
神楽門前湯治村は1998年に開業した、神楽の鑑賞、宿泊、温泉が楽しめる施設。宿泊しなくても利用できる施設ですが、せっかくなので「夜神楽」を楽しんで名湯に浸かり、おいしいものもゆっくり楽しみたいと思います。
まずは門をくぐり施設内を散策!

宿泊のチェックインは午後3時。まだ明るいうちに到着しました。この門から先が神楽門前湯治村。冬の厳しい寒さに耐えるための瓦ぶきの建物がノスタルジックです。

門をくぐって正面の鳥居の奥の祠の中から、福助がお出迎え。

その左手から趣のある門前通りが奥へと続きます。通りの右側にはお土産処にうどんと蕎麦の店が並び、その2階にあるのは宿の客室。左側にはお食事処「ふくすけ」があり、とても雰囲気がある通りです。
いにしえの湯場を今に伝える温泉「岩戸屋」

先ほどの門から入って右側には、「岩戸屋」という温泉施設があります。この辺りには昔から隠れた「湯場」が点在する湯治場だったそうです。

岩戸屋の露天風呂は開放感たっぷり。「名物岩陰の露天風呂」です。他にも、大浴場、寝湯、蒸気サウナに水風呂もあります。
「言い伝えによれば、あの『天の岩戸』伝説にまつわる温泉だったとか。それはオロチがスサノオノミコトに成敗されたあと天に昇り、傷の痛みで泣いていた時のこと。オロチのようすを見かねたアマテラスオオミカミが、そばの岩をひとつはがすと、そこからコンコンと湯が湧き出し、その湯につかるとたちどころに傷がなおったそうです。」温泉|神楽門前湯治村
https://toujimura.com/hotsprings/神話の世界に思いをはせながらしっとりと癒されそうです。
地元安芸高田のお土産処「道面商店」

早めにお風呂に入ったら門前通りを浴衣でそぞろ歩き。お土産処の「道面商店」を覗いてみます。安芸高田のふるさと産品も並んでいます。

宿泊した部屋にも置かれていたのが「神楽門前湯治村 うさぎまんじゅう」(写真は9個入り|税込600円)。しっとりとした可愛いうさぎの皮の中にはほんのり甘い白あん。

「神楽味噌」(税込435円)は鬼もうなるおいしさ!「旨辛」と書かれている通り、ピリリと辛い味噌で、ホイコーロー等にも使えるそうです。

こちらは神楽のイラストがラベルに描かれた「銘酒紅葉狩」。上撰「姫変化」とにごり酒「鬼変化」の2本が入ったギフトセットです(税込3,565円)。この他にも地酒がそろっています。
「うまから夜叉うどん」は「うどん・そば 権兵衛」でもお土産でも!

「夜叉うどん」は旨辛の真っ赤なスープが特徴のうどん(一食税込700円)。国産黒豚にねぎと、具材もすべて入っているのですぐ食べられます。

ちなみのこの「夜叉うどん」は安芸高田市のふるさと納税の返礼品としても人気だそうです。

隣にある「うどん・そば 権兵衛」でも夜叉うどんをいただけます(税込800円)。

ねぎたっぷり、黒豚たっぷりで旨辛!やみつきになりそうな刺激とうまさでした。
宿泊は3つの「湯治宿」か「旅籠」で

宿泊は、カジュアルな湯治宿「山や」、「里や」、「お宿山や別館」、またはのんびり和み系の旅籠「千両萬両」のいずれかになります。上は今回宿泊した山やです。奥にあるのが掘りごたつ。寒い季節にはまた特別な趣がありそうです。
「ふくすけ」で安芸高田の地産地消の定食を楽しむ

宿泊しなくても食事は楽しめます。上は「ふくすけ」の「里山の恵み御膳」(税込1,760円)。地元のジビエ、手作りこんにゃくに豆腐、地野菜の天婦羅、それに小鉢。ご飯も地元の桑田米です。

地酒をちょっとずつ3種類楽しめるのが「きき酒セット」(税込990円)。純米酒、大吟醸ににごり酒は、それも地元の酒。お土産処道面商店で販売しています。
神楽資料館に寄って神楽ドームで神楽を鑑賞

門前通りを奥へ進むと「神楽資料館」。こちらでは、実際に使われる神楽の衣装が展示されていて、神楽の歴史や伝統も学ぶことができます。
そしてさらにその奥にあるのが3,000名収容可能な「神楽ドーム」です。

ここでは地元の神楽団による神楽が上演されます。また、神楽大会なども開催されるそう。
>>スケジュール|神楽門前湯治村 (toujimura.com)
「一般に知られる神楽とは、日本の神道の神事において、神に奉納するため奏される歌舞を指します。安芸高田市の神楽は、華やかな衣装を着て、表情豊かな神楽面をつけた人たちが太鼓や笛、拍子のお囃子で舞う神楽。五穀豊穣を祈って氏神様に奉納される神事として執り行われてきましたが、今日では催事や祝い事に欠かせない郷土芸能として、人々に楽しまれています。」(神楽|神楽門前湯治村
toujimura.com )
この日は「高猿神楽団」による「源頼政」という演目でした。

神楽は伝統芸能ですが、その鑑賞のスタイルはかなり自由。お酒を飲み、寝転んで、何か食べたり、たまに離席したり、友達と話したり、無造作に掛け声をかけたり、さらに咳・くしゃみも大丈夫。事前になんの知識がなくても、テンポよく進むストーリーと美しく・楽しい舞を気軽に堪能できます。
そして、ゆったりとした時間を過ごして就寝。翌日の朝ごはんがこちら。これぞ日本の宿の朝食!といった内容で大満足。10時のチェックアウトまでにもうひと風呂浴びて、広島県北の旅2日目も面白くなりそうです。

Atsushi Ishiguro ライター&フォトグラファー
旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。
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