【実はこれが日本一】県内に191カ所!「そろばん教室」が最も多い県は?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Feb 14th, 2023

日本一高い山は「富士山」、日本一大きな湖は「琵琶湖」、日本一高いタワーは「東京スカイツリー」など、有名な日本一はいろいろありますが、あまり知られていない、ちょっと意外な日本一を紹介するシリーズ「実はこれが日本一」。今回は、日本人に人気のある習い事に関する日本一を紹介します。

そろばん1
 


 

倍近い数で2位を圧倒して1位

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皆さんが子どものころは何を習っていましたか? 筆者は、少林寺拳法や水泳、そろばんを習っていました。民間の習い事調査を見ると現在は、水泳、学習塾や幼児教室、ピアノ、英語などが人気の習い事として選ばれているみたいです。

少林寺拳法のような武道・格闘技、そろばんはどちらも、それほど人気というわけではないようですが、今でもトップ10に入るくらいには定番です。

今回は、その中でもそろばんの話。そろばんは基本的にそろばん教室で習うと思いますが、そろばん教室が最も多い都道府県と言われたら、どこを思い浮かべますか?

全国初のそろばん教育特区として、学校の授業にそろばんを取り入れた経緯のある兵庫県尼崎市でしょうか?(そろばん授業は現在は廃止)

それとも、16世紀の終わりごろ、中国との貿易が盛んになり、貿易商の手で長崎や大阪などに持ち込まれたというそろばんですから、その手の港町がある自治体でしょうか?

答えは意外にも、富山県です。

総務省『経済センサス‐基礎調査』などによると、人口10万人当たりのそろばん教授業の事業所数は富山県がNo.1。しかも第2位で、同じ北陸の石川県を倍近い数で圧倒しての第1位となっています。

地元の有名なそろばん教室の存在が大きい

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この背景には何があるのでしょうか? この事実を取材した富山テレビの放送内容によると、富山県民であれば多くの人が知る地元の有名なそろばん教室の存在が大きいと考えられるそう。

筆者も富山に引っ越してから、現地の小学校の近くで決まって見かけるそろばん教室に気付きました。

その県内大手の名前は「木谷綜合学園」です。同社の公式ホームページによると、富山県内になんと191カ所の教室を展開する大手で、1965年(昭和40年)に富山県射水市で創業した歴史があります。

1982年(昭和57年)10月3日の朝日新聞朝刊には、「そろばん塾大繁盛 新湊市に本部置く 木谷綜合学園(北陸レポート)」との記事が出ていますから、こうした成長拡大の末に、現在の富山・石川・東京・神奈川・滋賀での計300カ所以上の教室を展開を実現した企業だとわかります。

その木谷綜合学園の創業者に対するインタビューによれば、富山にはもともと北前船(日本海側を行き来した貿易船)の貿易港が多く、売薬の歴史もあり、実務の中でそろばんが使われてきた歴史もあるといいます。

そうした土台の上で、そろばん教室が発達し、現在の状況をつくり上げているのですね。

ちなみに、第2位の石川県では、加賀の前田家に伝わる陣中そろばんが、現存する最古のそろばんだといわれています。その意味で、日本のそろばん先進地は北陸と言えるかもしれませんね。

[参考]
“そろばん教室数”断トツ日本一は富山県 「江戸時代の寺子屋でも熱心に教えていた」歴史的背景も – FNNプライムオンライン
学園のご案内 – 木谷綜合学園
そろばん教室 – Tokyofm
テレビで特集「富山県がそろばん教室数日本一」 – 木谷綜合学園
学習支援業「824教養・技能教授業」の事業規模について – 総務省
子どもの習い事ランキング2022 男女別/年齢別など – マイホームマガジン
尼崎市がそろばん授業廃止へ 英語必修化など影響 – 神戸新聞
そろばんの歴史 – 全国珠算学校連盟

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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