【世界三大瀑布】「ナイアガラ滝」とあと2つは?新宿ー原宿の距離より長い南米の滝も

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Dec 23rd, 2022

世界を代表するとされるものを3つ取り上げて、「世界三大〇〇」と呼ばれるさまざまなものがありますよね。そこで、どんな事物がそういわれているのか調べてみました。あなたはどれだけ知っているでしょうか? 今回は、見る人を圧倒する観光スポット「世界三大瀑布」を紹介します。

ナイアガラ滝
ナイアガラ滝 YingHui Liu / Shutterstock.com
 


 

「瀑布」の意味

ナイアガラの滝
本題に入る前に、ちょっとした疑問を解決しておきましょう。

そもそも「瀑布」という言葉、普段はあまり使いませんよね。「三大瀑布」と言いたいときにだけ使う印象がありますが、辞書を見ると、次のような意味や由来が書かれています。

水が暴れるようにあふれ出るさまを「瀑」と表現し、そのあふれ出る水の様子が、高いところから白い布を垂らしたように見えるため「瀑布」と呼ぶのだとか。

日本で有名な滝といえば、富山県の「称名滝」(落差約350m)や栃木県の「華厳の滝」(落差約97m)、和歌山県の「那智の滝」(落差約133m)、茨城県の「袋田の滝」(落差約80m)などでしょうか。

しかし、残念ながら、これらの滝は世界三大瀑布に入っていません。一体、どこの国の何の滝が世界三大瀑布に入っているのでしょう。

ナイアガラの滝とほか2つは?

イグアス滝
1つは、日本人の間でも有名な滝です。アメリカとカナダの国境にある「ナイアガラ滝」で、アメリカ側が落差約51m、カナダ側が落差約48mです。

「高さはそれほど……」と感じるかもしれませんが、日本の百科事典に、ナイアガラ滝は横幅がすさまじく、アメリカ側は約301m、カナダ側は約800mと書かれています。現地の情報ではアメリカ側は約260m、カナダ側が約670mとも。

11両編成の山手線が約220mですから、ホームに入ってくる電車の長さを想像してみてください。滝の横幅が直観的にわかると思います。

関西の人は京都駅を想像してください。滝の横幅は、日本で最も長い京都駅の0番・30番ホームの558mを超えています。スケール感はさすがですよね。

イグアス滝2
イグアス滝

世界三大瀑布のほかの2つは、ブラジルとアルゼンチンとの国境にある「イグアス滝」と、ザンビアとジンバブエとの間にある「ビクトリア滝」です。

横幅で言えば、イグアス滝はすさまじいです。馬のひづめのようにえぐれた断がいの横幅は約2,700m。東京都内でいえば、新宿駅から原宿駅の距離よりも長いです。

ビクトリア滝に関しては幅が約1,708m、落差が約108mです。横幅のすごいイグアス滝も落差については64~82mですから、落差100mを超えるビクトリア滝は上下左右全体のスケールが際立っているといえそうです。

日本で定着しているほど定説となっていない

ビクトリア滝
ビクトリア滝

では、どうして、この3つの滝が世界三大瀑布と呼ばれるのでしょうか。高さも幅も確かにすごいですが、もっと落差の大きい滝は世界にあります。そもそも誰が決めたのでしょう。

『世界大百科事典』(平凡社)によると、世界三大瀑布の根拠は高さや幅ではなく、落下する水量の多さがポイントになっているそう。

例えば、ビクトリア滝については毎分30万立方メートルの水が落下しているそうです。何年か前に、厳しい干ばつで水が枯れた年のニュースも目にしましたが、最も水量の多い季節の流れは圧巻です。ちなみに、東京ドームの容積は約124万立方メートルです。参考までに。

ただ、この世界三大瀑布の選定経緯については詳細がわかっていない様子。「the world’s three greatest waterfalls」などと英語で調べても、日本で定着しているほど、世界の定説となっていない様子がわかります。

とはいえ、当のビクトリア滝の公式サイトには、イグアス滝・ナイアガラ滝との比較表が掲載されています。この3つの滝が、世界の名瀑である点には間違いがないようですね。

[参考]
The Largest Waterfall in the World – Victoria Falls Guide
※ 世界大百科事典 – 平凡社
※ 精選版 日本国語大辞典
※ ブリタニカ国際大百科事典
※ 日本大百科全書(ニッポニカ) – 小学館

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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