もしも海外旅行中に大地震に被災したとき、とるべき行動とは?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Mar 18th, 2018

海外旅行中に巨大地震に被災した場合にとるべき行動を、外務省の情報、実際の被災経験者の声などをもとにまとめてみました。正確な情報を得る、日本の大使館や領事館に安否を伝える、SNSで安否情報を発信、帰りの便の確認など必要事項を紹介します。

在外公館に安否の報告は!?海外旅行中に大地震に被災したら

先の3月11日で、東日本大震災から丸7年が経過した形になります。ちょうど7年目の日、筆者は小学校3年生の子どもたち(4月から4年生)と一緒に話をしていたのですが、聞くと震災のあった日にまだ2歳で、何の記憶もないと語っていました。

あれほどの震災であっても、全く記憶のない子どもたちが大きく育ってきている事実に驚きましたし、震災の記憶や教訓を残し続ける困難さをあらためて感じました。

しかし忘れたころに地震はやってきます。日本ではなく完全に油断した海外旅行中に被災する可能性も・・・。日本気象協会の情報を見ても、2018年に入ってからマグニチュード7以上の地震が、パプアニューギニア、メキシコ、ペルー沿岸、ホンジュラスなどで起きていると分かります。

在外公館に安否の報告は!?海外旅行中に大地震に被災したら

そこで今回は海外旅行中に巨大地震に被災した場合、どのような行動をとればいいのか、外務省の情報、実際の被災経験者の声などをもとにまとめてみました。

 

対策その1:公的な機関、メディアからの正確な情報を得る

在外公館に安否の報告は!?海外旅行中に大地震に被災したら

日本政府観光局は訪日外国人観光客に対して、日本旅行中に被災したときの行動指針を公開しています。この情報は日本人が逆に海外旅行で被災した際の行動指針にもなりますよね。

日本政府観光局の情報によれば、無事に身を守った後で最初に必要なアクションとしては、やはり正確な情報収集が挙げられると言います。筆者も海外旅行中の被災ではないですが、人里離れたアルバイト中のキャベツ畑で活火山の中規模噴火に遭ったとき、逃げながら真っ先に欲しかった物は正確な情報でした。

同じように旅行先で被災したら、人々のうわさ話ではなく、メディア、政府、消防署、警察など現地の信頼できる機関が発表した情報を収集し、現状把握に努めたいです。言語に不安がある場合は、インターネットが通じれば、日本の外務省が運営する海外安全ホームページで大規模災害に関するスポット情報が確認できるはずです。

 

対策その2:日本の大使館や公使館、領事館に安否を伝える

在外公館に安否の報告は!?海外旅行中に大地震に被災したら

海外旅行中に大規模な地震に遭ったら、在外公館に安否の連絡を入れたいと、政府広報オンラインに記載されています。

東京海上日動リスクコンサルティングの資料を見ても分かるように、海外で大規模な災害が起こると、日本に居る家族や友人、知人、会社関係の人などが安否の確認を開始します。しかし、実際は日本からの安否確認がとれず、日本に残した関係者を大いに混乱させる事態が起きているようです。

在外公館(大使館、公使館、領事館)の側でも、現地滞在中の日本人の安否確認に最大限の努力をしてくれると言いますが、旅行中の町に日本の在外公館があれば、避難を兼ねて足を運ぶといいみたいです。

仮に滞在中の町にない場合は、「たびレジ」や被災直後の混乱した状況でも通じる連絡手段を探して、安否を報告したいです。「たびレジ」とは、短期の旅行者が自分の情報を出国前に登録するシステムで、登録すれば最新の被災状況に関する情報などを、随時受け取れるようになります。

 

対策その3:SNSで自らの安否情報を発信する

在外公館に安否の報告は!?海外旅行中に大地震に被災したら

近年の大震災では、SNSによる情報発信の存在感が大きくなってきています。総務省がまとめた平成29年度情報通信白書の第1部でも、熊本地震の直後からSNSによる住民の情報発信が多く見受けられたと報告されています。過去の震災で、SNSの情報が拡散されて救助につながったという実例もあります。

震災で音声通話や携帯メールが滞っても、比較的SNSやチャットは通じやすいと言われています。電話やメールが使えればありがたいですが、混線している場合は、家族や友人に対する自身の安否情報や現地の状況をSNSで発信できるか確かめたいです。

 

対策その4:航空会社の現地オフィスで帰りの便情報を確認する

在外公館に安否の報告は!?海外旅行中に大地震に被災したら

長期滞在者でない限り、震災後にすぐ帰国の日程が迫っていると考えられます。

実際に空港は機能しているのか、海外からの救援部隊の飛行機が繰り返し離発着しているため自分の帰る便の予定が変更されていないかなど、現地の航空会社のオフィスに問い合わせる、あるいは安全を確認・確保した上で出かけて確認をしたいです。

仮に在外公館に避難している場合は、在外公館の職員に聞けば、出国支援の一環で代わりに確認してくれるケースもあるようです。

 

以上、海外旅行先で被災さひた際の行動をまとめましたが、いかがでしたか? 大前提として、被災直後に身の安全を守り、生き延びなければなりません。

被災する瞬間、自分がどこに居るか分かりません。屋内で被災した場合、屋外で被災した場合、屋外でも野外で被災した場合、公共交通などに乗車中に被災した場合など、ケースごとに対策をあらためて復習する必要があります。各防災マニュアルの詳細は公的な機関から多くの情報が出ていますので定期的にチェックをしたいです。また、旅行前には被災時の損害を補償してくれる保険にも加入しておきたいですね。

 

[Natural Disasters – Japan National Tourism Organization]
[暮らしに役立つ情報 – 政府広報オンライン]
[平成29年版 情報通信白書 – 総務省]
[海外旅行を予定されている皆様へ – 外務省]
[All Photos by shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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