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「退職」と「離職」の違いって?【正しい日本語解説Vol.1】

Posted by: 熊本沙織
掲載日: May 29th, 2022. 更新日: Jun 1st, 2022

「アメリカ人にとって日本語は最難関の言語」という話も耳にするほど、数ある言語のなかでも複雑な日本語。日常生活で何気なく使っている言葉でも、意外と意味が説明できなかったり、類語との違いがわからかったりする場合も多いはず。このシリーズでは、そんな知っているようで意外と知らないビジネスシーンの頻出ワードを徹底解説! 今回は、言葉自体も似ていて違いがわかりにくい「退職」と「離職」について、日本語に関する著書も多数手がけている、国語講師の吉田裕子さんに解説してもらいます。

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「退職」の意味


「退職」は、仕事を辞めること・仕事から退くこと。仕事を辞める理由は、自己都合・会社都合を問いません。ただし、懲戒解雇(問題を起こしてクビになったケース)においては、一般に、退職という言葉は使いません。

【例文】
母は60歳で退職する予定です

「離職」の意味


一方「離職」は、退職や失業によって仕事から離れる・離れていること。離職の理由は自己都合・会社都合を問わず、解雇も含まれます。「離職票」などのように、ハローワークなどでよく使われる言葉です。

また、公務員法では失職・免職・退職・辞職などにより職員としての身分を失うことを総称して離職と言います。

【例文】
2カ月前に会社を辞めたので、いまは離職中です

「退職」と「離職」の簡単な覚え方

「退職」は仕事を辞める・退くという行為にフォーカスした表現。「離職」は仕事から離れるその時だけでなく、離れている状態にも使えます。「離職中」とはいっても、「退職中」とはいわないですよね。また、自分の意志で会社を辞めるときは「退職させてください」「退職しました」のように「退職」を使うほうが一般的です。「離職」は、リストラや解雇を婉曲的(遠まわし)に表現するときに使われることもあります。

ちなみに、「辞職」も退職に似た言葉ですが、こちらは自分の意志で現職から退くことが強調されます。平社員の場合には使われず、役員以上の役職者が辞める時に使われます。

【クイズ】適切なのはどっち?

【答え】
1→離職
2→退職

1の正解は離職。離職中を「仕事から離れている間」という意味で使用しています。退職は辞める行為のことで、辞めている状態を指しているわけではないので、「退職中」という言葉はしっくりきませんね。

2の正解は退職。会社に自分の退職を申し出る文脈では「退職」を使います。

監修:吉田裕子先生
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。

>>>吉田裕子先生の(株)裕泉堂 公式サイトはこちら

熊本沙織

saori-kumamoto
編集プロダクションと出版社での勤務を経てフリーの編集者・ライターに。ウェブメディア・書籍・雑誌・広報誌などで幅広く活動中。隙あらば航空券をウェブ検索し、旅のプランを練っている旅行好き。自宅に3台のたこ焼き機を所有する関西人。


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