【旅するように暮らす】私のオーストラリア物語 ~Vol.1 運命の恋?

Posted by: 金子 愛

掲載日: Mar 19th, 2022

夢を抱いて日本を飛び出した24歳。泣きながらブリスベンを去った33歳。引き寄せられるように舞い戻った36歳。どうしてこの国は、こんなにも私の心を掴んで離さないのだろう……。美しく、時に苦い、オーストラリアでの日々をつづる週1エッセイ。暮らし旅ライター金子 愛がお届けします。

移住のきっかけは、恋

私は人生で2度、オーストラリアに移住しています。理由はズバリ……、「恋に落ちたから」。1度目はグレートバリアリーフに一目惚れ。2度目は旦那さんに(一目惚れならぬ)一日惚れ。今回は最初の移住のきっかけとなった、“海との馴れ初め話“。

運命のイタズラ

初めてオーストラリアに足を踏み入れたのは、2006年。きっかけは友人が「エアーズロックに登りたい」と言い出したことに始まります。私としては本当はエアーズロックより、エッフェル塔に登りたかったのだけど……。HISお年玉セールでパリ行きが売り切れだったもんで、「しゃーない、世界の中心で愛でも叫ぶか!」となった訳であります。

そんなわけでやってきました、女2人ケアンズ4泊6日の旅。到着後すぐ、衝撃的な事実を知らされることに……。「ケアンズは本日より、雨季に突入致しました。残念ながら今後2週間は、毎日雨となることが予想されます」と苦笑いのツアーガイドさん。

「雨季って何よ!?」オーストラリアは一年中夏とばかり思い込んでいた私たち。青い空、白い砂浜、常夏バカンスが待っている!と思い込んでいた私たち。先入観とはなんて恐ろしいのでしょう。あれ?そうか、だからHISお年玉セール売れ残ってたのか!?

生まれて初めて天国を見た

しかし海の女神は私たちを見捨てませんでした。ケアンズ本土から船で約2時間、グレートバリアリーフのド真ん中。連日降り続いていた雨が、ピタリと止むという奇跡が起きたのです。

透き通る海の底には珊瑚礁、船の真横を並走して泳いぐをイルカの大群。映画でしか見たことのない光景に、さっきまでの船酔いが嘘かのようにはしゃぎだします。「この世に天国があるとしたら、きっとここに違いない……」。白砂の島「ミコマスケイ」に着いた時のあの衝撃は、紛れもなく恋でした。それから半年余りで、私はブリスベンへ移住することになるのです。

あの日、あの時、あの場所で、あの景色に会えなかったら

「もしあの日、HISのお年玉セールでパリ行きのチケットが取れてたら」「もしあの時、大雨でミコマスケイツアーがキャンセルになってたら」そんなことを時おり考えます。いくつもの偶然が重なって私はここにいるんだな、そう思うと何だか感慨深くて、日常がいつもより三割り増しで素敵に見えてくる……。ちなみにこの旅、何だかいい感じで締めくくられてますが、実は事件続きのとんだ大冒険でした。が、それはまた別のお話。

最後になりましたがこの場を借りて、エアーズロックに登りたいと言い出してくれた友人に感謝を述べたいと思います。彼女の一言なしでは、今こうして私はこの国にいないと思うのです。本当にありがとう。ま、結局エアーズロックは遠過ぎて、即断念したんですけどね(笑)。

[All photos by Shutterstock.com]
Please do not use the photos without permission.

PROFILE

金子 愛

Ai Kaneko 暮らし旅ライター

【オーストラリア】役者として映画やミュージックPVなどに出演。現地撮影コーディネーターとしても様々な作品に携わる。【日本】TV番組制作や旅メディア運営を経験 【現在】「暮らすように旅して、旅するように暮らす」をモットーに、”暮らし旅ライター”としてフリーで活動中。

【オーストラリア】役者として映画やミュージックPVなどに出演。現地撮影コーディネーターとしても様々な作品に携わる。【日本】TV番組制作や旅メディア運営を経験 【現在】「暮らすように旅して、旅するように暮らす」をモットーに、”暮らし旅ライター”としてフリーで活動中。

SHARE

  • Facebook