スーツケースを4分割する“ディビジョン4”
旅行に出かけるとなると、あれもこれもと荷物が多くなってしまい、行きからスーツケースがいっぱい! スーツケースの中がごちゃごちゃという方もいるのでは? 実はスーツケースには、各荷物によってそれを詰める最適な位置があるのだとか。
「それを“ディビジョン4”と呼んでいるんです」と佐藤さん。「スーツケースを開いた状態で4分割。キャリーバー側(裏側)の下には1番重たい荷物、ふた側(表側)の下に2番目に重たい荷物、キャリーバー側の上には軽めの荷物、ふた側の上に1番軽い荷物を詰めていくのがコツ。
重たい荷物を下に詰めることによって、荷物潰れを防ぐことができ、スーツケースの走行性も安定します」。今回は右下に靴をパッキング。行きなのにくれぐれもスーツケースをいっぱいにしないように。旅先でのショッピングやお土産などが入ることを忘れずに、80%くらいの荷物量に抑えることがおすすめです。
2番目に重たい荷物するパッキングする左下には、今回はジーンズなどのちょっとかさ張る洋服などを収納ポーチに入れてパッキング。「収納ポーチなどを使うことによって、スーツケース内に仕切りを作りコンパクトにパッキングすることができます。空港やホテルのロビーなどでスーツケースを開けなくてはいけないのときも、ポーチに入っていれば直接洋服などが見えず、見た目もきれいで安心です」。
重たい荷物は下に! 軽い荷物は上に! 壊れやすいものは真ん中に!
「ヘアアイロンや電気シェーバーなど、電化製品や壊れやすいものは、ほかの荷物がクッション代わりになるように真ん中でサンドイッチに」。右上には、シャツやTシャツなどをパッキング。最近では、収納ポーチ自体が洗濯ネットの機能を持ったウォッシャブルポーチなどもあり、これならば旅先で洗濯するときも、帰ってきてから洗濯するときも、そのまま洗濯機で洗うことができるので便利。汚れたものと分別するときにも使えます。
「スーツケース内にすき間ができてしまうと、移動中に荷物が動いてしまい中に入っているものが破損したり、スーツケースの走行性が悪くなったりするので、タオルや靴下などの小物を使って荷物が動かないように固定することもポイント」。
最後にふた側、左上の1番軽いスペースに、下着や洗面用具などのアメニティーをパッキングしたら完成! こんなにきれいにできました!!
圧縮袋・小さくたためるバッグもいざというときに便利!
「洋服などの荷物量が1/3くらいになる圧縮袋は、パッキングの強い味方といえますが、なるべくなら行きは使わないようにしたいですね! 圧縮袋を使って荷物がパンパンなら確実に帰りの荷物は入らなくなります。荷物が増える帰りに使ってこそその実力を実感できますよ。
コンパクトにたためるバッグも、旅先でちょっと出かけるときや荷物が多くなってしまったときに便利なので、スーツケースに入れておくといいでしょう」
「今回紹介したのは、あくまで基本。旅の荷物はコンパクトにした方が身軽で良いですが、私自身は意外と色々持って行きたくなる性格なんです。そのほうがストレスが少ない。基本はおさえつつ、自分のスタイルに合わせたパッキング術を身につけることで、より旅を楽しめると思いますよ!」
スーツケースの伝道師プロフィール
【生年月日】1982年1月
【出身】千葉県(生まれは奄美大島)
【職業】株式会社東急ハンズ トラベル用品チーフバイヤー
【旅歴】20年
【保有スーツケース】21個
【伝道師歴】2年(2017年~)
[All Photos by Ayano Ishihara]