メキシコ「褐色のマリア」を彩る数々の祭壇

Posted by: Miho Nagaya

掲載日: Dec 13th, 2013

道を歩けばグアダルーペの祭壇に当たる

メキシコの守護聖母的な存在といえば、褐色のマリア、Virgen de la Guadalupe(ビルヘン・デ・ラ・グアダルーペ)。

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

道ではいつでもグアダルーペの姿を見る ©Miho Nagaya

メキシコのどの町にもグアダルーペを祀った祭壇がいたるところにあります。

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

駐車場のなかにある祭壇 ©Miho Nagaya

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

食堂の脇にも ©Miho Nagaya

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

エレガントな祭壇 ©Miho Nagaya

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

市場のなか。花がいっぱい ©Miho Nagaya

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

石造りの建物のなかにある小さな祭壇 ©Miho Nagaya

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

ちょっとクリスマス仕様 ©Miho Nagaya

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

市場のなかにある大きめ祭壇 ©Miho Nagaya

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

道の角にある祭壇 ©Miho Nagaya

信仰上のものとわかっていても、外国人からみたら、派手に飾られた祭壇がすごく鮮やか。
西洋のマリアとは異なるグアダルーペの、エキゾチックな佇まいにとても惹き付けられます。
散歩しながら、祭壇を探してみるのも楽しいものです。
信仰の深いメキシコでは、ゴミの不法投棄がある場所に、グアダルーペの絵を描いておくと、恐れ多くて、みんなゴミを捨てなくなるとも言われているんですよ。

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

グアダルーペやキリスト、聖人が描かれた壁 ©Miho Nagaya

グアダルーペの伝説とは?

そんなグアダルーペの総本山が、メキシコシティにあるグアダルーペ寺院=Basílica de nuestra señora de la Guadalupe(バシリカ・デ・ラ・グアダルーペ)です。

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

敷地内に初代寺院と新寺院が並ぶ 。初代の寺院は石造りの建物の重みによる、地盤沈下で傾いてしまったので、1976年に完成した新寺院が利用されている ©Miho Nagaya

1531年、先住民のフアン・ディエゴの前に聖母が現れ、メキシコのカトリック教会の司教に自分のための寺院を建立するように伝えてくれといいました。フアンは司教にそれを伝えたのですが、相手にされませんでした。フアンの前に聖母が現れ、今度は「テペヤックの丘に上って、花を摘み、司教にもっていきなさい」と告げました。フアンが丘にいくと、冬にもかかわらず、美しい花が咲いていました。その花をフアンはマントに摘んで、司教の元に持って行くと、花はなくなり、マントに褐色の聖母の姿が浮かび上がりました。驚いた司教は、テペヤックの丘に聖母のための寺院を作ることにしたのです。

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

テペヤックの丘の上の礼拝堂に描かれた、グアダルーペ出現の姿 ©Miho Nagaya

それ以来、褐色でメスティーソ(スペインと先住民の混血。メキシコ国民の半数以上はメスティーソ)の顔をした聖母グアダルーペは、メキシコの象徴として広く愛されているのです。

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

グアダルーペ寺院内部 ©Miho Nagaya

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

寺院内部に、聖母が浮かび上がったマントが展示されている! ©Miho Nagaya

毎年12月12日は、グアダルーペの記念日なので、メキシコ全土から多くのひとたちが徒歩で訪れます。

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

寺院にむかう巡礼の人びとの姿 ©Miho Nagaya

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

奉納に使う花の飾り。巡礼にはこれを背負って寺院へむかう ©Miho Nagaya

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

地方からもたくさん参拝者が訪れる ©Chad Zuber / Shutterstock.com

メキシコにある褐色のマリアを彩る「愉快な祭壇」

膝歩きで礼拝に訪れる人びとも多い ©Chad Zuber / Shutterstock.com

メキシコ社会では母親が強く、一家の中心。父の日よりも母の日のほうが、盛大に祝われます。
メキシコで母親が偉いのも、もしかしたら、このグアダルーペ信仰と関連があるのかもしれませんね。

PROFILE

Miho Nagaya

長屋美保 ライター

メキシコシティの路地裏から見た生のラテン文化や社会を追い続けるフリーライター兼なんでも屋。雑誌、WEB、ラテン圏アーティストのCD解説、映画、コンサートのパンフレットなど、メキシコを中心としたラテンアメリカの記事を日本の媒体に執筆するほか、リサーチやスペイン語⇔日本語翻訳も行う。情報サイトAll Aboutのメキシコ公式ガイドでもある。

メキシコシティの路地裏から見た生のラテン文化や社会を追い続けるフリーライター兼なんでも屋。雑誌、WEB、ラテン圏アーティストのCD解説、映画、コンサートのパンフレットなど、メキシコを中心としたラテンアメリカの記事を日本の媒体に執筆するほか、リサーチやスペイン語⇔日本語翻訳も行う。情報サイトAll Aboutのメキシコ公式ガイドでもある。

SHARE

  • Facebook