「地中海のへそ」と呼ばれている島国、マルタ。長い歴史を持つこの国には、世界文化遺産の首都「ヴァレッタ」があります。しかし、マルタの魅力的な町はヴァレッタだけではありません。マルタには中世の面影が色濃く残る古都「イムディーナ」があります。城壁に囲まれたイムディーナは、狭い路地が多い、静寂の町。そんなイムディーナを探索してきました。
バロック様式のメインゲート
ヴァレッタからバスで約1時間、イムディーナに到着すると、バロック様式のメインゲートが迎えてくれます。かつてイムディーナに入る橋は跳ね橋が使われていたそうです。門の両側にはヴェレーナ家の紋章であるライオンが鎮座しています。
イムディーナを訪れたのは、日が落ちる間近だったこともあり、城壁の中はすでに静寂に包まれていました。観光を終え、帰る人の方が多かったです。しかし、イムディーナ観光は夜の方がよりロマンチック。「国立自然史博物館(17時まで)」や「大聖堂博物館(16時半まで)」には入れませんが、イムディーナでしか味わえない、ややダークで魅惑的な中世の空気感と静寂を思う存分、味わえます。
マルタで最初の聖堂「聖パウロ大聖堂」
こちらはイムディーナの最大の見どころ「聖パウロ大聖堂」。伝説によると4世紀に聖パウロの祈りにより、聖パブリウスの父が病から救われたことで、聖パブリウスはキリスト教に改宗。自宅の跡地にマルタで最初の聖堂を建てます。それがこの聖パウロ大聖堂だそう。この大聖堂は、1693年の大地震で全壊しますが、1702年にマルタの建築家ロレンツォ・ガファによって再建されたとのこと。
チョコレートケーキが名物の「フォンタネッラ」
大迫力の「聖パウロ大聖堂」を見た後、向かったのはイムディーナで美味しいと評判のカフェ&バー「フォンタネッラ」。
このお店の2Fのテラスからの景色は絶景! マルタの田園風景を眺めることができます。春から秋であれば、テラス席でお茶や食事を楽しむのもいいでしょう。しかし、冬は風が強く寒いため、オススメしません。
こちらで筆者がオーダーしたのは「マルゲリータピッツア」と「サーモンサラダ」、それからフォンタネッラの名物「チョコレートケーキ」。
どの料理も3人前くらいあります。二人では食べきれないほどの量。マルタの料理は基本的に大盛りです。ですが、マルタには料理をシェアする文化はありません。そのため、複数人で食べる場合は、お皿をもらってシェアするといいと思います。また、食べきれなかった料理をテイクアウトすることもできますよ。
お味の方はピッツアは濃厚なチーズと細かく刻まれたハムがたっぷりとトッピングされていてボリューム満点で美味。サーモンサラダは脂がのったサーモンの塩気がサラダ全体のアクセントになっていて、日本人好みの味でした。
デザートのチョコレートケーキは、甘いですが食べやすい味。生クリームとバニラアイスが惜しげもなくたっぷりと添えられています。
住所:1,Bastion Street Mdina Malta
電話番号:(+356) 2145 4264/(+356) 2145 0208
HP:http://fontanellateagarden.com/
夜のイムディーナは少し怖くてロマンチック
食事を終えると、夜の帳が下り、イムディーナの町はすっかり暗くなっていました。街灯のオレンジの灯りを頼りに町散策を再スタート。
イムディーナの町の魅力は中世の面影が色濃く残る、この狭い路地。今にも甲冑を着た騎士が現れそうな雰囲気です。
どこもかしこも静寂に包まれていて、筆者たちの話し声だけが周囲に響き渡っていました。
現在、イムディーナには290人ほどの住人がいるそう。こんなすごい場所で暮らすなんて、どんな気持ちになるのでしょうか。アレコレ想像してしまいます。
夜の聖パウロ大聖堂も素晴らしいです。
17世紀の貴族の邸宅をホテルにした「シャーラパレス・ルレ&シャトー」。17室しかないそうですが、特別な時間を過ごせそうですね。
天使でしょうか? このホテルのクリスマスの飾りは結構質素でした。
心霊スポットとしても有名なイムディーナ
ところでイムディーナはマルタの心霊スポットとしても有名です。何人もの旅行者が幽霊を目撃しているそう。そのため英語ツアーになりますが、ゴーストツアーも敢行されています。なんでも、イムディーナの暗い路地の行き止まりに、静かに佇む、マルタの伝統衣装をまとった女性の幽霊が現れるとか。
また、カテリナという少女が彼女にひどいことをした騎士を殺害し、死刑に処されたそう。この少女の幽霊も現れると言われています。イムディーナの霊は写真に写り込むこともあるそうですよ。今回、掲載した写真の中にも、もしかしたら何か写り込んでいるかもしれませんね。
中世のマルタの歴史や文化を肌で感じられるイムディーナは一度行くと、不思議と何度も行きたくなる魅惑の町。次回、訪れる際には、イムディーナのホテルに宿泊し、丸一日、中世の世界にトリップしたいと思いました。
マルタについては、過去記事『【地中海の絶景孤島】マルタ共和国ってどんなとこ?』『地中海沿岸で味わう、マルタのストリートフード』などでも紹介していますよ。
[All photos by あやみ]
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