日本最長!たびたび洪水を起こす恐ろしい川だった「信濃川」(新潟県・長野県)
新潟県と長野県にまたがる「信濃川」は、長さ約367kmの日本一長い河川です。長野県東部から新潟県に入り、新潟県の中央を貫流して、日本海に注いでいます。源は関東山地の甲武信ヶ岳です。また、流域面積は1万1,900平方キロメートルあり、利根川、石狩川に次いで日本で第3位です。
そんな信濃川は、新潟で暮らす人々にとってなくてはならない川である一方で、たびたび洪水が起こる恐ろしい川でもありました。1896年7月に起こった未曾有の大水害「横田切れ」では、信濃川堤防が切れ、あふれ出した水は越後平野の広い範囲を泥海にしたのです。低い土地では11月になっても水に浸かったままだったそうです。そのため、衛生状態が悪化。伝染病が蔓延し、命を落とす人もいました。
しかし、それをきっかけに大河津分水路(おおこうずぶんすいろ)の工事に着手。1922年に完成し、それ以降、洪水による被害は減少しました。
現在、新潟県新潟市中央区には、信濃川沿いに整備された「信濃川やすらぎ堤緑地」があり、市民の憩いの場になっています。春にはチューリップと桜が咲き、夜には「ぼんぼり」が点灯し、信濃川の幻想的な光景を楽しめますよ。さらに、水上バス「信濃川ウォーターシャトル」から川辺に咲く桜を眺めることも可能です。
また、長岡市に架かる幾何学模様が印象的な長生橋は、「長岡まつり大花火大会」の名所。この橋にナイアガラ花火が仕掛けられます。正三尺玉との競演も見逃せません。
流域面積が日本最大!河口が東京湾だった「利根川」(群馬県・栃木県・茨城県・埼玉県・千葉県・東京都)
「利根川」は関東地方を北西から南東へ貫流する河川で、千葉県銚子市で太平洋に注ぎます。三国山脈の大水上山付近が源です。全長約322km、信濃川に次いで日本で2番目の長さを誇ります。流域面積は1万6,840平方キロメートルで日本最大です。これは埼玉県が4つ入る大きさになります。
かつて利根川は「坂東太郎」と呼ばれる暴れ川で、その河口は東京湾にありました。現在、利根川の支流になっている渡良瀬川や鬼怒川は独立した川だったのです。そして、幾度にもわたる洪水により、埼玉東部から東京東部地帯は大湿地帯でした。
しかし、徳川家康が利根川と荒川を分離。60年の歳月をかけて、利根川の流路を太平洋沿岸の銚子沖へ変えました。この流路の変更事業は、水害から江戸を守り、水田開発を進め、舟の輸送路を確立することに加え、東北の伊達政宗から防備する目的もあったのでは、と考えられています。
茨城県猿島郡境町の利根川河川敷にはテーマパーク「境リバーサイドパーク」があり、セグウェイに乗って川岸を散策したり、バーベキューを楽しんだりできます。また、千葉県野田市と境町の利根川に架かる「境大橋」の周辺は、春になると菜の花が一面に咲いて風光明媚です。
かつてはいたるところで蛇行していた北海道最大の河川「石狩川」(北海道)
北海道中央部を流れる一級河川「石狩川」。石狩岳が源で、上川盆地、空知平野、石狩平野を流れて石狩湾に注ぎます。道内最長で、かつては平野部で著しく蛇行し、信濃川に次ぐ日本第2位の長さでしたが、直流させるための工事が進み、現在は利根川より短い約268kmで、日本第3位です。また、全流域面積1万4,330平方キロメートルで、利根川に次ぐ第2位です。これは北海道の面積の約2割を占めます。
かつて石狩川は、広大な泥炭性の低平湿地をいたるところで縦横に蛇行し、氾濫を繰り返していました。そして、1898年に過去最高の8.2mという水位を記録する大洪水が発生。この洪水をきっかけに、北海道庁は同年に「北海道治水調査会」を設立し、岡﨑博士が計画的な調査、測量を実施し、「石狩川治水計画調査報文」がまとめられました。それから、本格的な治水事業を行い、半世紀かけて石狩川流域は北海道における社会・経済・文化の基盤をなす地域になりました。
日本海と石狩川が交わる場所にある「はまなすの丘公園」は、四季折々の花々を満喫できるスポット。約46haの園内には、180種におよぶ海浜植物が自生しています。6月上旬から7月下旬にかけてはハマナスが、春から秋にかけてはイソスミレ、ハマエンドウ、ハマヒルガオ、エゾスカシユリ、コガネギクなどが咲きます。100年以上の歴史を誇る石狩のシンボル「石狩灯台」も必見です。
[参考]
国土交通省 関東地方整備局
新潟市中央区
にいがた観光ナビ
境町観光協会
国土交通省
石狩市
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