「卵とベーコン湾」があるのは、タスマニアの果樹園地帯
オーストラリア最南端の島・タスマニア。その州都ホバートから、車で約1時間のところに「卵とベーコン湾(Eggs and Bacon Bay)」は位置します。こじんまりとした入り江は釣りやキャンプの人気スポットで、世界中から観光客が足を運びます。またこの一帯はヒューオン・バレー(Huon Valley)という、広大な果樹園が点在するエリア。林檎やチェリーなどの産地として有名です。
なぜ「卵とベーコン」なの?
気になる湾の名前ですが、英国人探検家ジョン・フランクリンの妻・ジェーンのお気に入りの朝食「卵とベーコン」にちなんで付けられたという伝説があります。何とも素敵な愛妻家エピソード、しかし、実際のところは「卵とベーコンの花」と呼ばれるワイルドフラワーが由来。初夏、黄色と赤の花が岸辺一面に咲き誇る姿は圧巻。確かに言われてみれば、卵とベーコンカラーですよね?
「アップル・アンド・チェリーパイ湾」に改名!?
2016年、地元ヒューオン市では「卵とベーコン湾」の改名検討案が浮上。事の発端は、動物の権利運動団体「PETA(People for the Ethical Treatment of Animal)」が、「卵とベーコンに含まれる、高コレステロール・高脂肪を考えたら、“心臓発作湾” とでも呼ぶべきだ」と発言。肉好きを助長する名前であるとし、改名を求めたことがきっかけでした。
新しい名前として候補に挙がったのは、「アップル・アンド・チェリーパイ湾」。地域の名産品をPRするだけでなく、健康的な食生活、動物に優しいイメージを広めたいとのこと。しかし市民の反応は、「アップルチェリーパイが、卵とベーコンより健康的だなんてナンセンス」「肉の名前が入った地名なら、ローストビーフ川(Roast Beef Creek)とかほかにもあるけど、誰もベジマイト(オーストラリアで有名な野菜を発酵させたジャム)に改名しようなんて思わないさ」など・・・大多数は改名に反対の様子。湾の名は現在も「卵とベーコン湾」のままです。
さて今回は、タスマニアにある「卵とベーコン湾」をご紹介しました。オーストラリアには、まだまだ面白い地名がたくさんありますが、それはまた別の機会に。次回も知られざるオージートリビアをお届けします、お楽しみに!
【協力:オーストラリア政府観光局】
[参照]
Eggs and Bacon Bay Is a Real Place in Australia:
https://www.cntraveler.com/story/eggs-and-bacon-bay-is-a-real-place-in-australia
A New Name for Eggs and Bacon Bay:
https://www.youtube.com/watch?v=KzSvF9apF8g
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