【実はこれが日本一】日本で最も人口の少ない県庁所在地はどこ?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Sep 20th, 2022

意外な日本一を紹介するTABIZINEの連載。今回は、県庁所在地で日本一「小さい」まちを紹介します。

日本の人口


 

最下位を回避する「戦い」

鳥取城からの眺め
鳥取県鳥取市

全国の都道府県には都府県庁があります。県の場合は県庁で、県庁所在はいくつかの例外を除いて、県の中で最も大きなまちとなります。

その意味で言うと、「県庁所在地=多くの人が暮らす大きなまち」という印象がありますが、全国の県庁所在地において最も人口が少ないまちと言われたら、どこかご存じでしょうか?

ヒントは2022年現在、2つの都市が最下位を回避しようとわずかな差で「競って」います。

1つは、周囲を山に囲まれた盆地に開発されたまちです。有名な戦国大名の城下町です。もう1つは、都道府県として最も人口が少ない県の県庁所在地です。

答えは、山梨県甲府市と鳥取県鳥取市ですね。

甲府市は、武田信玄の父・信虎が城下町の基盤を築き、江戸時代を通じて大いに繁栄しました。明治維新があり、1889年(明治22年)に全国で34番目、関東では、横浜・水戸・東京に次いで市政が施行されたまちでもあります。

一方の鳥取市は、城下の整備が、戦国時代や江戸時代の初めのころだとされています。火災や大洪水に何度も遭いながら、防火・治水が進み、1871年(明治4年)の廃藩置県により鳥取県が置かれ、県庁も置かれました。

甲府市と鳥取市はどのくらい人が暮らしている?

山梨県甲府市
山梨県甲府市

さて、この甲府市と鳥取市、人口はどのくらいだと思いますか? 参考までに、筆者の暮らす富山県の県庁所在地・富山市は、41万人くらいです。

まずは、甲府市から見ていきましょう。明治時代に約3万1,000人でスタートした甲府市は、1912年(大正元年)には5万2,000人ほど、1926年(昭和元年)には7万5,000人ほど、1989年(平成元年)には約20万人と右肩上がりに増え続けていきました。

しかし、緩やかにその後は下降を続け、2022年(令和4年)9月1日時点で18万6,524人となっています。

鳥取県鳥取市
鳥取県鳥取市

一方で、鳥取市の人口は2022年(令和4年)8月31日時点で18万3,638人です。甲府市と同じく鳥取市も人が増え続け、2000年代の初めに20万人を超えましたが、その後は緩やかに減り、現在の規模になりました。

この両市は、山口県の山口市、島根県の松江市などと一緒に、最下位を回避する「争い」を長らく続けてきました。

このところ、甲府市の人口が県庁所在地として日本で最も人が少ない状態が続きましたが、現在は逆転が起きています。

要するに、2022年現在は、鳥取市が県庁所在地として人口の最も少ない状態なのですね。

しかし、人口の大小だけでまちの価値や魅力を評価できるわけでもありません。旅行者としては名前の挙がった場所に積極的に訪れて、その土地にしかない独自の魅力を肌で体感したいですね。

[参考]
甲府市の人口・世帯の推移 – 甲府市
甲府市の歴史 – 甲府市
住民基本台帳人口・世帯数 – 甲府市
鳥取市の人口・世帯数 – 鳥取市
鳥取市人口ビジョン – 鳥取市
鳥取市のなりたちとあゆみ – 鳥取市

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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