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発祥は江戸時代!観覧客95万人、2万発の花火が上がる隅田川花火大会
【隅田川花火大会の歩み(抜粋)】
- 1733年(享保17年):徳川吉宗が隅田川で水神祭を開催(「両国の川開き」の発祥)
- 1962年(昭和37年):「両国の川開き」が中断
- 1978年(昭和53年):「隅田川花火大会」の名称で再開
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夏の夜空を美しく彩る花火。東京・隅田川沿いの河川敷で7月に開催される「隅田川花火大会」は、都会の真ん中で大輪の花火を間近に見られる一大イベントです。
隅田川沿いの特設会場をはじめ、東京スカイツリーや周辺のホテル、レストラン、屋形船など、さまざまな場所から観覧でき、それぞれ異なる風情が楽しめます。花火の打ち上げ数は2万発以上。毎年95万人もの観覧客(2019年開催時のデータより)を集めていることからも、開催を心待ちにしている人も多いことがわかりますよね。
近年は新型コロナウイルスの影響で開催が中止となっていますが、墨田川花火大会は2022年、第45回を迎えます。その歴史は古く、起源は江戸時代にまでさかのぼり、記録に残る限り「日本で最も古い花火大会」とされています。
慰霊と悪病退散の祈願が始まり
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隅田川花火大会の発祥は江戸時代。8代将軍・徳川吉宗が治める世において誕生しました。当時、吉宗を悩ませたのは飢饉と疫病でした。1732年(享保17年)の大飢餓で多くの餓死者が出て、さらに疫病が流行。翌1733年(享保18年)5月28日(旧暦)に、慰霊と悪病退散を祈って、隅田川で水神祭を行ったことが始まりでした。
この時、両国橋周辺の料理屋が許可を得て花火を打ち上げたことが「両国の川開き」として伝わり、一時、戦争で開催できなかったことはあったものの、昭和中期まで両国橋上流で花火大会が開催されてきました。
そんな「両国の川開き」が中断されたのは、高度経済成長期。周辺環境の変化や交通事情の悪化が著しくなり、1961年(昭和36年)の夏を最後に開催されなくなってしまいました。
それから時を経て、1978年(昭和53年)に「隅田川花火大会」と名を改め復活。実に17年ぶりの再開となり、長らくこの日を待ち望んでいた人たちの喜びは大きなものだったに違いありません。
隅田川花火大会が7月に開催される理由とは
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江戸時代に起源がある隅田川花火大会。徳川吉宗が悪病退散祈願を込めて墨田川で水神祭を行ったのは旧暦の5月のこと。これを新暦になおすと、7月にあたります。現在、隅田川花火大会も毎年7月に開催されており、江戸時代の習わしが現代まで確かに伝わっていることがうかがえます。
もともとは飢饉や疫病から人々を守るために祈りを込めて打ち上げられた花火。江戸時代は隅田川周辺に大きなビルなどなく、見上げる夜空も現代のものよりはるかに広かったはずです。当時の人たちはどんな思いで花火を見上げていたのでしょうか。
こうした歴史的背景を知ると、色とりどりに夜空に咲く花火の美しさや儚さがなおいっそう胸に迫って、より味わい深く花火大会を楽しむことができそうです。
[参考]
・隅田川花火大会公式Webサイト
・台東区文化探訪アーカイブス
内野 チエ ライター
Webコンテンツ制作会社を経て、フリーに。20歳で第1子を出産後、母・妻・会社員・学生の4役をこなしながら大学を卒業、子どもが好きすぎて保育士と幼稚園教諭の資格を取得、など、いろいろ同時進行するのが得意。教育、子育て、ライフスタイル、ビジネス、旅行など、ジャンルを問わず執筆中。特技はワラビ料理と燻製作り。
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