【全国ご当地おでん8選】変わり種満載!おでんの具材と出汁は地域でこんなに違う

Posted by: 土田洋祐

掲載日: Mar 2nd, 2024

おでんは地域によって具材や食べ方に違いがあるって知ってますか? 具の大定番といえば大根やたまごですが、北海道の「マフラー」、金沢駅の「カニ面」、静岡県の「黒はんぺん」など変わり種もいろいろ。出汁(つゆ)にも個性があります。今回はユニークなご当地おでんの世界をご紹介。

鍋ではなかった? 意外と知らないおでんのルーツ

豆腐田楽
まずはおでんの歴史について簡単に紐解いていきましょう。おでんのルーツは室町時代で祭事などで用いられていた「豆腐田楽」と言われています。その後、時代が進むにつれて用途や食べ方が徐々に変化していき、江戸時代には現在と変わらない「煮込みおでん」が屋台などで食べられる様になったそうです。

ちなみに源流である豆腐田楽、または田楽をおでんと呼ぶ地域もあり、それらでは煮込みおでんのことを「関東炊き」「関東煮」と分けて呼ぶことも。

こんなに違う! ご当地おでん

一言でおでんと言っても、地域によって具や出汁、食べ方には違いがあります。これまで旅行や転勤先で「あの具がない!」「これっておでんなの?」といった、カルチャーショックを受けた人もいるのではないでしょうか。

そこでここからは全国の特徴あるおでんをピックアップして紹介! 知っているおでんを探しながら見てみてください。

北海道風おでん

北海道風おでん
言わずと知れた食の宝庫・北海道では、近海で獲れた海産物(昆布、白子、帆立など)や、名産のじゃがいもなどが贅沢におでんの具に用いられます。

また「マフラー」と呼ばれる平べったい形をしたさつま揚げは昆布出汁をたっぷりと吸い込みジューシーで、北海道おでんには欠かすことができないご当地ネタ。

青森風おでん

青森風おでん
ピリッとおでんを陰で支える功労者といえば「からし」ですが、青森ではからしとはまた別にショウガと味噌を混ぜた「ショウガ味噌」を付けて食べるのが一般的。その普及率たるや圧巻で、県内の一部コンビニではからしと一緒にショウガ味噌の用意もあるのだとか。

具には陸奥湾で獲れるツブ貝や根曲がり竹(タケノコ)といった、ご当地のネタが入ります。

金沢風おでん

金沢風おでん
金沢のおでんには、バイ貝、車麩、赤巻、ひろうず(がんもどき)といったものをはじめ、「カニ面」という具が入ります。カニ面とは、北陸の名産品である香箱ガニの身を甲羅に詰めたもので、あまりにも贅沢なご当地ネタ。なんと丸々1杯のカニが使われるのだとか……。

一方で味の決め手となるのは、バイ貝などの魚介をベースにした出汁。黄金にきらめく旨味たっぷりの出汁はまさに金沢名物そのもの。

飯田風(長野)おでん

飯田風(長野)おでん
長野県南部に位置する飯田市では、ねぎと醤油を合わせた「ねぎ醤油ダレ」を付けて食べます。発祥は市内の居酒屋「丸現」で、ねぎ好きのお客さんからの要望で誕生したとのこと。そもそも飯田市はねぎの名産地ということもあり、新たな名物として一気に広まったそう。

ちなみに長野県は隣接する県が最もいため、場所によって食文化は異なります。味噌を付けたり、先に紹介した金沢おでんの具が入ったりするものなども。

静岡風おでん

静岡風おでん
「黒ッ!」と思わず口にしてしまうインパクト抜群の静岡おでん。黒々としたビジュアルの要因は、ご当地ネタの「黒はんぺん」など練り物から滲みだした成分によるもので、出汁を継ぎ足しで使っている内に濃さを増していくのだそう。

ただ意外にも出汁はあっさり目の優しい味で、後からかける青のりやだし粉との相性は抜群。「豚もつ」や「ふわ(牛の肺)」といった変わり種も特徴のひとつ。

呉風(広島)おでん

呉風(広島)おでん
西日本有数の軍港で知られる広島県の呉市では、いりこと牛で取ったパンチのある出汁のおでんが特徴。具には出汁で使われたトロトロのアキレス腱、里芋、厚揚げ、かまぼこなどが入り食べごたえ満点。

さらに現地では、魚のすり身にパン粉をつけて揚げた呉のソウルフード「がんす」を入れることも。すこしピリ辛でコクあるスープのアクセントになるのだとか。

福岡風おでん

福岡風おでん
”餃子巻き”は福岡風おでんに欠かせないご当地ネタ。博多名物の餃子を魚のすり身で包み込んだ具で、出汁をたっぷり吸ったモチトロの餃子の皮が絶品! 

また県内の小倉方面では、ロールキャベツが人気の具材。嬉しいことにどちらも、天神の屋台街でほかの福岡グルメと一緒にいただけます。屋台によっては独自の具を用意していることもあるので、もしかしたら変わり種のニュースターに出会えるかも?

沖縄風おでん

沖縄風おでん
おでんに縁がなさそうな沖縄ですが、意外にも独特のおでん文化が根付くおでん大国。沖縄おでんの出汁はソーキ骨ベースで、てびち(豚足)やウインナー、スパムといった具が入るほか、マスタードを付けて食べる習慣があるなど、和洋の文化が入り混じった沖縄らしいおでん。

ちなみに現地ではおでんを肴に呑むのが基本スタイル。寒い時期だけでなく通年して食べられるので、火照った体をおでんとビールでクールダウン…なんて楽しみ方もおすすめ!

まだまだあります! ご当地おでん

いかがでしたか? 今回は各地のユニークなおでんについて紹介しました。変わり種や食べ方など、全て地域ならではの特徴があることが分かったと思います。紹介しきれなったご当地おでんもまだまだあるので、どこかへ訪れた時には、ご当地おでんを覗いてみると新たな発見があるかもしれません! ぜひチェックしてみてください。

【参考元】
地理:日本のご当地おでん | おでん教室 | 紀文アカデミー
後編 紀文・主要7地域 家庭の鍋料理調査2023 2023年度版

 


 

PROFILE

土田洋祐

Yosuke Tsuchida ライター

「好奇心が示す場所へ」をモットーに国内に旅するライター。各地で出会った人々とお酒を飲み交わす時間がなによりも喜び。好きな場所は寒い地域と端っこ。

【キャッチフレーズ】
日本文化を愛するビール好き

「好奇心が示す場所へ」をモットーに国内に旅するライター。各地で出会った人々とお酒を飲み交わす時間がなによりも喜び。好きな場所は寒い地域と端っこ。

【キャッチフレーズ】
日本文化を愛するビール好き

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