「但馬屋老舗」伝統の御菓子を楽しめる「つぼみ」どこで買える?
「但馬屋老舗」は、初代但馬屋幸助が岡藩主中川久貴公に召され、文化元年(1804年)御菓子司として現在の地で創業しました。歴代藩主へ献上していた頃より変わらぬ味を楽しめます。
今回紹介するのは、そんな「但馬屋老舗」の代表銘菓や人気の品の詰め合わせ「つぼみ」。かわいらしい巾着に入っています。価格は税込695円です。筆者は大分空港2階にあるお土産ショップ「旅人」で購入しました。
巾着の中には、4種の御菓子が入っています。
自家製のこしあんを楽しめる代表銘菓「三笠野」や、黄身あんを、あわ雪でつつんだ真っ白な生菓子「荒城の月」、口あたりやさしい玉子ボーロ「千歳木」、雪のような干菓子「岡の雪」。タイプの違う御菓子をちょっとずついただけるのはうれしいですね。
薄皮にこしあんみっちり!「三笠野」
一枚一枚丁寧に焼き上げた生地で、自家製のこしあんを包んだ御菓子「三笠野」。江戸時代より藩主へ献上し二百年以上作られ続けている、伝統ある御菓子です。
袋から取り出してみます。御菓子は透明のプラスチック容器に載せられています。
おいしそうなこんがりとした焼き色の生地に、こしあんがたっぷり。あんこ好きにはたまりません。生地は驚くほど繊細な薄さで、甘く上品な味わいのこしあんを引き立てています。
ちなみにこちらの賞味期限は、筆者の購入日から(購入日を含め)5日と短めなので、お土産にするなら早めに渡すのがよさそうです。
風味豊かな黄身あんをあわ雪と味わう「荒城の月」
次に紹介するのは「荒城の月」。江戸時代、藩主に献上されていた頃は「夜越の月」という菓銘でしたが、楽聖・瀧廉太郎先生が岡城址をイメージして作曲された名曲「荒城の月」にちなみ、昭和9年に菓名を現在の「荒城の月」となりました。当時から続く変らぬ製法でひとつひとつ丁寧に手作りされている生菓子です。
袋から取り出すと、まんまるな「荒城の月」がプラスチック容器に入っています。
あわ雪の中には黄身あんがたっぷり。白と黄のコントラストが美しいです。
ちなみに「あわ雪」は和菓子の一種。水を加えた寒天を火にかけて溶かし、砂糖を加えて煮詰めたものに、泡立てた卵白をあわせて固めたものです。 羊羹の一種で、舌触りが溶けやすい春の雪に似ることからこの呼び名があります。
なめらかな黄身あんは、卵の風味豊か。黄身あんを包むあわ雪は、しゅわしゅわと口の中で溶けていきます。絶妙な風味と口当たりで、ほっこりと癒される味わいです。
ちなみにこちらの賞味期限も、筆者の購入日から(購入日を含め)5日と短めなので、ご注意を。
上品な甘さの玉子ボーロ「千歳木」
日露戦争時、傷病兵のために研究考案された「千歳木」。千年の歳を重ねるおめでたい木という意味が込められています。
封を開けると、ほんのり玉子のいい香り。中には8本入っていましたよ。こちらの賞味期限は、購入日から2カ月ほど先なので、急いで食べる必要はなさそうです。
サクッとした食感と、やさしい玉子の風味を楽しめます。上品な甘さで、子どものおやつにはもちろん、お茶席にもぴったりです。
心地よい口溶け「岡の雪」
初代但馬屋幸助と親交のある田能村竹田先生の生誕140年当時、記念銘菓として生まれた「岡の雪」。南国・岡の里(現・竹田市)に降った雪が、淡くそっと消えてゆく様を表しているのだとか。
あわ雪を特殊な方法で乾燥させた真っ白な干菓子が2枚入っています。こちらの賞味期限も、購入日から2カ月ほど先でした。
シンプルな御菓子ですが、軽い食感の「岡の雪」が、甘さとともに口の中でほどけていく感覚は何とも心地よく、どんどん食べ進めたくなります。1枚ではなく、2枚入っているのがうれしいです。
4種の銘菓を味わえる「つぼみ」
大分県の老舗「但馬屋老舗」の銘菓を、贅沢にちょっとずつ味わえる「つぼみ」。どれにしようか迷ってしまう、色々な味を試したいという人にもおすすめです。大分県に遊びに行ったときのお土産選びの参考にしてみてくださいね。
[All Photos by Sayaka Miyata]