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美しい白樺の森、青く澄んだ湖、透明感あふれる空気。豊かな自然に包まれたフィンランドは、心に清涼感を与えてくれるエッセンスがたっぷり。今年国連が発表した世界幸福度ランキングでは1位に輝くなど、そのライフスタイルや文化にも注目が集まります。
ヨーロッパ最大の湖水地方には“森と湖の国”を象徴するフィンランドの原風景が広がり、フィンランド人の生活に欠かせないサウナも充実。今回の特集では、筆者が湖水地方を旅して出会った“フィンランド式幸せになるヒント”をお伝えしましょう。
第4回は、デザイン性と品質に優れ、日本でも人気のインテリアデザインブランド「イッタラ」のガラスファクトリーとアウトレットをご紹介。
穏やかな村に佇む、歴史あるイッタラガラスファクトリー
フィンランドを代表するインテリアデザインブランド「イッタラ」。シンプルで日常に溶け込みやすいデザインのアイテムが揃い、日本でも多くのファンを生んでいます。1881年にブランド名の由来となったイッタラ村(現在はハメーンリンナ市)でガラス工場として誕生したのがイッタラのはじまり。現在でも世界中に流通する多くの製品を生産しています。ヘルシンキからは電車に乗って片道約1時間50分。
予約すれば工場見学も可能。ガラス製品は機械によって作られるものと人の手によるものの2種類あるのだそう。砂などの材料を1450℃もの高温で溶かすので工場内は熱風が漂い、臨場感たっぷり!熟練の職人さんがガラスを吹く姿も見ることができますよ。
製造中のウルティマツーレというシリーズのグラス。お気に入りのアイテムが作られる様子もわかるので、イッタラファン必見です!
日本人ガラス吹き職人、佐藤みつるさんにインタビュー
このイッタラガラスファクトリーにはなんと、日本人の職人さんも在籍。ガラス吹き職人の佐藤みつるさんにお会いし、インタビューさせていただくことができました。
ーどのようなことがきっかけでイッタラで働かれることになったのですか?
もともとフィンランド文化に興味があり、フィンランド語の勉強でこっちに来てたんです。その時イッタラグループのヌータヤルヴィ・ガラス工場を見学し、働きたいと思ったのがきっかけです。フィンランドのガラス吹きの学校に3年通った後、まずはヌータヤルヴィでガラスを吹きはじめ、工場が統一された2014年からイッタラで働くようになりました
ーイッタラのどんなアイテムを担当されていますか?
現在では主にBirds by Toikkaというシリーズの鳥の置物を手がけています。またVulpesやAnnual Cubeなんかも作っています。
ー1日はどんなスケジュールなのか教えてください
6時から14時と、14時から22時の2シフト制です。残業はあまりないですね。
ーイッタラで働くにあたってどんなことが魅力に感じますか?
工場は従業員の仲が良く、楽しい環境です。鳥の置物やアート・ピースを作るのは難しい事もありますが、やりがいがありますしとにかく楽しいです。仕事が終わってからでも自由に練習できるので、どんどんガラス吹きの勉強ができるのも魅力です。
ー夏休みはどれくらいありますか?
夏休みは一ヶ月あります。これは国で決まっているので誰しもがしっかり休みますね。多くのフィンランド人はサマーコテージに滞在したり、旅行したり、家のリフォームをしたり色々です。僕や外国人組は母国の実家に帰ったりが多いですね。フィンランドに残る時はヨーロッパ旅行に行ったりしています。
ーフィンランド暮らしで気に入っているところを教えてください
フィンランドは国自体が田舎なので、のんびりしていて暮らしやすいですね。治安もヨーロッパでは良い方ですし。
「ガラス吹き職人としてもっと上手く吹けるように、これからも日々勉強していきたいです」とさらなる飛躍を目指す佐藤みつるさん。今後のご活躍に期待します!
お得なセール品も!アウトレットも併設
工場の近くにはアウトレットが併設。かつてヘルシンキのアラビア・ファクトリーショップがアウトレットとして営業していましたが、現在は“イッタラ&アラビアデザインセンター”としてリニューアルされており、基本的に正規品とセール品のみの扱いに。こちらのショップではイッタラやアラビアのアウトレット品が数多く揃っているので、お土産探しにもピッタリですよ。
開放感ある大きな店内。食器だけでなくハサミをはじめとするコンシューマー製品メーカー、フィスカースのアイテムなども充実。
さらにお買い得なセール品も豊富。日本未発売の商品もあり、掘り出し物にも出会えることも!
© Moomin Characters ™
日本でも人気のアラビアのムーミンシリーズも充実。可愛いデザインは見ているだけでワクワク気分も高まります。
カルティオのタンブラーも豊富なラインナップ。機能美を追求したフォルムと多彩なカラーは美しさへの感性が刺激されそうです。
ショッピング後のひと休みにピッタリなカフェレストラン
アウトレットの隣にはカフェレストランも。フィンランド名物のシナモンロールやブルーベリーパイなどもありましたよ。イッタラやアラビアの食器でサーブされるのもファンにはうれしい!
イッタラガラスファクトリーにはヘルシンキから電車に乗って片道約1時間50分。工場があるラシマキ村にはイッタラガラスミュージアムや小さな工房などが点在し、地域全体がアートな雰囲気に包まれています。ヘルシンキからは日帰りも可能なので、少し足を伸ばしてフィンランドならではのデザイン文化を体感してみてはいかがでしょうか?
『【特集】フィンランド式幸せになるヒントを探して』では、この他にもたくさんのフィンランドの知られざる魅力を現地ルポ!ぜひチェックしてみてくださいね。
取材協力/
[Iittala Glass Factory]
[Visit Finland]
[Visit Hämeenlinna]
[Photos by Nao]
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