夏休みはどんな旅を楽しみましたか? 国内や海外のツアー旅行(団体旅行)に参加された方も多いのではないでしょうか。今回は、実際に添乗員さんとしてお仕事をされている方々から聞いた「楽しい旅を満喫してもらうために、ツアーで気を付けてもらいたいこと」をまとめてみました。
自分のペースに合うツアーをチョイス
「旅のペースは人それぞれ。特に気候や食事など環境がガラッと変わり、時差もある海外旅行は、みなさまが思っているよりも疲れが溜まり、体調も崩しやすいのです。どうか、ご自分のペースに合ったツアーを選んでくださいね」と添乗員さん。
旅の予算、訪れる場所、ホテルのランク、食事の内容などは、しっかりとチェックされていると思いますが、意外に見落としがちなのが旅のペース。なかには連日移動時間がかなり多かったり、予定がぎゅっと詰め込まれたかなりハードなスケジュールのツアーも存在します。このようなツアーは一度にたくさんの場所を見て回りたい方にはおすすめですが、体力に自信のない方は注意が必要です。
体調と旅のペースは思っている以上に密接に関連します。旅行会社のパンフレットには歩行時間の目安などが表記されているもの多く、なかには移動中のトイレ休憩の回数なども明記されているものも珍しくないので、事前にしっかりと確認したいですね。
食べ過ぎに注意
「旅の大きな楽しみのひとつでもある食。少し無理をしてでも、いろんなものを食べてみたいと思ってしまいますよね。また、食べ物を残してしまうと申し訳ない・・・と頑張って完食される方もよく見かけます。特に海外では1人前の量が多いため、無理をして毎食完食してしまい、胃腸の調子を悪くする方がたまにいらっしゃいます。くれぐれも食べ過ぎには注意してくださいね」
特に、食事内容が決まっているツアー旅行では要注意です。
無理のし過ぎに注意
ツアー旅行では、少々体調が悪くても「添乗員さんや周囲に迷惑や心配をかけたくない・・・」とぎりぎりまで我慢する方が多いのだとか。
「体調が悪い時は遠慮せずに、早めに教えてくださいね」と添乗員さんからもよく耳にします。体調がすぐれない時は無理をしてみんなと一緒に行動せず、ホテルやバスの中などでゆっくりと体を休めるのが一番です。「ちょっとしんどいな・・・」「体調がなんだかすぐれない」という時は、我慢をせずに早めに添乗員さんに相談しましょう。
スリに注意
特に海外旅行で気をつけていただきたいのがスリ。団体行動で安心しきってしまっている旅行者はスリの格好の標的です。ツアーに参加すると、添乗員さんからも「貴重品には気を付けてくださいね」と度々注意喚起がなされることと思いますが、くれぐれもご注意ください。
服装に注意
特に日本と気候が異なる土地へ行くことになる海外旅行では「どんな服を用意しよう?」と頭を悩ませてしまいますよね。旅の達人である添乗員さんは「やっぱり、コンパクトで着回しがしやすい服がおすすめですよ」とアドバイスをくれました。
また「急な気温の変化にも対応できるよう、脱ぎ着しやすかったり、重ね着ができるものもおすすめですね。あと、歩きやすい靴はマストアイテムです。時々、底が高い靴やヒールを履いて来られるお洒落な方がいらっしゃるのですが、やはりたくさん歩く旅行にはおすすめしません」とのこと。
ただし「なかにはハイクラスなレストランを利用するツアーもあるので、そのようなツアーに参加される時は、機能性ではなくデザイン性を重視した素敵な服や靴もご用意されるといいでしょう。また海外旅行などで、本場のブランド店でのお買い物を考えている方はお洒落な服のご用意をお忘れなく」とのご意見も。
特に海外旅行の服装に悩んだ時は、添乗員さんに相談するのが良さそうです。
気になることがあればすぐに添乗員さんに相談する
「ツアー中、気になることがあったら、すぐにその場で教えてくださいね」と添乗員さん。
特に添乗員さんが困ってしまうのは、ホテルの部屋などに問題点があっても、当日申し出がなく、翌日ホテルを出発する頃になって「実は昨日泊まった部屋が・・・」など、後になって申し出があるケースなのだとか。
「問題点を見つけた時にすぐに教えていただければ、すぐにその場で何か対応ができるかもしれないのですが、終わってしまってから、その場を離れてしまってから申し出を頂いても対応できないことが多いのです。もし、もっと早くにご相談いただいていたら、何か良い対応ができたかもしれないと思うと残念な気持ちになります」と、たくさんの添乗員さんから同じような意見が挙がりました。
非日常を楽しむ心の余裕
最後に「旅を楽しむコツは?」という質問に、「非日常を楽しむ心です」と答えてくださいました。
「旅はトラブルがつきもの」なんて言われますが、お天気や予定外の出来事など、何かと思い通りにいかないことも多いものです。ですが「こんなはずじゃなかったのに」「どうしてこうじゃないの?」といちいち腹を立てたり、がっかりしていては、せっかくの楽しい旅の気分も台無しです。
旅は非日常。「こんなこともある」と非日常を楽しめる心があれば、旅先でのたいていのトラブルは「トラブル」ではなくなるのではないでしょうか。
次回の旅も楽しい思い出をたくさん作ってくださいね!
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