映えスポット「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」現地ルポ。いますぐ旅に出たくなる展覧会とは。

Posted by: 渡邊玲子

掲載日: Apr 27th, 2023

「ウェス・アンダーソンすぎる風景展 あなたのまわりは旅のヒントにあふれている」が2023年5月26日(金)まで、東京・天王洲の寺田倉庫G1ビルにて開催中です。会場に足を踏み入れた瞬間から旅心がくすぐられる同展の見どころや、展覧会のオリジナルグッズをたっぷりとご紹介します!


 


 

「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」とは?


「ウェス・アンダーソンすぎる風景展 あなたのまわりは旅のヒントにあふれている(以下、AWA展)」展は、2022年に韓国・ソウルで開催され、25万人の動員を記録した展覧会の日本巡回展です。2023年4月5日(水)~5月26日(金)の期間、東京・天王洲の寺田倉庫G1ビルにて開催されています。



AWAとは、《Accidentally Wes Anderson》の略称で、世界の実在する風景から、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(01)や『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)といった映画で知られるウェス・アンダーソン監督の作品のなかに、いかにも出てきそうな場所を世界中のファンたちが撮影して投稿している、フォロワー数 175万人超えの人気Instagram コミュニティ。

つまり、「Instagramにアップされている写真をもとに展覧会を開催する」という、新時代ならではの新たな形式の展覧会なんです。

写真&動画撮影OK!会場内すべてがSNS映えスポット


AWAは、ニューヨーク・ブルックリン在住で、ウェス・アンダーソン監督作品のファンだったワリー&アマンダ・コーヴァル夫妻が、2017年に開設したアカウント。もともとは自分たちがいつか行ってみたい場所の画像をインターネット上でピックアップして投稿していたそうなんですが、「こんな場所もあるよ!」と夫妻の元に次々とオススメ画像が寄せられるようになり、みるみるうちに人気コミュニティへと成長。



2020年にはAWAの投稿画像が書籍として出版され、その年のベストセラー4位に。それがきっかけで韓国で写真展が開催され、ここ日本にも巡回することに。ウェス・アンダーソン好きはもちろんのこと、AWA展はまさしく“旅好きによる、旅好きのための”写真展であるとも言えるんです。

キーワードは「シンメトリー」「パステルカラー」「ノスタルジック」!


本展はAWAに投稿された、世界各地にあるウェス・アンダーソン監督の映画の一コマのような場所を捉えた写真の中から300点が、ホテルやプール、駅や乗り物、山や海など、テーマごとに10のゾーンに分けて展示されています。

いわゆる「ウェス・アンダーソンっぽい」写真とはどんなものかと言うと、主に3つ特長があり、シンメトリー(左右対称)であること。ピンクやターコイズ、イエローなどのパステルカラーのカラフルな色を使用していること。そしてデコラティブであることなどが挙げられます。



ノスタルジックな雰囲気が感じられるというのも重要な要素のひとつであり、日本文化において重視される“わびさび”のように、どこか完璧すぎないところもポイントなのだそう。


駅、乗り物、プール……旅にまつわる10のテーマで構成

列車でインドを旅する3人兄弟が登場する『ダージリン急行』(07)からヒントを得て構成された「乗り物ゾーン」には、黄色の電車の枠の中に風景動画も流されていて、あたかも電車に乗っているかのような気分も味わえます。



それぞれのテーマごとに、世界各地の風景がランダムに集められているので、これまで訪れたことのある場所を探して旅の思い出を振り返り、これから行ってみたい旅先のヒントを探せるといった楽しみ方もできます。

展示されている写真だけでなく、壁紙や装飾品も「ウェス・アンダーソンすぎる」要素が満載で、ホテルコーナーの一角には『グランド・ブダペスト・ホテル』の世界観を再現したフロントも!


遊び心たっぷりの展示方法なので、「うわぁ、こっちも素敵! あっちも素敵!」と無我夢中で写真を撮ってしまうと、なかなか前に進めません。まずは一通りグルっと見て回ってから、お気に入りの場所に戻ってじっくり写真を撮りながら見ることをオススメします。

QRコードで解説文もチェック!旅のヒントが満載

会場内にあるQRコードを読み込むと、被写体となった建物や場所の背景を紹介する解説文が表示される仕組みになっているので、スマホ内に保存して、あとでじっくりと読むことができるんです。いつか行ってみたい旅先のリストとしてメモ代わりにもなるなんて、とても素敵ですよね。

解説文は会場にもいくつか掲出されているので、気に入った写真があればぜひ解説文にも目を通してみると、より一層その場所への興味や理解が深まるはずですよ。




展覧会の最後には、Visitors Centerに設置されたモニターで行ってみたい旅先を選んで登録すると、自分好みにカスタマイズされた架空のボーディングチケットがメールで届くというサービスも体験できます。


今回は、2種類の行き先をセレクトし、それぞれのボーディングチケットを作ってみました。

展覧会のオリジナルグッズも大充実!人気アイテムは……?


物販コーナーも大充実。なかには入荷待ちのアイテムもありますが、東京オリジナルグッズとして、A4クリアファイル(440円)、缶バッジ(500円)、ミントタブレットスライド缶(770円)、スマホグリップ(1,040円)、マグカップ(1,980円)、キャンバスバッグ(3,080円)、Tシャツ(3,300円)、刺繍タオル(1,100円)、コインケース(1,050円)、アクリルマグネット(770円)、アクリルキーホルダー(800円)、PVCポーチ(800円)、ボールペン(490円)などのほか、韓国直輸入グッズとして、フォトステッカー(430円)、マスキングテープ 25mm(500円)、マルチクリーナー(900円)など、多数ラインナップ。

フルカラー368ページの公式BOOK『ウェスアンダーソンの風景』(3,800円/DU BOOKS)も販売されていました。


特に人気なのはポストカード(各220円)と、キャンバス地のアートパネル(2,200円)なのだそう。確かにこのまま部屋に飾りたくなりますよね。



「切り取り方次第では、見慣れているいつもの風景も新鮮なものに見えてくるのだ」ということを実感させられた筆者は、会場の外で早速「ウェス・アンダーソンすぎる風景」を発見し、思わずパシャリと撮ってみました。よくあるコインロッカーですが、これだけズラリと並ぶと壮観ですよね。


「ウェス・アンダーソンすぎる風景みつけたコンテスト」も開催中とのことなので、いま住んでいる街や旅先でウェス・アンダーソンすぎる風景と出合ったら、ぜひ応募してみては? 詳しくは展覧会の公式HPをチェックしてください。


週末は賑わいますが、遅めの時間帯は割とゆったり見て回れるそうなので、ゴールデンウィークにどこへも旅行をする予定がないという人は、ぜひとも天王洲アイルまで足を延ばしてみてはいかがでしょうか。きっと「また旅に出たい!」という気分になるはずですよ。

「ウェス・アンダーソンすぎる風景展 あなたのまわりは旅のヒントにあふれている」
会期:2023年4月5日(水)~5月23日(金)
会場:東京・天王洲 寺田倉庫G1ビル
住所:東京都品川区東品川2-6‐4
開館時間:11:00~19:00
毎週金・土曜日:11:00~20:00
(入館は閉館の各30分前まで)
※GW中(4月30日~5月4日)と最終週(5月22日~25日)は11:00~20:00
※状況により、会期・開館時間等が変更となる場合があります
※予約不要ですが、状況によりオンラインによる事前予約が必要となる場合があります
展覧会公式HP:https://awa2023.jp/
【チケット情報】
入館料:一般2,000円、大学生1,500円、高校生以下1,000円(いずれも税込)
※未就学児は入館無料
※学生券を購入の場合は、学生証等の提示が必要(小学生は除く)
※障がい者手帳のご提示で本人と付き添い1名は半額

[Photos by Reico WATANABE]
 

PROFILE

渡邊玲子

REICO WATANABE ライター

映画配給会社、新聞社、WEB編集部勤務を経て、フリーランスの編集・ライターとして活動中。国内外で活躍するクリエイターや起業家のインタビュー記事を中心に、WEB、雑誌、パンフレットなどで執筆するほか、書家として、映画タイトルや商品ロゴの筆文字デザインを手掛けている。イベントMC、ラジオ出演なども。

映画配給会社、新聞社、WEB編集部勤務を経て、フリーランスの編集・ライターとして活動中。国内外で活躍するクリエイターや起業家のインタビュー記事を中心に、WEB、雑誌、パンフレットなどで執筆するほか、書家として、映画タイトルや商品ロゴの筆文字デザインを手掛けている。イベントMC、ラジオ出演なども。

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