象牙海岸
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前回までは、漢字の音を当てはめて国名を表記してきた例を紹介しました。次はちょっと毛色が違って、言葉の意味から外国を漢字表記した例を紹介します。
象牙海岸。なんだか雰囲気のある国名ですよね。象にとって迷惑極まりない名前ですが、もともと象牙を積み出した海岸があったために、この名前が付きました。象といえば、アフリカゾウとアジアゾウの2種類がメジャーです。
そのうち、象牙が大きいほうはアフリカゾウ。流通量を考えてもアフリカゾウが上ですから、象牙海岸はアフリカのどこかだと予想されます。
ちなみに象牙海岸は「穀物海岸」「胡椒海岸」と呼ばれるリベリアと、「黄金海岸」と呼ばれるガーナの間に挟まれた地域にあります。一体どこでしょうか?
またサッカーの話題で恐縮ですが、先のサッカーワールドカップで日本代表も戦った国です。ディディエ・ドログバさんや、ヤヤ・トゥーレさんなどの名前を聞いた人もいるのではないでしょうか。
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答えは「コートジボワール」です。そもそもコートジボワールとは「Côte d’Ivoire(コート・ジボワール)」というフランス語のカタカナ表記で、「Côte」の意味は「海岸」、「d’」は「の」、「Ivoire」は「象牙」になります。
すなわち「象牙の海岸」。そのフランス式の呼び名が国名となっており、日本語訳では意味を優先したのですね。ちなみにコートジボワールの公用語は、フランス語です。
[参考]
※ コートジボワール共和国(Republic of Cote d’Ivoire)基礎データ – 外務省
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