新緑に包まれた「星のや軽井沢」へ
東京駅からJR北陸新幹線で約70分。軽井沢駅に降り立つと、ひんやりとした心地よい風が迎えてくれます。軽井沢駅からタクシーで15分、まるで森に包まれるように佇む「星のや軽井沢」の別棟にたどり着きました。
「やぐら」と呼ばれるオリジナルの楽器の演奏を楽しめるレセプションで、甘酒のウェルカムドリンクをいただきながらチェックイン。
その後はスタッフの運転する専用車に乗り換え、フロントのある「集いの館」へ。これからはじまる体験への期待が高まります。
森の中を抜け、みるみる「星のや軽井沢」の世界へと導かれていきました。
「集いの館」には、フロントとショップ、メインダイニングの「日本料理 嘉助」、そしてキッズルームも完備。2階には、軽井沢の歴史や文化、自然にまつわるユニークな本と出会えるライブラリーラウンジがあり「お部屋以外にもくつろぎの場所を」という想いから、コーヒーや紅茶、ジュースやお菓子などを無料で提供しています。
広々としたソファでくつろぎながら、またはすぐそばの棚田を模した庭に面した「棚田テラス」でのんびりと過ごすのは、なんとも贅沢な時間。
この日はあいにくの雨でしたが、水にぬれ呼吸するかのような木々の香りが、童心にかえったかのようなワクワクする気持ちにさせてくれます。
施設内のいたるところに傘が用意されており、急な雨にも困ることはありませんでした。
集落の住人になった気分で過ごせる「星のや軽井沢」の客室
「谷の集落に滞在する」というコンセプトの「星のや軽井沢」。周囲の森に溶け込むように点在する客室は、日本家屋の伝統を活かしたつくり。屋外と室内をつなぐ広い窓やテラスを設け「いつまでも眺めていたくなる場所」を目指したといいます。
客室は全77室、水辺の庭園を囲むように建てられている「水波」、高台に建つ「山路地」、そして庭付きの一軒家のような「庭路地」の3タイプあり、1つとして同じ眺めはありません。
今回、宿泊した「水波」の客室は、広々としたテラスがついており、まるで自分だけの別荘のようにプライベート感たっぷり! 四季折々の美しい自然を満喫できる美しい景観は、きっと一生忘れられないものとなるでしょう。
部屋の中にも軽井沢の自然エネルギーを活かした工夫が随所に見られ、天井に設けられた「風楼」と呼ばれる通気口のおかげで、夏はちょうどよい涼しさが保たれます。冬は温泉排湯熱や地中熱などのエネルギーを活かした床暖房が冷えやすい足元からあたためてくれ、寒い日も快適に過ごすことができるというのです。
部屋着としてはもちろん、敷地内でも着用できる作務衣に身を包めば「集落の住人」になった気分でのんびりとくつろげます。着心地のいいパジャマは星のやオリジナルのもので、フロント横のショップで販売していました。
アメニティは、歯ブラシやコットンをはじめ、あるとうれしいスキンケアセットや星のやオリジナルのソープまで用意。
ヒバの浴槽もなんとも贅沢なお風呂。ゆずやかぼすなど、時節に合わせた季節湯が用意され、お湯に入れて香りを楽しむことができます。
「星のや軽井沢」でぜひ体験したいメディテイションバス
1915年開湯の歴史ある「星野温泉 トンボの湯」と光と闇の瞑想空間を持つ「メディテイションバス」の2つの源泉かけ流しの温泉を堪能できるのも、ここ「星のや軽井沢」の魅力のひとつ。
軽井沢の温泉は、お湯は柔らかくて、古くから美肌の湯といわれているんですよ。
画像提供 星のや軽井沢
画像提供 星のや軽井沢
一般的には公開されていない、宿泊客専用のメディテイションバスは、約39~40度とぬるめの温度設定。「光の部屋」「闇の部屋」 を行き来しながら瞑想し、五感を研ぎ澄まされるような空間で心と身体をリラックスさせることができます。夜通し利用できるのもうれしいポイントです。
夏ならではのひとときを楽しむ「緑陰散歩」
この日は「星のや軽井沢」の敷地内を散歩して、好みの場所を見つけたら涼菓を楽しむことができる緑陰散歩というプランを予約していたのですが、雨のため、お部屋のテラスでいただくことに。
夏の花を模した見た目も可愛い涼菓は、この時期だけの涼やかな夏のひとときを過ごせます。
料金:1名6,050円(税・サービス料込)*宿泊料別
時間:15:00~17:00
定員:1日1組(2名まで)
対象:星のや軽井沢宿泊者
予約:公式サイト(https://hoshinoya.com/karuizawa/)にて10日前24:00までに予約
「日本料理 嘉助」山の懐石に舌鼓
生糸業を起こして輸出で財をなした初代・星野嘉助氏の名を冠したメインダイニングの「日本料理 嘉助」。窓の向こうに見える棚田が続いているかのような客席は「川床」、通路は「川」をイメージしています。ユニークで思わず写真に収めたくなる美しさです。
「日本料理 嘉助」では、旅先でその土地ならではのおいしいものを楽しみたいという願望を叶えてくれる山川の食材をふんだんに使った「山の懐石」を味わうことができます。
「自然とつながっているように感じる食事の時間」を大切にしているといい、お皿に見立てた葉や装飾に使用される花は「星のや軽井沢」の庭から摘まれたものだとか。
印象的だったのは、ハモ、タイ、カンパチと一緒にお皿に並べられためずらしい鯉のお造り。鯉と聞くと「臭みがあるのでは・・・」と思っていたのですが、冷たい水に身を引き締められた鯉を丸4日泥抜きし、鯉卵と一緒に刺身でいただくとプリっとした歯ごたえと臭みのない豊かな味わいに驚きました。
焼き物は、イサキの木の芽焼きと牛の炭火焼き(追加料金2,000円)から選択。悩んでいると「追加料金1,100円で半分ずつというのも可能です」と教えていただき、欲張りに半分ずつオーダー。一人ひとりに寄り添ったサービスにうれしくなります。
〆には、ゲストの食事のペースに合わせて、信楽焼の窯で炊き上げられる穴子と新生姜の御飯と味噌汁。
こんなに食べられるだろうか・・・と不安に思っていたのですが、食欲を誘うよい香りと、口の中にふわっと広がるおいしさに思わずおかわりしてしまいました。
季節の野菜をたっぷりと味わう「日本料理 嘉助」の朝食
高原特有の清々しさに包まれて目覚める気持ちのよい朝は、ダイニング「日本料理 嘉助」で季節の野菜を使ったやさしい味わいの「山の朝食」を。これでもか! というほど、たっぷりな野菜が平たい丸皿形の土鍋を使った焙烙蒸しで提供され、蓋が開いた瞬間、思わず「わ~」という声が漏れます。
まるで宝箱のような和箱には、ダイニングに到着してから焼き始めるお魚やおひたしや酢の物など、どれも主役級のおかずがたっぷり。
旨味がギュッとつまった野菜出汁で仕上げただし巻き卵は、贅沢に1人1本味わえます。
白ご飯またはそば茶粥を選択。
一日のスタートを「おいしい」から始められる絶品朝ごはんで、しあわせな気持ちになること間違いなし。
非日常感たっぷりの「星のや軽井沢」で過ごす特別な休日
チェックアウトは12時とのんびりなのもうれしいポイント。
ショップやレストランが集う人気スポット「ハルニレテラス」、日帰り温泉の「星野温泉 トンボの湯」など、周囲に魅力的な施設も数多くあり、客室からフロントに電話すれば、送迎してもらうことも可能です。
鳥のさえずり、風が森を抜ける音に耳を傾けながら、「星のや軽井沢」でのんびりと過ごす休日。別荘のように毎年訪れるリピーターが多いというのも納得です。
客室からフロントに向かう途中、鴨の親子の行進に遭遇し、癒されました。
すぐに表情を変える空やひんやりとした空気、そして生き物との遭遇。その全てが一期一会のようで、訪れる人を飽きさせません。
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