日本発祥の意外なものをご紹介する「知られざるジャパンクオリティの世界へ。“日本発祥の意外なもの”」特集。今回はビーチサンダルについて。
南国リゾートや、夏場のバカンスに欠かせないビーチサンダル。素足で歩いているかのような心地良さが魅力です。なんとなく外国っぽいイメージがあるビーチサンダルですが、実はこちらも日本生まれでした。
きっかけは「草履」
樹皮や植物などを用いて、紀元前から各地で作られていた歴史あるサンダル。そんなサンダルが飛躍的な進化を遂げたのは、第二次世界大戦直後のことです。
アメリカのポータルサイト「AOL.com」には「終戦後にアメリカに帰国した兵士たちが日本から“ゾーリ”を持ち帰り、そこからヒントを得た」との記述があります。
兵庫県明石市で誕生
草履にヒントを得てビーチサンダルを考案したのが、イタリア系アメリカ人工業デザイナーのレイ・パスティンさんです。
パスティンさんはある日、兵庫県明石市に本社を置くゴム製品メーカー・内外ゴムにアイディアを持ち込みます。内外ゴムは全面的に協力、同社の独立気泡スポンジの技術により1952年に世界初のビーチサンダルが誕生したのです。
内外ゴムのホームページを見てみると「下駄や草履など日本の緒付き履物は左右同じ形をしているのが一般的だったが、ビーチサンダルは左右の足形に沿った形状にした」との記述があり、工夫を凝らした発明品だったことが伺えます。
アメリカで大ヒット!
その後1953年にアメリカへ輸出が始まると、ハワイで1カ月間に10万足を売り上げるなど一大ブームに。また1960年代には、カリフォルニアの人たちのカジュアルなビーチスタイルとして、その地位を確立します。
オマケ:海外では通じない? 和製英語のビーチサンダル
ビーチもサンダルも英語だし、海外でもビーチサンダルって言うんじゃないの? と思いがちだけれど、ビーチサンダルは和製英語です。
北米を始めとする英語圏では、主に「フリップ・フロップス」と呼ばれています。イギリスやオーストラリアでは「トングズ」と呼ばれることも。ちなみに東南アジアでは、どういうわけかスリッパーズ(※スリッパ)と呼ばれていたのが印象的でした。
『【特集】知られざるジャパンクオリティの世界へ。“日本発祥の意外なもの”』では、この他にもいろいろと日本発祥の意外なものをご紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
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