(C)Masato Abe
秘湯ですがアクセスがいいのです「酸ヶ湯温泉」
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標高925m、青森県八甲田山麓の豪雪地帯にある秘湯・酸ヶ湯温泉。ですが、実は交通の便がすこぶるいいのです。羽田から青森空港までは1時間ちょっと。空港から酸ヶ湯へのバスはありませんが、青森駅までの直行バスが出ています。35分ほどでしょうか。
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その先はといいますと、青森駅から酸ヶ湯温泉まで宿泊者専用の無料の直行送迎バスがあるのです。時間があったので青森駅前の市場や観光施設を歩き、昼食には評判の店でおいしいラーメンをいただきました。
そして酸ヶ湯温泉まではバスで1時間ほど。1日に2便、午前10時15分と午後2時発、予約制ですので宿泊予約の際に忘れずに。
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山あいに入ると、みるみる積雪量が増えていきます。実は雪のない時期にも何度か酸ヶ湯温泉を訪ねています。そのときは緑やら紅葉の自然林に目を奪われたのですが、この日はずっと真っ白な銀世界。寒いながらもまずまずの天気で、車窓の向こうに八甲田山が見えました。
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そして1時間ほどで酸ヶ湯旅館の玄関前に到着。まだ12月でしたが、積雪はすでに2mほどあったらしいのです。豪雪地帯でつねに大雪が降り、除雪が行われるので、交通がマヒする恐れはないようです。
外は氷点下ですが旅館の中はぽっかぽか
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外は北風が吹きつける大雪です。でも施設の中はポカポカして暖かいのです。雪の季節でも、どうやら日帰りで入浴を楽しむ方もけっこう多いようですよ。
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昔から見慣れた酸ヶ湯温泉ヒバ千人風呂のポスター。もうずいぶん古いポスターですが、有名な写真です。このなかに写り込みたかったな。
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ロビーには青森名物の「ねぶた」が飾られていました。有名な青森のお祭り「ねぶた祭」や「ねぷた祭」では大型の灯籠「ねぶた」を引き歩きます。そのミニチュア版ですね。
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さて、今回2泊する部屋は3年ほど前に作られた新しい湯治3号館の和室。周囲は自炊棟ですが、この棟は真新しい和室で室内にトイレや洗面もあります。そして今回は1泊2食付き。テレビに冷蔵庫もあるので、室外に出る必要もありません。しかも、こんな山の中なのに携帯も通じますし、Wi-Fiもつながるのです。ちなみに布団の上げ下ろしだけはセルフです。
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湯治をしていると運動不足になりがち。少しは体を動かさなくてはと、屋外を見てみると雪が降りしきっています。ならば広い館内をちょっとした運動がてら散策してみましょう。
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自炊ができるように調理室も完備しています。売店では、自炊する湯治客のために缶詰や調味料、カップラーメン、絆創膏などなど、必要なものは、ほとんどすべてそろっています。ちなみに洗濯機や乾燥機もありました。
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日本酒もたっぷり。青森はお酒がおいしいですよね。もちろんビールやワインもそろっています。
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また昼食も心配いりません。旅館に併設して「鬼面庵」というお蕎麦屋さんがあります。古くから近くの雲谷地区に伝わる独特な製法を受け継いだ、そば粉だけで作られる純粋な日本そば「酸ヶ湯そば」をいただくこともできます。定食やおでんなどもありますので大丈夫。
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湯治3号館には「神舞閣」という広々とした真新しいギャラリーもありました。常設もされていて、季節ごとの展示もあるようです。
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建物は本館や旅館棟のほか、1号館から7号館まであり、広々としています。2泊以上なら食事つきの新しい湯治3号館は旅館棟と値段もそれほど変わらず、おススメです。
名湯・千人風呂でさらに温まる
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さあ温泉。千人風呂は混浴です。ちなみに私が入浴した時には、男性が数十人で、もうもうとした湯気のなかに湯あみ着を着た中高年の女性たちも7〜8人入浴していましたよ。売店でたしか1,000円で販売しています。ちなみに女性専用の時間帯もありますので、ご安心ください。午前8時~9時、午後8時~9時ですのでご確認を。
泉質は、酸性硫黄泉。酸性が強いために「酸ヶ湯」と呼ばれると思っていましたが、古くは「鹿湯(しかゆ)」と呼ばれていて、「酸ヶ湯(すかゆ)」とは読みの「しかゆ」が変化したものだといいます。
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大きな浴室には、源泉の異なる2つの「熱の湯」と「四分六分の湯」の浴槽、そして打たせ湯があります。上の写真「四分六分の湯」は源泉の湯に加水していますが、もともとの源泉が高温のため、熱の湯より温度は高いそうです。そして「熱の湯」は源泉そのままのお湯ですが、ややぬるめといいます。
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相変わらず戸外では雪が降り積もり、玄関前では除雪作業が行われていますね。こんな山の中で温もるなんて、最高のゼイタクかもしれませんね。
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そうそう、混浴は困る、イヤだという女性には、女性専用の玉の湯があります。こちらも広く、洗い場もあります。もうひとつ、千人風呂では頭や体を洗えません。シャンプーやコンディショナー、ボディーソープ備え付けの、こちらのお風呂で洗髪します。
東北の食事はうまい!ごちそうさまでした
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食事は食事処でいただきます。品数もたくさんで、東北の食事はボリュームたっぷりですよね。そして、なによりもおいしいんです。先付け、前菜盛り合わせ、お造り、鍋物、小鉢、焼き物、酢の物、洋皿、デザートという組み合わせ。
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この日のメインはすき焼き鍋。連泊しても料理の内容が毎日変わるので、飽きることなく、おいしくいただけます。ちなみに時節柄、食事処から部屋食に変更することもできるそうです。宿泊予約やチェックインの際に問い合わせてみてください。
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雪景色を眺めながら、のんびりと好きな本を読んだり、音楽を聴いたり、ゲームを楽しんだり、温泉でリラックスできます。ぜひぜひ2泊以上の温泉湯治でリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。