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鉄道好きの絶景グルメ旅【6】津軽鉄道編 幻想的な鶴の舞橋と中まで赤いりんご「御所川原」

Posted by: 伊藤 宏美
掲載日: Oct 21st, 2023.

鉄道好きで鉄道写真のために全国を回る写真家の伊藤宏美が、カメラを持って出かける「鉄道好きの絶景グルメ旅」。各地で見つけた絶景や絶品ローカルグルメなど、素敵な出会いを紹介します。今回は青森県を走る津軽鉄道の旅です。

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金木駅の築堤
 


 


桜のトンネルを走る列車

津軽鉄道は、私鉄最北端を走る列車です。津軽は、文豪太宰治のゆかりの地でもあり、列車の名前は”走れメロス号”。可愛いオレンジ色の車両が走っています。季節に合わせて、鈴虫列車、風鈴列車などのイベント列車も運行しており、冬には、ストーブ列車が走ります。

芦野公園駅
津軽鉄道の魅力のひとつとして、はずせないのが芦野公園の桜です。芦野公園駅は、春になると「金木桜まつり」が開催されます。屋台も出て、たくさんの人がお花見に訪れます。

見どころは、桜並木の真ん中に線路が通っていること。見事な桜のトンネルの中を列車が走ります。

喫茶駅舎
駅のホームには、桜の花に埋もれる赤い屋根の喫茶店「駅舎」があります。昭和5年(1930年)の津軽鉄道開業時に建てられた旧・駅舎なのです。

太宰治の小説『津軽』の中で、荷物で両手を塞がれた若い娘が、改札で切符を口に咥えて差し、美少年の駅員がそっと鋏を入れるシーンが出てきます。

喫茶駅舎
「駅舎」は、現役で使われていた頃の駅務室と待合室の雰囲気を活かした昭和の面影を残す、レトロな喫茶店です。サイフォンで淹れてくれるコーヒーの香りがする店内には、地元の産地にこだわったメニューが充実しています。

喫茶駅舎

名前に惹かれて「プリンセス・スウィート」という名前のケーキを注文して見ると、小さな3段ケーキが運ばれてきました。食べるのがもったいないほどです。とても素敵な喫茶店でした。

駅舎
住所:青森県五所川原市金木町芦野84-171

現役で使われている腕木信号機のある金木駅

金木駅のホームから見える腕木式信号機
津軽鉄道は単線で、金木駅では列車交換が行われています。駅員さんが腕木式信号機を操作して列車を迎え、見送ります。貴重なのは、現役の腕木式信号機が活躍している唯一の路線ということです。

金木駅の築堤
春には、金木駅付近や沿線に菜の花も咲きます。

津軽の象徴岩木山を背景に走る津軽鉄道

五農校前駅
五農校前駅は、大きな岩木山が見られる、小さな木造の駅舎です。この小さな駅では、通学時間になると、列車の時刻に合わせて、目の前の五所川原農林高校の生徒たちが、乗り降りしています。

岩木山 津軽飯詰〜毘沙門
津軽飯詰駅から毘沙門駅の付近でも、岩木山が見えます。毘沙門駅付近は、防風林が続く地吹雪の多い区間で、“鉄道林”とも呼ばれています。冬のある日、岩木山を見ると、山上に浮かんだ雲が、天使の輪のように見えました。

冬のストーブ列車

ストーブ列車
冬になると、雪の積もった津軽平野を、雪を巻き上げながら列車が走ります。雪国の列車は力強くて、すごいなあといつも感心します。津軽鉄道の冬のお楽しみに、ストーブ列車があるのですが、窓は氷柱がつくほど凍っていました。

スルメイカとだるまストーブ車内
ストーブ列車は、元国鉄の旧型客車を整備した車両で、だるまストーブが置いてあります。もちろん、売店で買ったスルメイカを焼くことにしました。たまに石炭をくべてくれるので、釜の火が赤くなるところが見えます。

いつの間にか列車は出発して、係の方が、スルメイカの焼き具合を見にきてくれたり、お酒を出すのに走り回っていて、車内はとてもにぎやかでした。

「昨日まで吹雪が続いて、家の壁にもたくさん雪が付いているのがおわかりかと思います」とアテンダントのお姉さんのアナウンスが入ります。津軽飯詰の駅付近からは、日本海側から吹く風で地吹雪が一番強く、防雪柵のすだれが、すぐ埋まってしまうそうです。

車内からのキャンパス列車
途中の津軽嘉瀬駅では、香取慎吾さんと地元の子どもたちが描いたキャンパス列車が保存されているのが車窓から見えました。

香取慎吾さんのキャンパス列車
帰りは、普通列車に乗って折り返したのですが、普通列車の車内も、雪の飾りや、モールで可愛くデコレーションしてあり、温かい気持ちになりました。

中まで赤〜いりんご「御所河原」

津軽五所川原駅舎
津軽五所川原駅は、隣にあるJR五所川原駅に比べると小さく年季を感じます。駅舎に入ると、お土産のそろった売店と、座布団が敷かれた椅子が並ぶ待合室。窓口で買う切符は硬券で、何もかも昭和のまま残っているようです。

五所川原りんご
「赤いリンゴの花が咲くんだよ。品種は“御所川原”ていうの」駅前の売店のおばちゃんが教えてくれました。

「りんごの花は、蕾だけがピンク色で、花は必ず白い」と思いこんでいました。そして、「御所川原」のリンゴの木が、津軽五所川原駅の線路端の1番近いところに植わっていました。

御所川原のリンゴのセット
売店のおばちゃんの話に惹かれて売店に入ってみると、“中まで赤〜いりんご”として、ジュースやジャム、クッキーが売られていました。「御所川原」は皮だけでなく中の実も赤いのです。

赤いリンゴのジャム 自宅
ジュースは甘さ控えめの、酸味が少し強めのさっぱりしたもの。クッキーも甘酸っぱい優しい味でした。

中でもおいしかったのがリンゴジャムです。ザクザクとした食感も楽しめるほど、実がたっぷり入っています。小さなジャムの瓶なので、大切にいただきました。トーストにのせて、シナモンを振って食べるのが、お気に入りです。

ラーメンがセットのお寿司屋さんと、地元に愛されるラーメン屋さん

やよい寿司のお寿司
終着駅の津軽中里駅から徒歩10分程のところに、ものすごくお得なお寿司屋さん「やよい寿司」があります。

やよい寿司のラーメン
このお寿司屋さんのすごいところは、立派なお寿司とラーメンがセットで出てくるところ。このときは800円でした(今は少し上がって1,000円になったとか)。安くて、おいしくて、満腹になります。

やよい寿司
住所:青森県北津軽郡中泊町中里亀山260

たけ屋のラーメン
もうひとつ、地元の人が通い、並ぶことも多いのが、「たけ屋」の味噌ラーメン。津軽に行った時は、必ず寄ることにしています。ラーメンがおいしいのはもちろんなのですが、セルフでついてくる「大根の甘酢漬け」がラーメンに合うのです。

たけ屋
住所:青森県五所川原市小曲豊里5-2

鶴の舞橋は早朝が美しい!

鶴の舞橋横
北津軽で絶景ポイントなのが、鶴の舞橋公園です。青森県産のヒバを使用した日本一長い木造橋がかかっています。

鶴の舞橋と岩木山
岩木山を背景に鶴が空を舞うようにも見えるとも言われており、晴れの日は、湖面に映る岩木山も素晴らしいです。

鶴の舞橋 早朝
朝霧の出る日は、幻想的な風景が広がることがあります。お日様が昇り始めた頃が美しく絶景ですが、みるみるうちに霧も晴れてしまうので、早朝に出かけるとよいでしょう。

鶴の舞橋
住所:青森県北津軽郡鶴田町廻堰大沢

津軽鉄道沿線を中心に、津軽には見どころがたくさんです。冬の旅のひとつに、ストーブ列車をはじめ、古き良き昭和を楽しみに出かけてみてはいかがでしょうか。

[All photos by Hiromi Ito]
Do not use images without permission.

伊藤 宏美

hiromiito 鉄道写真家
旅行会社の写真撮影ツアー同行講師。他、写真教室の講師。取材同行の他、学校写真カメラマン。食いしん坊。
鉄道写真のため全国を回る。ローカル線や蒸気機関車に乗るのも好き。鉄道の情景写真が好きで、ローカル線では地元の方と話し、名物や駅弁を楽しみながらの寄り道も大好き。
季節ごとに何度も同じ場所に出向くことも少なくなく、長時間滞在も惜しまず、見つけたものや人との出会いは最高の宝物だと思う。


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