十畝の間:テーマ「竹取物語」 駄 bamboo(竹灯籠)/高山 しげこ(漉き紙の灯り)
毎年人気!「和のあかり×百段階段」
TABIZINE編集部の山口です。
ホテル雅叙園東京では、東京都指定有形文化財「百段階段」にて、さまざまなイベントを開催しています。“昭和の竜宮城”と呼ばれた当時の目黒雅叙園の飛び抜けた絢爛豪華さを今に残す唯一無二の階段。レトロで重厚な雰囲気は、SNSにアップしたり着物プランを楽しんだり、若い世代をも魅了しています。
純金箔、純金泥、純金砂子で仕上げられた漁樵の間と松竹衣裳/歌舞伎座舞台の作品
その中でも「和のあかり×百段階段」はファンの多い毎年人気のイベント。筆者も毎年通っていますが、今年は岐阜県関市の有名な観光スポット「名もなき池(通称:モネの池)」!? と思うような作品に出会いました。
幻想的な“逆さモネの池”
それがこちら、草丘の間で「鯉の滝登り(滝を昇った魚だけが龍になる伝説)」をテーマにした作品「DI Palette(紙にしきごい)」。日本画家・礒部草丘氏が描く、四季草花絵や瑞雲に煙る松原の風景をバックに、龍と化す前の錦鯉の群れがゆらゆらと泳いでいます。
畳に腰をおろして天井を見上げていると、だんだんと自分が水底にいるような、不思議な気分になります。そしてこの色彩、どこかで見たことあるなぁ……あ! モネの池だ! と思い至ったのでした。
モネの池とは、岐阜県関市の「名もなき池」のこと。クロード・モネの絵画「睡蓮」のような光景はSNSで話題となり、今も多くの人々が訪れる観光スポットです。
一番ドキッとした作品
目が合った瞬間、ドキッとして一瞬動けなくなってしまった作品がこちら。商業美術造形の傍ら異形の作品制作に取り組んでいるという、造形作家・人形師のよねやまりゅう氏の手によるもの。
いるはずのない異形の人形であるはずなのに、夢に出てきそう、いや、いつか現実にどこかで出会ってしまいそうなリアリティがあります。この夏一人で古民家や廃墟に出かけないようにしようと思いました。
一番欲しくなった作品
そして一番欲しくなってしまった作品がこちら。頂上の間:「天女の羽衣〜終末の章〜」がテーマ、照明作家:弦間 康仁氏による植物の灯りです。あまりにも繊細で、本物の植物で制作できるのか疑ってしまうほどですが、すべて本当の木や植物を素材としているそうです。
たんぽぽの綿毛の1本1本まで保たれていて、眺めているとうっとりしてしまいます。「暗がりを愉しむ」をテーマに植物園や博物館、茶室等の空間創作を行う弦間氏。ご本人曰く、淋しげな感じが好きだといいますが、弦間氏の作品には儚い中にも温かさがあるように感じます。
ほおずき「ひとつぶ」税込3,850円
弦間 康仁氏の植物の灯りの一部は、ミュージアムショップでお土産としても購入できますよ。
最後に目が合った猫ちゃん(造形作家・小澤 康麿氏作)。会期中にまた来るね。
~妖美なおとぎばなし~
会場:東京都目黒区下目黒1丁目8-1 ホテル雅叙園東京 内 東京都指定有形文化財「百段階段」
電話番号:03-5434-3140(イベント企画 10:00〜18:00)
開催期間:2024年7月5日(金)~9月23日(月・休)
料金:[当日券]一般:1,600円、大学・高校生:1,000円、小・中学生:800円
※未就学児無料、学生は要学生証呈示
公式サイト:https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/wanoakari2024
公式instagram:https://www.instagram.com/hotelgajoentokyo/
©︎Aya Yamaguchi