世界一周と聞いた時あなたはどのようなイメージが湧きますか? 多くの人が「旅行」という文字を思い浮かべるのではないでしょうか。
世界一周の旅に出る人が多くいる中、イギリスのアン・モーガンさんは世界の本を読破することを目的としたプロジェクトA YEAR OF READING THE WORLDをスタートし世界中から注目を集めています。
気がつけば自国の本ばかり読んでいた
イギリスに住む多読家としてしられるアン・モーガンさんは世界中にたくさんの国と文化があるのにもかかわらず、ふと気がつけば自国イギリスの本や同じ英語圏のアメリカの本ばかり読んでいたと気が付きました。
調べてみるとどの出版社も自国びいきで全体のわずか4.5%の本しか世界中の本が翻訳されていないという事実に衝撃を隠せませんでした。
そしてロンドンオリンピックの年に彼女は1年かけて世界中の国の本を読破するプロジェクトをスタートすることを決意したのです。
オープンマインドになることで世界が助けてくれた
彼女はプロジェクトスタートと同時にA YEAR OF READING THE WORLDというブログをスタートしました。するとブログを立ち上げた直後思いもよらない連絡を受ける事に。
それはマレーシアの女性からで、なんと「自国マレーシアのオススメの本の英語版を送る」との事でした。
当時のアンモーガンさんはプロジェクトを立ち上げたにもかかわらず、どうやって世界中の本を英語版で手に入れられるのか、また何からスタートするべきなのかまったく知る由もなかったため、その女性からのサポートに深く感激しました。
さらにそのオファーをきっかけにアンモーガンさんのプロジェクトに共感した世界中の人たちから続々とサポートが寄せられるようになりました。中には現地言語にて出版されていた本を翻訳すると申し出てくれる人も出てくるほど。各国の言葉を理解できなくても様々な人のサポートのおかげで彼女のプロジェクトはどんどん大きくなっていったのです。
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A YEAR OF READING THE WORLDプロジェクトが教えてくれたこと
現在彼女が読破した国の数は196。それもひとえに世界中のサポートがあってこそ。
「ただ新しい経験をすることや新しい物語を知ることだけでなく、本を通して世界中の人たちと繋がれたことに価値がある。今回の経験を通して自分の弱点がプロジェクトにとっての強みになった」と彼女は語ります。
そして「世界中の出版社に自国びいきせず世界中の素晴らしい本が多く翻訳されることを願っている」とプロジェクトを通し発信しつづけています。
アンモーガンさんが教えてくれた全く別の切り口からの「世界一周」。現地に実際旅行にいかなくとも各国の素晴らしい文化や思想の世界にトリップできる読書を通してあなたも世界を読んでみてはいかがでしょう?
[All photos by A year of reading the world]
[A year of reading the world.com]