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【新型コロナウイルス:速報】欧州オランダの現状とアジア人差別に関して

Posted by: 倉田直子
掲載日: Feb 12th, 2020.

世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス。この記事を書いている2月10日(月)現在、ここ欧州オランダでは感染者は確認されていません。けれど、地続きの近隣諸国では感染者の報告がなされていて、予断を許さない状態です。現地在住ライターが、オランダの今をレポートします。

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ヨーロッパの状態

1月24日(金)、フランスで欧州初のコロナウイルス感染者が発見されました。それに続くように、1月28日(火)にドイツでも感染者の報告が。

オランダでは、まだ感染者の報告は出ていません。けれど2月2日(日)の夜、武漢在住であった15人のオランダ人と、そのうち2名のパートナーである中国人2名が、オランダに戻りました。これによって、オランダ国内の感染者排出の可能性はぐっとあがりました。

オランダの情報公開

オランダの国立公衆衛生環境研究所(RIVM)および国内メディアは、国内のパニックを回避するため、さまざまな情報をオープンにしています。

【情報その1】検疫の状態

武漢から戻った17人は、中国を出発する前、フランスの途中降機時、およびオランダに到着した後、の計3回の健康診断を受けています。その段階では、彼らはコロナウイルスへの感染の兆候を示していないそう。

【情報その2】到着後の隔離状態

17人は、帰国から2週間隔離されることになっています。ただし病院ではなく、自宅での隔離状態だそうです。毎日健康状態を観測され、何らかの症状を発した時のみ病院に隔離されるのだとか。その方が、帰国した人も病院も負担は少なそうですね。ちなみにこの17人は、2週間の検疫に同意した上で帰国しています。

【情報その3】病院での隔離とはどのような状態なのか

こちらのニュースは主に子供が視聴するニュース番組ですが、早いうちからパニックにならないように様々な情報を公開していました。このリンク先の動画では、「仮に病院に隔離されたとしても、こういう部屋に居るだけです」と、明るい病室の状態を映像に乗せています(1分35秒から)。そして「国内の大きな病院には、必ずこのような部屋があります」とも付け加えていました。

大臣が公式に「反アジア人差別」を打ち出す

けれどオランダ人は諸外国からのニュース報道にも触れるため、日々国内での緊張感が高まってきているのも事実です。悲しいことに「コロナウイルス=アジア人が持ち込むもの」という認識が人々の中にあるので、現在は欧州全体でアジア人差別が問題になってきています。街中でアジア人が、コロナウイルスにまつわる心ない言葉をかけられたという事例をよく聞くようになりました。幸い筆者はまだ直接の加害は受けていませんが、街中で近くに居る人がそっと手をアルコール消毒しているところはよく見かけます。

この記事を執筆している段階で、日本は世界で2番目に感染者の多い国。もう中国人だけではなく、アジア人全体が感染の危険性ありと感じる人もいるのです(もちろん、すべてのオランダ人がそう感じているわけではありませんが)。

https://www.instagram.com/p/B7_VKbfpeJo/

ただし、それと同時にオランダ国内では「反アジア人差別」の機運も起こってきています。
1月31日(金)、アジア系オランダYouTuberであるHanwe氏が、ご自身のインスタグラムに「コロナウイルスは(アジア人)差別の言い訳にはならない」と投稿し、話題を呼びました。その後、彼は様々なメディアにインタビューもされ、反アジア人差別を訴えています。

個人的にオランダがすごいと思うのは、そのアジア人差別問題が、国会の場に持ち込まれたこと。2月6日、ある議員が「アジア人とすれ違う時、襟で口鼻を隠す子供たちの話を聞いている。悪気はないのだろうが、それは(アジア人を)傷つける可能性がある」と訴えたのです。そしてそれを受け、医療スポーツ大臣が「差別はあってはならないこと」と回答しました。「私たち全員がそれに取り組むべきだ」とも言っています。

大臣はその直後、子供向けニュース番組のインタビューに応え、「人を差別することはできません。それが起こらないようにしなければなりません。そして、私たち全員がそれについて何かをすることができます」とも語りました。

政府が公式に「反アジア人差別」の姿勢を打ち出し、国内の分断を阻止しようとしてくれているという事実は、在住者として非常に心強く感じます。

こんな差別が生まれてしまったのも、コロナウィルスそのものにまだ謎が多いせいです。未知の恐怖が、人々を動揺させてしまうのです。既にコロナウイルスで亡くられた方への哀悼の意を表すとともに、一刻も早くこのコロナウイルスの治療法と予防法が確立されることを願ってやみません。

[All Photos by Shutterstock.com]

参考:
[Nederlanders uit Wuhan moeten in quarantaine: hoe werkt dat?]
[Nageroepen vanwege het coronavirus: ‘Dit is geen excuus om racistisch te zijn’]
[Minister Bruins: discriminatie om coronavirus onacceptabel]
[Minister: ‘Niet discrimineren om het corona-virus’]
[Coronavirus : un troisième cas d’infection confirmé en France]
[ドイツで新型コロナウイルスの初の症例が確認]

>>世界のコロナウイルス情報はこちらから

倉田直子

Naoko Kurata ライター
オランダ在住ライター。元バックパッカーの旅行愛好家。2004年に映画ライターとしてデビュー。2008年、北アフリカのリビアへ移住後に海外在住ライターとして活動スタート。2011年から4年間のUKスコットランド生活を経て、2015年夏にオランダへ再移住。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0758JCDTM/


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