美しい白樺の森、青く澄んだ湖、透明感あふれる空気。豊かな自然に包まれたフィンランドは、心に清涼感を与えてくれるエッセンスがたっぷり。今年国連が発表した世界幸福度ランキングでは1位に輝くなど、そのライフスタイルや文化にも注目が集まります。
ヨーロッパ最大の湖水地方には“森と湖の国”を象徴するフィンランドの原風景が広がり、フィンランド人の生活に欠かせないサウナも充実。今回の特集では、筆者が湖水地方を旅して出会った、“フィンランド式幸せになるヒント”をお伝えしましょう。
第5回はノスタルジックな雰囲気に包まれる、フィンランド最古の公衆サウナ、ラヤポルティ・サウナをご紹介。
創業1906年!フィンランド最古の公衆サウナ
古くからサウナ文化が深く根付いたフィンランド。湖畔のリゾートホテルのサウナから気軽に利用できる公衆サウナまでそのスタイルは様々。ヘルシンキから電車で約1時間40分、フィンランド第2の都市タンペレには公衆サウナが35軒もあり、2018年にはフィンランドサウナ協会と国際サウナ協会によって“サウナ・キャピタル”として選出。
中でも、創業1906年のラヤポルティ・サウナ<Rajaportti Sauna>はフィンランド最古の公衆サウナであり、タンペレのサウナ文化の象徴でもあります。
1906年、それまでパン屋を営んでいたラハティネン夫妻が築いたのがはじまりのラヤポルティ・サウナ。現在でも建物の作りはほとんど当時のままで、タイムスリップしたような気分にも。
まるで日本の銭湯!?ノスタルジックな佇まい
入り口にて料金を払います。まるで古き良き日本の銭湯のような雰囲気で、どこか親近感も感じます。
女性の入り口はこちら。
更衣室はベンチとコート掛けのみ。斬新でモダンテイストがひしめくフィンランドにおいてこのノスタルジックな空間はとても新鮮!
サウナの中はドアを開けた瞬間ものすごいロウリュ(水蒸気)!
(c)Tae Asahina
時代の流れを感じるサウナストーブの蓋。薪を燃やして1トン以上のサウナストーンを温めることで熱が生み出されるのだそう。
(c)Tae Asahina
下の階が洗い場となっていて、ベンチのある上の階にて温まります。サウナストーブから絶えず潤ったロウリュ(水蒸気)が噴き出ているので、サウナ内はやさしい水分に包まれ、じんわりした柔らかな温かさが楽しめますよ。
おしゃべりしながらクールダウン
サウナで心地よい汗をかいたら中庭やカフェでクールダウン。お客さんは地元の人が多く、タオル1枚の姿で外気浴しながらおしゃべりを交わす様子も多く見られました。フィンランドの公衆サウナはかつての日本の銭湯のような、地域の人が集まるコミュニケーションの場でもあるのだそう。
カフェには地元産のクラフトビールが充実。ほろ酔い気分でサウナを楽しむのもフィンランド式なのだとか。湖畔リゾートのサウナもいいけれど、地元の暮らしを体感できる公衆サウナも貴重なスポットですよ。
ラヤポルティ・サウナはタンペレ駅からPispala方面行きのバスに乗って約15分。次の旅ではフィンランド最古の公衆サウナで、ノスタルジックな香りに包まれながらカラダと心を解きほぐしてみてはいかがでしょうか?
『【特集】フィンランド式幸せになるヒントを探して』では、この他にもたくさんのフィンランドの知られざる魅力を現地ルポ!ぜひチェックしてみてくださいね。
取材協力/
[Rajaportti Sauna]
[Visit Finland]
[Visit Tampere]
[Photos by Nao]
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Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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