美しい町は、昼に行っても夜に行っても、もちろん朝に行っても異なる魅力を旅人に提供してくれますよね？　北陸で人気の金沢も一緒。昼に夜にと名所を回った次の日は、朝ごはんを食べに朝から金沢に繰り出してみては？　あえて宿は素泊まりにして、朝から散策に出ると言った楽しみ方も素敵です。

そこで今回は北陸に在住する筆者が、朝から楽しめる金沢のカフェを紹介したいと思います。エリアもお店の形態も意図的に幅を持たせてみましたので、宿泊先や気分に合わせてカフェをチョイスしてみてくださいね。

Ｃａｆｅ 素都（そつ）

最初はひがし茶屋街の対岸にある主計（かずえ）町の長屋カフェから。金沢には浅野川という美しい川が流れていて、その両岸に茶屋街が広がっています。観光客に大人気のひがし茶屋街と、風情たっぷりな主計町茶屋街ですね。

カフェ素都は主計町茶屋街の方にあります。浅野川大橋の方から川沿いを歩いて主計町緑水苑を超え、最初の路地を左手に曲がってみてください。緩やかな坂道の上に、長屋を改修したカフェ素都があります。素都とはオーナーの名字で、自宅の長屋を改修した店舗になります。

夜はバーになるお店だけあって、店内にはL字型のカウンター席がたっぷりと設けられています。奥まった一隅にはソファー席、畳の小上がりも。西側の開口部は彦三緑地の景観を眺められるようになっており、朝から落ち着いた雰囲気で楽しめる格好のスポットとなっています。

トースト、サラダ、コーヒーなどがセットで食べられるモーニングは600円。朝7：00から開店していますので、宿が浅野川周辺に近い場合は、朝の茶屋街散策を兼ねて出かけてみてくださいね。

ブラッスリー・カフェ　ひらみぱん

次は過去記事「地元民が太鼓判を押す、金沢で人気のパン屋さん3選」でも取り上げたひらみぱん。大正時代の鉄工所跡をリノベーションしたカフェ＆ベーカリーで、朝、昼、夜と異なるメニューで営業しています。ちなみにカフェ素都と同じく、ひらみぱんの店名もオーナーの名前から。

朝はやや遅く8：00からになりますが、スープ、サラダ、サンドウィッチ、コーヒー、ヨーグルトなど本格的なモーニングセットをゆっくりと食べられます。比較的スケジュールにゆとりのある旅行で、朝ごはんを食べに行きたいですね。もちろんスコーンとコーヒー、ベーグルとコーヒーといったシンプルな組み合わせも可能です。

こちらの店舗は金沢の商業エリアである香林坊の近く、観光名所でもある武家屋敷にも近いです。残念ながら駐車スペースが1台分しかありませんので、香林坊周辺の中心地に宿をとった場合は、徒歩でひらみぱんを目指してみてください。

カフェ・アルコ スタツィオーネ

最後は金沢駅のエキナカにあるイタリアンカフェになります。カンパーニュレストラングループという会社が県内に幾つか展開する飲食店の1つで、なんと朝6：00から開いている使い勝手のいいカフェです。

金沢には朝からオープンしているスターバックスコーヒーやドトールコーヒーショップなど全国チェーンのカフェもありますが、さすがにその手のチェーン店まで行くと、旅気分は薄れてしまいがち・・・。

逆に上述してきたような趣ある個人店のカフェは、入店にちょっとしたハードルの高さがあります。カフェ・アルコ スタツィオーネはその中間的な魅力があり、地元のサラリーマンが朝から店内のフリーWi-Fiを利用して仕事をしている姿など、まさに日常の金沢を楽しめる空間になっています。

テーブル席とカウンター席（コンセントあり）があり、トーストとオムレツ、ソーセージにコーヒーなどのドリンクを550円で食べさせてくれます。石川の食材を生かした和定食も、朝から数量限定ですが食べられます。

駅にありますので、駅前に素泊まりした旅行者などは、徒歩で食べに出かけてみては？　金沢を立ち去る出発前の朝に、ちょっと立ち寄ってモーニングを食べると言った使い方もできます。

上述の2つのカフェと少し毛色が違うお店ですが、誰でも気軽に利用できる朝カフェとしてはある意味で外せないお店ですので、存分に活用してみてくださいね。

[Photos by Masayhoshi Sakamoto and shutterstock.com]