
古代に天文台として使われていた可能性がある「金山巨石群」

岩屋岩蔭遺跡
岐阜県下呂市、岩屋ダムの下流約300mに位置する「金山巨石群」は、縄文時代の史跡「岩屋岩蔭遺跡」「線刻石巨石群」「東の山巨石群」の3カ所の巨石群の総称です。日本全国に残る巨石遺跡の中で、最初に考古天文学的調査が行われた遺跡でもあります。
この巨石群は、なんと5000年前にこの場所に運ばれ、暦を読むための天文台として使用されていたと考えられています。そして、森の中に隠れていたため、平成になるまでその存在は知られていませんでした。
金山巨石群は、約20年間の古天文学調査により、ストーンヘンジやギザの三大ピラミッドがつくられた時期と同様の巨石建造物だという可能性が出ていますが、2023年6月現在、天文学的にも考古学的にも十分な実証は得られていません。しかし、古代人のロマンあふれるスポットとして人気を集めています。
縄文人が高精度の暦を使用していた!?「金山巨石群」ミステリー
金山巨石群には下記のような不思議な話があります。岩屋岩蔭遺跡には狒々(ヒヒ)退治伝説も!
- 年間を通し太陽観測ができる巨石構造がある
- 石組みに射しこむ太陽スポット光で、夏至・冬至、春分・秋分がわかる
- 太陽スポット光のズレにより、4年ごとに訪れる「うるう年」がわかる
- 表面に観測の際につけたとみられる傷が見られる巨石がある
- 縄文人は現代人と同じくらい高精度の暦を使用していたとされる
- 岩屋岩蔭遺跡からは縄文時代の遺物が多数発見されている

人と比べるといかに大きな石かわかる
また、岩屋岩蔭遺跡には、不思議な狒々(ヒヒ)退治伝説がのこっています。鎌倉時代、祖師野八幡宮の祭りには娘を神に供える決まりがあり、毎年、村祭りのたびに美しい娘が消えていったそうです。そんななか、平清盛に敗れた源義朝の長男、源義平(みなもとのよしひら)が祖師野村を訪れ、村人からその話を聞き、その年の祭りに自分が娘に扮して怪物を退治しようと企てたとか。
そして祭りの日の夜、怪物が善平に食いついてきたそうです。その瞬間、太刀で怪物を切りつけた善平。怪物はうめき声をあげ、血をふきながら山の方へ逃げていったとのことです。そこで、善平は数人の若者とともに、怪物の血痕を追うことに。結果、たどり着いたのが、岩屋の洞くつ(岩屋岩蔭遺跡)だったそうです。
善平らは、岩屋へ踏み込み、怪物を討ち殺し、岩屋の中から引きずり出してみると、数百年を経た真っ白なヒヒだったとか!
このヒヒとされる怪物が地球外生命体や、太古にいた説がある(!?)巨人の生き残りだったら面白いですよね。その場合は、巨石群と何らかのつながりもありそうです。
正午前後に射し込むスポット光を体験できるツアーを開催中!

©️金山巨石群リサーチセンター
金山巨石群では、古代天文台の神秘的な光体験ができる「光の体験ツアー」を常時開催しています。ガイド付きのこのツアーでは、正午前後に射し込むスポット光を体験できるのです。
そのほか、迷路のような路地裏を探検できる「筋骨めぐり」や、飛騨名物の「飛騨牛 朴葉味噌定食」も楽しめます。ぜひ参加したいですね。
ツアーについて詳しくはこちらをご覧ください。
また、岩屋岩蔭遺跡を調査している金山巨石群リサーチセンターにはギャラリーもあり、ここには同センターが調査してきた岩屋岩蔭遺跡の巨石群に関する資料が展示されています。「光の体験ツアー」に参加した際は、あわせて訪れたいですね。
[参考]
東海テレビ/一体どこから運ばれてきたのか…平成になって山あいで発見された『巨石群』5千年前に使われたその目的は
[Photos by Shutterstock.com]
Ayami ライター
フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。
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