・ミュージック」の「ドレミの歌」の場面のロケ地として知られています。庭園からは望むオーエンザルツブツク城の姿も圧巻。

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音楽ファンなら必見なのがモーツァルトの生家です。モーツァルトの生まれた部屋や自筆の楽譜など幼少期の天才音楽家ゆかりの品々が多数展示されています。

ザルツブルクには他にも美しい教会や散策が楽しい中世そのままの路地など魅力的なスポットがぎゅっと詰まっていて、街を歩くだけで幸せな気分になれるばす。

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豊かな文化と芸術に彩られたウィーンとザルツブルク。日常から離れて心にとびっきりの栄養を与えてくれる贅沢な時間があなたを待っています。

[All Photos by shutterstock.com]

PROFILE

春奈

Haruna ライター

和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。

和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。

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