【1】ウィーン風カツレツ「ヴィーナー・シュニッツェル」/グラシス・バイスル
美術館の複合施設MQの裏(南側)に隣接する「グラシス・バイスル」は、ウィーンっ子たちに人気を誇る、とっておきのお店。ウィーンでは昔ながらの居酒屋風のお店を「バイスルBeisl」といいます。
こちらでは、ウィーンの代表料理「ヴィーナー・シュニッツェル」を! 仔牛肉を丁寧にたたいて薄くやわらかくした後、衣に包んでカラッと揚げた、いわゆるカツレツ。ポークのこともあります。
アツアツのシュニッツェルにレモンをギュッと絞っていただきましょう! ビネガーや塩で和えた「ジャガイモサラダ」が副菜として添えられます。
グラシス・バイスルは中庭のあるいかにもウィーンらしい雰囲気です。夜になると、キラキラと輝くインスタ映えスポットがありますので、要チェックです。
住所:Museumsquartier, Zugang Breite Gasse 4, 1070 Vienna
電話: +43(0)1 5265660
営業時間:11:00~深夜2:00(ランチセットは12:00~15:00) 無休
HP:https://www.glacisbeisl.at/info/
【2】牛肉と野菜のコンソメ煮込み「ターフェルシュピッツ」/プラフッタ
格調高いウィーンの代表料理「ターフェルシュピッツ」。スパイス入りブイヨンでじっくり煮込んだやわらかい牛肉(ランプ肉)のスライスを、特製ソースやディップにつけていただきます。まずは鍋ごと出てきて、給仕が一人一人の客に、丁寧に盛ってくれます。
スタートはスープ「フリッターテンズッペ」。フリッターテン(クレープの千切り)を入れたカップに、給仕がスープを注いでくれます。牛や野菜を3時間以上煮込んだしっかりとダシの出たコンソメスープとやや甘いフリッターテンの相性が抜群!
これを飲み終わらないと、次のお料理をサーブしてくれません。一気にいただいてしまいましょう。写真はお皿の上に描かれた牛肉の部位の名前です(こちらは本店で撮影)。
続いて、給仕がお皿にメインディッシュの牛肉と野菜、副菜のポテトなどを盛ってくれます。これらの鍋の具につけていただくディップが4種類あります。
リンゴと西洋わさびをすりおろしたアプフェルクレンソース、玉子とマヨネーズ、長ネギを混ぜたマヨネーズソース、ホウレン草のディップ、ゼンメルという白パンとホースラディッシュを煮たディップの4種。栄養満点です。
それぞれ違うソースとのハーモニーを楽しみましょう。とくに個人的にはアプフェルクレンソースが好みで、リンゴの酸味が、お肉と絶妙にマッチします。ホウレン草とポテトも加わり、栄養バランスも抜群ですね。
白いお粥状のものがゼンメルのディップ。やや塩気が効いています。ゼンメルはウィーンの朝食には欠かせないパンです。
住所:Walfischgasse 5-7, 1010 VIENNA
電話番号:+43(0)1 5122251
営業時間:11:00~24:30 無休
HP:https://www.plachutta-oper.at/
【3】中欧の代表スープ「グラーシュ」/カフェ・ラントマン
グラーシュは、もともとお隣のハンガリーのスープで、ハプスブルク王朝時代にウィーンに入ってきたものです。パプリカをたっぷり入れて煮込んだ牛肉のスープ。ニンジンやジャガイモなどの具が多く入る店もあります。
サラリとした本家ハンガリーの味とはまたひと味違い、たとえば牛肉の具を多くして、スープをもっとトロトロになるまで煮込むなど、ウィーン好みに進化しています。写真のグラーシュは、別のお店のもの。
最初に紹介したヴィーナー・シュニッツェルやグラーシュは、カフェのランチメニューとしても人気です。比較的ハンガリーの味に近いと感じたのが「カフェ・ラントマン」のグラーシュでした。
カフェ・ラントマンといえば、1873年創業、ウィーンでもっとも広くてエレガントと言われるカフェハウスで、音楽家グスタス・マーラーや女優ロミー・シュダイナーほか多くの政治家も贔屓にしていた歴史的な人気スポットです。
さて、こちらのグラーシュは、ウィーンらしい塩気のある味付けですが、野菜の具がたっぷり入り、ブダペストの人気店「Vak Varju」のものに少し似ていました。
食後はもちろん、自慢のケーキも召し上がれ!
グラーシュは奥が深く、まだ綴りたいのは山々ですが、もっと中欧のグラーシュをたくさん食べ歩いてからご紹介させていただく予定です。お楽しみに!
住所:Universitätsring 4, A-1010 Vienna
電話番号: +43(0)1 24100120
営業時間:7:30~24:00 無休
HP:https://www.landtmann.at/
[All photos by Sachiko Suzuki]