Dojo
最初は日本の格闘技を習う場所から。アメリカのある大きな都市に行った時、一般的な観光客が足を踏み入れないような地域で「dojo」という単語を耳にしました。
とはいえ海外で「道場」という日本語が聞こえてくるわけがありません。何かの間違いだろうと思ったら、現地の子どもが通う空手道場へ向かう親子が確かに「dojo」と発音しているわけです。
隣にいたアメリカ人に確かめると、日本の武道のtraining roomについては「dojo」と呼ぶと教えてくれます。そもそも「karate」という英単語はかなり浸透していて、例えば手元の英英辞典『Macmillan English Dictionary』にも掲載されています。
このkarateのtraining roomをdojoと呼ぶ人はアメリカに普通にいるようです。
Kaizen
先ほど英英辞典『Macmillan English Dictionary』の話を出しました。「karate」を調べようと「k」のページを開くと、すぐ近くに「karaoke」が掲載されています。その左隣の列に目を向けると今度は「kaizen(改善)」も載っています。この「kaizen」も海外で耳にした経験があります。
辞書にBusiness(ビジネス用語)と書かれているとおり、マレーシア政府観光局が主催する大臣参加の会議に出席した時、現地役員のスピーチの中に「kaizen」という言葉が出てきました。
会議に参加したメディア関係者は、世界各国から集まっています。アメリカ・カナダ・オーストラリア・イタリア・インド・カンボジア・中国・台湾などなど。皆さん当たり前のように理解していました(のはず)ので「kaizen」は世界のビジネスシーンである程度、市民権を得た言葉だといえそうです。
Keirin
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TABIZINEとは別媒体で競輪選手を取材した時、選手から「keirin」は世界で通じる日本語だと教わりました。
残念ながら英英辞典『Macmillan English Dictionary』には掲載されていませんが、bicycle race(自転車レース)の一種で、特にtrack-cycling(トラックを走る)の競輪は日本で生まれたため、海外で同種の競技に取り組む人たちには共通語となっているようです。
例えばブラジルで開催されたリオ五輪でもMen’s Keirin Finals(男子競輪決勝)などと当たり前に表記されていました。「keirin」が世界の共通語になっている証拠ですよね。
先ほどの取材した選手によれば、競技に使う専門用語、例えば「先行」などの言葉も海外の選手にそのまま「senko」と発音されているそうです。
東京五輪でも競輪の試合が行われます。海外選手のインタビューで、どのような日本語が不意に口から外国語の会話の中に発せられるのか、注目してみるとまた面白いかもしれません。
Tsunami
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最後は津波です。10年前、大震災が東日本を襲った際、海外に暮らす多くの友人から「大丈夫か?」と心配のメールがたくさん届きました。その時にはどの国の人も「tsunami」という言葉を使っていました。
もちろん上述の英英辞典『Macmillan English Dictionary』にも掲載されています。
<a very large wave or series of waves>(英英辞典『Macmillan English Dictionary』より引用)
「とても巨大な波または連続した波」といった意味ですね。
2010年の韓国映画にも『TSUNAMI』というタイトルがあります。インド南西部の言語であるマラヤーラム語を使ったインドのコメディ映画(2021年)にもタイトルで『Tsunami』という言葉が使われています。タイでも『2022 Tsunami』という映画が2009年にリリースされています。
新型コロナウイルス感染症が終息して再び旅に出られる日が戻ってきたら、上述のような日本語を海外で使ってみてはいかがですか?これ以上ないくらい自信を持って使える数少ない「外国語」になってくれるはずですよ。
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