【実はこれが日本一】「おいしい水」第1位は都心から1時間の場所にあった!

Posted by: 坂本正敬

掲載日: May 9th, 2023

日本一高い山は「富士山」、日本一大きな湖は「琵琶湖」、日本一高いタワーは「東京スカイツリー」など、有名な日本一はいろいろありますが、あまり知られていない、ちょっと意外な日本一を紹介するシリーズ「実はこれが日本一」。今回は、おいしい水に関する日本一を紹介します。

神奈川県秦野市
©️KO-TORI / Shutterstock.com
 


 

おいしさが素晴らしい名水

「水がおいしい場所」といえば、どこを想像しますか? 富山に暮らしている筆者の場合は、まさに富山を思い浮かべますが、名水百選に入る場所や、水がおいしいとされる場所は富山を含め、それこそ全国にたくさんあります。

では、そんな美しい水を楽しめる日本で「最もおいしい」とされる飲み水は、どこで飲めるのでしょうか?

答えは意外にも関東にあります。環境省が主催し、200カ所(191市町村)の名水の中から「おいしさが素晴らしい名水は?」と聞いた国民投票で第1位に選ばれた名水はなんと神奈川県に水源を持ちます。

神奈川で、水がおいしい・水が豊かと言われたら、神奈川県民の場合、秦野市を思い浮かべる人もいるかもしれません。

まさに、その秦野市の地下水をボトリングした『おいしい秦野の水〜丹沢の雫〜』が、名水百選選抜総選挙の「おいしさが素晴らしい名水部門」で第1位に選ばれているのですね。

7倍近い差の票を獲得

神奈川県秦野市・大山

そもそも秦野市とは、どのような場所なのでしょう。神奈川県の西部、平塚市や伊勢原市の西で、都心から見れば小田原市の「手前」に位置します。

市街地の北には、丹沢山などを中心とする丹沢山地があって、山地の南端に秦野盆地があり、その盆地に広がる市街地が秦野市の中心部になります。

「天然の水がめ」と呼ばれる秦野盆地の地下には、周囲の山に降り注ぎろ過された膨大な地下水が、芦ノ湖の1.5倍ほど蓄えられているそうです。

秦野市の上水道は、その良質な地下水と河川の水を水源にしていて(一部、県からの水も)、そのうち7割が地下水でまかなわれているため、浄水・配水コストが安く、水道料金が安い土地としても知られています。

『おいしい秦野の水〜丹沢の雫〜』に関しては、市内の羽根地区にある深井戸から取水した地下水を塩素で殺菌し、再び塩素を除いてからペットボトルに詰めています。

この水が、モンドセレクションの審査員をはじめ、各方面の専門家たちによって評価され、名水百選選抜総選挙では、2位と7倍近い差の票を獲得して1位に選ばれたのですね。

関東に暮らしている人は今度の週末、ちょっと秦野へ出かけてみてはいかがでしょうか? 都心部から電車で1時間ほどで行けます。

市内には、至る所にわき水があり、そのマップも公開されていますので、日本一おいしい水を巡る小旅行が楽しめますよ。

[参考]
おいしさが素晴らしい名水部門 – 環境省
秦野市名水まっぷ
豊かな湧水の秦野市、物価高対策で水道料金を半額に 事業所含め来月から半年間 – 東京新聞
秦野盆地湧水群(はだのぼんちゆうすいぐん) – 名水百選
おいしいね 秦野の水 – 秦野市
「おいしい秦野の水」物語 – 秦野市議会議員 横山むらさき
秦野市水道局水道施設配水池・水源フローチャート
ボトルドウォーター「おいしい秦野の水 丹沢の雫」

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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