在英国日本国大使館によると、届出にもとづく日本人の被害件数は、ほかのヨーロッパ諸国と比べて多いといいます。先日起こったロンドンのテロ事件を踏まえ、治安情報や気をつけたいポイントをお伝えします。
スリ、置き引きで気をつけたい場所
ロンドン市内地下鉄、大英博物館、バッキンガム宮殿前、繁華街のピカデリー・サーカス、オックスフォード・ストリート、ナイツブリッジなど。現地に慣れているはずのロンドン在住者でさえ、地下鉄でスリに遭うケースもあります。貴重品の保管はしっかりと!
多額の現金を持ち歩かない
所持金◯万円を常に持ち歩くのは、おすすめできません。支払いは基本的にクレジットカードで済ませるようにして、数十ポンドだけ持ち歩くのがベストだと思います。というのも、イギリスはカード社会ということもあり、多額の現金を持ち歩く習慣はないからです。このため、多額の現金を携帯していると思われがちな観光客はターゲットになりやすいのです。
パスポートやクレジットカードは誰にも渡さない
ロンドンに限らず、イギリスでは偽装警察官による窃盗が発生しています。私服警官と名乗って、パスポートやクレジットカード、財布などの提示を求める手口だそうです。
日本でこんなことがあれば、絶対おかしいと思うはずなのですが・・・。海外だと動揺してしまい、思考がうまくはたらくなってしまうのがその原因かも。もしも貴重品の提出を求められたり、クレカの暗証番号を聞かれることがあれば、足早にその場から立ち去るのが一番です。
続いて、テロに巻き込まれないために、気をつけたいことをお伝えします。
5月22日にマンチェスター・アリーナのコンサート会場で起きたテロ事件、6月3日にロンドンでの車両と刃物を用いたテロ、6月19日の車両テロを受け、現時点(2017年6月26日現在)でのイギリスのテロ脅威レベルは5段階中4の深刻レベルとなっています。
被害に遭われた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、ロンドンを始めヨーロッパ方面へ渡航される予定の方は、テロ対策の心得も必要と言えるでしょう。
ただ、テロに注意と言われてもピンとこないし、何をしたらよいのかも分からない。きっとそのように感じる人も多いのではないでしょうか。
筆者はパリとニースのテロ事件が記憶に新しいフランスに住んでいることもあり、現地の総領事館から頻繁にテロ対策の情報がメールで届きます。今月6日付の欧州でのテロ等についての注意喚起のメールが非常に役立つ内容となっているので、抜粋してご紹介します。
テロの標的になりやすい場所
観光施設、観光地周辺の道路、記念日・祝祭日・コンサート・スポーツ競技場など多くの人が集まるイベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、スーパー、ナイトクラブ、映画館など人が多く集まる施設、教会・モスクなどの宗教関連施設、公共交通機関、政府施設など。
過去2年間にはラマダン月にテロが多く発生していることから、ラマダン期間中(今年は5月27日〜6月24日頃まで)は特に意識して行動したいものです。
万が一の場合に備えて確認すべきこと
コンサート会場や競技場などの施設では、会場の出入口や非常口、避難の際の経路などをあらかじめ入念に確認しましょう。また、セキュリティの確保されていない会場の外側や出入口付近は危険なので、このような場所でのひとだまりや行列は避けるようにしましょう。不審な人物や状況には敏感でいる、というのも重要なポイントです。
また、フランスやイギリスに限らず、スウェーデン、ロシア、ドイツなどでもテロが起こっているます。ヨーロッパ方面への渡航を検討している方は、外務省から発表されている「海外旅行のテロ・誘拐対策」をまとめた資料に目を通してみてはいかがでしょう。
[在英国日本国大使館]
[外務省 海外安全ホームページ]
[The Sun]
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