(C)九重“夢”大橋
高さ173m、日本一の大吊橋
くじゅう連山の麓、爽やかな高原地帯に温泉が集まる九重町(ここのえまち)。この地のランドマークといえば2006年に完成した「九重“夢”大吊橋」です。オープンからわずか9日間で入場者数10万人を達成し、2021年11月には入場者1,200万人を超えるまでになりました。九重町の9,800人という人口を考えれば、並外れた人気ぶりといえるでしょう。
(C)九重“夢”大橋
高さは173m。これは40階建ての高層ビルがすっぽり橋の下に入ってしまう計算です。全長は390mで、高さ333mの東京タワーが横たわっても足りないほど。完成時は高さ長さともに日本一を誇りましたが、2015年に「三島スカイウォーク(400m)」が落成し、長さ日本一の座は譲っています。
大パノラマを望む空中散歩
橋の幅は1.5mで意外と狭め。中央は格子状の金属床板となっていて、足元は透け透け。手すりは1.4mで大人の胸ほどと、一抹の不安がよぎる高さです。柵はパイプと金網だけで作られているので、全方向から風がビュービューと吹き込んできます。風通し良すぎるシースルーな吊り橋を進めば、まさに空中を散歩しているような錯覚に。
想像以上のスリルで歩を進めるだけで精一杯。正直、周囲の景色を楽しむ余裕などなかったのですが、冷静になってカメラを手に取ることに。レンズ越しに見えるのは新緑深まる雄大な峡谷、そして落差83mもの「震動の滝(雄滝)」。360度広がる自然のパノラマは限りなく美しいものの、終始ハラハラ。強風とも相まって、足がすくんで体から力が抜けてしまうほど!
一番のスリルスポットが吊り橋の中間地点。この付近のみメッシュ下にコンクリートが交差しておらず、橋の下を流れる鳴子川もバッチリ見えます。川との距離は174m。高所恐怖症ならずとも心臓がバクバクすること間違いなしでしょう。
吊り橋を支えているのがこの7本のワイヤーです。それぞれ直径53mmという細さながら、大人が約1,800人乗っても耐えるとか。
(C)九重“夢”大橋
もともとは地域活性化計画の一環として架けられた「九重“夢”大橋」。かねてより地元の人が「谷に吊り橋を架けたら人が来るはずだ」と提案していたのがはじまりだそう。総事業費は約20億円。国や県による補助金はなかったものの、オープンから数年間で事業費を回収できたというからすごい話です。来場者の中には100回以上訪れるコアなファンもいるとか。町が命運をかけて作った吊り橋は、地方創生の成功事例としても全国から注目が集まっているようです。
(C)九重“夢”大橋
四季折々の表情を魅せる鳴子川渓谷。10月下旬から11月中旬には木々が燃えるように色づき、県内屈指の紅葉スポットとして人気を集めます。
(C)九重“夢”大橋
一面が雪景色に包まれる冬。モノトーンの静かな絶景もまたいいもの。
必食したいご当地バーガー
橋の入り口付近には、九重産の野菜や果物、お菓子などを販売する直売所「天空館」も併設されています。スリリングな体験でお腹が減ったら、ご当地バーガー「九重“夢”バーガー」がおすすめ。パテに使われるのは豊後牛や九重夢ポーク、地元産の猪肉、鹿肉。バーガーでは珍しいジビエを楽しめるのも特筆すべきところ。
猪肉を使った「シシガー」は自家製味噌ソースとジューシーな肉汁が絶妙にマッチ。ふんわり柔らかいバンズともよく合います。バンズは近隣の牧場「やまなみ牧場」の特注品、野菜は地元農家から届くものを使用するなど、地産素材へこだわりも余念ありません。
パテに豊後牛を使用した「モモガー」は、噛み締めるほどに肉汁が溢れます。ちなみに、「モモガー」という名は牛の「モーモー」という鳴き声が由来だそう。これは意外(笑)。また、猪肉を使った「シシガー」は、自家製味噌ソースとジューシーな肉汁が絶妙にマッチ。ふんわり柔らかいバンズともよく合います。バンズは近隣の牧場「やまなみ牧場」の特注品、野菜は地元農家から届くものを使用するなど、地産素材へこだわりも余念ありません。
地元産の果物を使ったスイーツも充実。採れたてのブルーベリーをブレンドした「ドリームソフト」は、牛乳の甘味とフレッシュな果実感が見事なハーモニーに。スリルある空中散歩で疲れた身体に染み入る甘美な味わいです。
「九重“夢”大吊橋」は悪天候を除き年中無休。春夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と移ろいゆく自然を間近に感じられるのも魅力です。大分を旅した際は、スリリングな絶景体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。
九重“夢”大吊橋
- 住所:大分県玖珠郡九重町大字田野1208
- 電話:0973-73-3800
- 営業時間:8:30~17:00(9~10月は18:00)※入場券の販売は営業終了の30分前まで
- 定休日:無休
- 入場料:大人(中学生以上)500円、小学生200円、小学生未満無料
[Photos by Nao]
Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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