
え?なに!?山の上に巨大な鬼が鎮座する

それは、鳥取県西部の取材で車移動していたときのこと。国道181号線を走っていると、突然、車窓から見える山の上に巨大な像を見つけたのです。「え? なにあれ観音? 大仏?」と興奮しましたが、それはどっしりと鎮座した鬼の銅像。マップを確認すると「おにっ子ランド」とあります。遊園地? もしかして廃墟? 巨大建造物も廃墟も大好物の筆者は迷わず寄り道することに。

駐車場の目の前には、メルヘンな雰囲気の黄色い家。「おにっ子ランド」と書かれています。誰もいません。
そこは「おにっ子ランド」!巨大なローラー滑り台も

入り口の看板には、鬼のイラストと「歓迎」の文字。冬季は休業しているようですが、訪れたときは9月のお昼頃。しっかり営業時間内です。人の気配が全くないなか恐る恐る階段を登ってみると……

巨大なローラー滑り台が! ダイナミック! 滑りたい!

しかしよく見ると今日は雨のため使用中止でした。だから人がいなかったのか……非常に残念。

滑り台の終点はカラフルなパラソル。奥に見える鉄骨レールは、昔あった遊園列車(弁慶号)の名残です。黄色い家だと思っていたものは、かつての駅舎でした。

実はここ、1997年に町直営の親子がふれあう施設「おにっ子ランド」として開業、当時は、列車、ローラー滑り台、めだかの池、水路、水車小屋、大型遊具、野外ステージ、グラウンドがあったといいます。


現在は巨大な鬼像とローラー滑り台を残す無料公園として、地域の記憶を今に伝えています。
滑り台の途中にはトンネルも
鬼の銅像はランドマーク

さてさて、滑り台にすっかり心を奪われてしまった筆者ですが、そもそもの発端は鬼です。公園の反対側に、鬼の銅像が見えます。あちらに歩いて行ってみましょう。

ちなみに、鬼の銅像が腰掛けている建物は、かつての「鬼ミュージアム」。「おにっ子ランド」オープンの前年、1996年に、隣接する鬼の館(文化交流拠点施設)とともに完成しました。

高さ18m(建物を入れると26m)。遠くから見ても大きさがわかりますが、近づくと怖いくらい大きい。トゲトゲの金棒も持っていますし、座り方も威圧感あり。この日は曇天だったので、余計に恐ろしさが増します。

表情も大迫力! しかしなぜでしょう、ずっと眺めていると、少し親近感が湧いてきました。「おい、お前、何しにきたんだ?」と話しかけられているような気分に。怖かった表情も、頼り甲斐があるように見えてくるから不思議です。
隣には洞窟風の倉庫のような建物もありました
日本最古の鬼伝説
鬼の像前からの眺望。左手の山が、太古の昔、鬼が居座ったとされる鬼住山(きずみやま)
伯耆町(かつての溝口町)が鬼にこだわった町づくりを進めたのは、町の伝承文化である日本最古の鬼伝説に由来しています。第七代孝霊天皇の鬼退治伝説を活かし、鬼を町のシンボルに据え、さまざまな町おこしが行われました。

おにっ子ランドや鬼の銅像、鬼ミュージアム、鬼の館もその一部。他には、10体のブロンズ製の群鬼がある鬼守橋や、鬼の顔の公衆トイレ、公衆電話ボックス、マンホール蓋、鬼住山鬼の伝承公園などもあるそうです。
ドライブ中発見した鬼の電話ボックス
伯耆國鬼伝承六神社巡り
画像素材:PIXTA
さらに、「孝霊天皇の鬼退治伝承」この伝承にゆかりのある神社の御朱印巡りも企画されています。その6社とは、天萬神社(てまじんじゃ:南部天萬)、樂樂福神社(ささふくじんじゃ:南部篠相・伯耆宮原・日南印賀・日南宮内の4社)、菅福神社(すげふくじんじゃ:日野上菅)です。
伯耆國鬼伝承六神社巡り
御朱印巡り
鬼伝承ゆかりの六神社を参拝し、神社のある市町観光協会などの販売店へ行って御朱印、物語を入手。物語巡りで序章から6章まで全章をそろえると、販売店にて物語の最終章をプレゼント。
もう一度行きたい!「おにっ子ランド」
トイレの案内が手書きの鬼のイラストなのが可愛い
今後訪れるときは、晴れて滑り台に挑戦できることを祈って。もちろん、親子がゆっくり過ごすためのスポットなので、お子さま優先です。町なかの鬼スポットを巡ったり、伯耆國鬼伝承六神社巡りも面白そうだと思いました。
鳥取県西伯郡伯耆町宇代580
営業時間 4月25日~6月30日 10:00-17:00
7月1日~8月31日 9:00-17:00
9月1日~11月1日 10:00-16:00
定休日 火曜、12月~3月(冬季休園)
料金 無料
駐車場あり
https://www.houki-town.jp/new2/5/3/7/
©kanoa
