ドイツきっての観光エリア、ロマンティック街道への起点として人気のミュンヘン。昼間からジョッキを片手に談笑するなど、「ザ・ドイツ」な光景が見られるこの街は、ドイツ第3の都市でありながら、どこか素朴な魅力に溢れています。そんなミュンヘンで訪れたい観光スポット6つをご紹介しましょう。
レジデンツ
ミュンヘン観光で絶対に見逃してはならないのが、ヴィッテルスバッハ王家の宮殿「レジデンツ」。
外観は質実剛健でやや華やかさに欠けるようにも見えますが、一歩内部に入れば夢のように豪華絢爛な世界が広がります。14世紀後半に建設が始まって以来、拡張を繰り返しながら400年をかけて現在の姿になったため、外から見えるよりもずっと広く、隅々までじっくり見学していると一日がかりになりそうなほど。
(C) Haruna Akamatsu
レジデンツを象徴する優雅なフレスコ画で彩られた大ホール「アンティクヴァリウム」や、豪華な金の装飾と、120枚に及ぶヴィッテルスバッハ家の人々の肖像画が圧巻の「祖先画ギャラリー」など、華麗なる空間と調度品の数々にうっとりせずにはいられません。
新市庁舎(マリエン広場)
ミュンヘンの旧市街の中心をなすのが、マリエン広場。広場に面して堂々たる姿を見せているのが、ミュンヘンのランドマークである新市庁舎です。1867~1909年にかけて建てれらたネオ・ゴシック様式の壮麗な建造物で、ドイツ最大の仕掛け時計「グロッケンシュピール」で知られています。
その大きさと精巧な装飾は、思わずあんぐりと口を開けて見入ってしまうほど。聖金曜日と諸聖人の日を除く、毎日11時と12時(3~10月は17時も)から、32体の等身大の人形が動き出します。ミュンヘン滞在中、一度は時間を合わせて仕掛け時計を見に行ってみてはいかがでしょう。
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ペーター教会
「ここからの景色を見ずしてミュンヘンを去ることはできない」と言っても過言ではないのが、ペーター教会の塔。高さ92メートルの塔の上からは、新市庁舎や玉ねぎ頭のフラウエン教会など、「これぞミュンヘン!」という景色が楽しめます。
新市庁舎やフラウエン教会の塔にものぼることができますが、ミュンヘンでどこか一つだけ塔にのぼるとしたら、間違いなくペーター教会がおすすめです。
ミュンヘンで最も古い地区教会であるペーター教会は、内装がとても美しいので、塔からの景色だけでなく、教会の豪華な内装も楽しんでくださいね。
ノイエ・ピナコテーク
(C) Haruna Akamatsu
19世紀から20世紀初頭にかけてのヨーロッパ絵画や彫刻を集めた美術館「ノイエ・ピナコテーク」。1853年にバイエルン国王、ルートヴィヒ1世によって設立されました。クリムト、ゴッホ、セザンヌ、ルノワール、モネなど、ユーゲントシュティールやフランス印象派の作品の数々を、落ち着いた空間でゆったりと鑑賞することができます。
(C) Haruna Akamatsu
なかでも、ゴッホの「ひまわり」はノイエ・ピナコテークを代表する名品。日本の多くの美術館とは違い写真撮影可なので、「ひまわり」と一緒に記念撮影をする人の姿も見られます。
ノイエ・ピナコテークのほかにも、周辺には15~18世紀の名画を展示する「アルテ・ピナコテーク」や、現代アート複合美術館「モダン・ピナコテーク」といった美術館が点在しています。アート好きなら、じっくりと時間をとって美術館めぐりを楽しんでください。
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ヴィクトアーリエンマルクト
(C) Haruna Akamatsu
ぺーター教会の南側に広がる野外市場、「ヴィクトアーリエンマルクト」。中央にはバイエルンのシンボルであるマイバウム(5月柱)が立っています。
(C) Haruna Akamatsu
野菜や果物から、ソーセージ、ハム、ワイン、お茶、はちみつ、オーナメントやマスコットまで、多種多様な商品が並ぶ様子は見ているだけでも楽しくなります。お茶やはちみつ、小物などはお土産にもぴったり。
市場には、フレッシュジュースのお店やビアガーデン、カフェもあるので、一休みにもおすすめです。のんびりとした時間が流れる昔ながらのマルクト(市場)の雰囲気を味わってみましょう。
ニンフェンブルク城
ミュンヘン中心部からやや外れたところにあるニンフェンブルク城は、ヴィッテルスバッハ王家の夏の離宮として建てられた宮殿です。「妖精の城」の名にふさわしく、白鳥が泳ぐ池に映る白亜の宮殿はなんとも優雅。
レジデンツに比べて知名度は低いですが、広大な庭園をもつ美しい外観と、豪華な内装は一見の価値あり。ミュンヘン中心部からトラムで簡単にアクセスできます。
(C) Haruna Akamatsu
ニンフェンブルク城のなかでも特に有名なのが、ルードヴィッヒ1世が愛した36人の美女の肖像画が並ぶ、「美人画ギャラリー」。
「美人」と一口にいっても成熟した大人の妖艶さを感じさせる女性から、少女のような可憐さをもつ女性まで、そのタイプはさまざまです。あなたのお好みは誰?自分のお気に入りの美人を探してみるのも楽しいものです。
日本の大都市に比べると、ずいぶんこじんまりとした印象を受けますが、ヴィッテルスバッハ王家の華麗なる遺産が残るミュンヘンは、街全体が観光スポットといっても過言ではありません。
南ドイツの華やかさと素朴さが同時に感じられるミュンヘンを、存分に楽しんでくださいね。
[Photos by Haruna Akamatsu & Shutterstock.com]
Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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