デザートは19世紀末に始まった習慣
フランスのレストランに行くと、前菜、メイン、デザートの流れが基本となっています。これはレストランだけなのかなと思いきや、多くのフランス人家庭では、この習慣は守られているとのこと。
実はこのデザートを食べる習慣は、19世紀末から始まりました。それ以前、貴族は豪華な食事を取っていたものの、フランスの庶民はパンと季節のスープとオイル、そして時々お肉というのが基本的な食事内容でした。大衆社会が始まるにつれて、前菜、メイン、デザートの流れが確立されていったのだそうです。
現在では、前菜、メイン、デザートの流れがフランスの料理の伝統的な構成と考えられているので、学校の給食でも前菜、メイン、デザートが出るようになっています。
フランス人はこんなデザートを食べる!
デザートというと、レストランで出てくるようなケーキを想像しがちですが、フランス人が毎食後にケーキを食べる訳ではありません。ケーキのようなデザートを食べるのはどちらかというと、レストランやホームパーティなどの特別な機会のみ。
では、どのようなデザートを食べるのかというと、フルーツやチーズ、ヨーグルトが一般的。フランス人はフルーツが好きで、八百屋さんやスーパーの野菜売り場の面積の半分はフルーツで埋め尽くされているほど。季節のフルーツを必ず常備しているという家庭が多く、フランス人にとって欠かせないデザートのひとつなのです。
また、フランスではチーズもデザートとみなされていて、メインの食事が済むと、何種類ものチーズが盛ってあるお皿が出てきます。フランス人と食事を取ると、こんなに食べて、食後にまだチーズを食べるの?と驚くことが多いのですが、フランス人にとってチーズは別腹。パンと一緒に食後のチーズを楽しみます。
その他に、プリンやムースショコラなどのデザートは簡単にスーパーで購入することができるので、毎食後というわけではありませんが、1日に1回はこのようなデザートを食べるフランス人も多くいます。
食後のデザートの習慣は減少
しかし、近年では、フランスでも食後にデザートを食べる習慣は減少傾向にあるとのこと。食後に甘いものを毎回食べるのは不健康ではないかと考える健康志向の人が増えてきたからです。レストランなどでも、メインのみ、もしくは 前菜+メインかメイン+デザートの組み合わせから選ぶことができることも多く、あえてデザートを選ばないという人も多くいます。
フランス人にとって、食後のデザートタイムは至福のひとときであり、大切にしている習慣でしたが、時代の変化と共に習慣も変わりつつあるようです。
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参考サイト
Pourquoi mange-t-on un dessert à la fin des repas ?
Les Français consomment moins d’entrées et de desserts, mais plus d’apéritifs