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外国人観光客に直接聞いてみた、「広島平和記念資料館」に訪れる理由3つ

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Aug 6th, 2016.
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オバマ大統領が広島平和記念資料館に訪れたというニュースは、記憶に新しいと思います。

各種のランキングでも、日本を代表する観光地として高く評価されている同地。先日、私用で久々に歩きましたが、外国人旅行者をやはり多く見かけました。

直接聞いてみた!外国人が広島平和記念資料館に訪れる3つの理由

そこで今回は、どうして外国人旅行者が広島平和記念資料館に足を運びたくなるのか、その理由を直接聞いてきましたので、まとめたいと思います。

少ないサンプル数かもしれませんが、「まだ行ったことがない」という人は、その魅力を考えるヒントにしてみてくださいね。


1:教科書で習った“ヒロシマ”を自分の目で確かめたかった

直接聞いてみた!外国人が広島平和記念資料館に訪れる3つの理由

筆者が先日訪れたときは、資料館の東館が残念ながらリニューアル工事中。本館のみの見学を終え、出口の階段を降りてくると、外国人旅行者の一人と目が合いました。

南アジア系の方かと思ってどこから来たのか聞くと、オーストラリアからとの話。何度か日本には来ているそうでしたが、念願の広島入りが実現したと喜んでいました。どうして広島にそれほど訪れたかったのと聞くと、「子どものころに教科書で習ったヒロシマを自分の目で確かめたかった」みたいです。

お子さんも一緒に来ていましたが、「ヒロシマをもう習った?」と聞くと、「知っている」と教えてくれました。広島と長崎はある意味で、日本で最も世界の人に知られている場所なのかもしれませんね。

2:人類が犯した大きな過ちや核兵器の恐ろしさを肌で感じたい

直接聞いてみた!外国人が広島平和記念資料館に訪れる3つの理由

元安川という大きな川を挟んで、広島平和記念資料館の対岸には原爆ドームがあります。原爆の投下によって破壊された広島県産業奨励館の焼け跡で、永久保存されている世界文化遺産でもあります。

その周りには、記念撮影をする外国人がたくさん。筆者が行ったときも、市内電車「原爆ドーム前」の近くで、“自撮り”で記念撮影をしようとしていたアジア人のカップルが居ましたので、シャッターを押そうと声を掛けました。

台湾から来たという若い男女のカップルで、どうして広島に来たのかと聞くと、「人類が犯した大きな過ちとその悲劇を肌で感じたかったから」と教えてくれました。今も被爆した建物が保存されている事実に感動を覚えたと言います。

「アメリカ人、日本人、台湾人に関係なく、人類全体の問題として広島は考えなければいけない」とも。「核兵器の恐ろしさを知りたかった」と、カップルの女性も教えてくれました。

3:心から平和を望む自分に出会いたかった

直接聞いてみた!外国人が広島平和記念資料館に訪れる3つの理由

最後は、朝8:30のオープンとともに入館をしようと列に並んでいるときに一緒になった、カナダ人の単独旅行者の話。その方は知人に「絶対に広島平和記念資料館に行くべきだ」と言われ、旅行を決意したのだとか。

「どうおすすめされたのか?」と聞いてみると、「展示物を眺め、資料を読み、資料館を出るときには、心から世界平和を求めている自分に気が付く」と言われたそう。

なるほど、筆者も十年近くぶりに資料館に入り、展示物を眺め、本館の窓から原爆死没者慰霊碑を眺めているとき、宗教や民族や人種の違いを乗り越えて、心から世界が平和になってほしいと求めている自分に気がつきました。

本館出口の直前には、平和へのメッセージとして来館者が自由に書き込める対話ノートが置かれています。パラパラとめくっていると、中国語で「世界和平」と力強く書かれたメッセージが目に飛び込んできました。

人種を超えて訪れた人の心に何かしらの思いを灯してくれる、そんな場所だからこそ広島平和記念資料館は人気なのかもしれませんね。

今でも心のどこかには「世界和平」への思いが消えずに残っていて、その温もりをどこかで感じられます。

[All photos by Masayoshi Sakamoto]

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。


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