道を歩けばグアダルーペの祭壇に当たる
メキシコの守護聖母的な存在といえば、褐色のマリア、Virgen de la Guadalupe(ビルヘン・デ・ラ・グアダルーペ)。
道ではいつでもグアダルーペの姿を見る ©Miho Nagaya
メキシコのどの町にもグアダルーペを祀った祭壇がいたるところにあります。
駐車場のなかにある祭壇 ©Miho Nagaya
食堂の脇にも ©Miho Nagaya
エレガントな祭壇 ©Miho Nagaya
市場のなか。花がいっぱい ©Miho Nagaya
石造りの建物のなかにある小さな祭壇 ©Miho Nagaya
ちょっとクリスマス仕様 ©Miho Nagaya
市場のなかにある大きめ祭壇 ©Miho Nagaya
道の角にある祭壇 ©Miho Nagaya
信仰上のものとわかっていても、外国人からみたら、派手に飾られた祭壇がすごく鮮やか。
西洋のマリアとは異なるグアダルーペの、エキゾチックな佇まいにとても惹き付けられます。
散歩しながら、祭壇を探してみるのも楽しいものです。
信仰の深いメキシコでは、ゴミの不法投棄がある場所に、グアダルーペの絵を描いておくと、恐れ多くて、みんなゴミを捨てなくなるとも言われているんですよ。
グアダルーペやキリスト、聖人が描かれた壁 ©Miho Nagaya
グアダルーペの伝説とは?
そんなグアダルーペの総本山が、メキシコシティにあるグアダルーペ寺院=Basílica de nuestra señora de la Guadalupe(バシリカ・デ・ラ・グアダルーペ)です。
敷地内に初代寺院と新寺院が並ぶ 。初代の寺院は石造りの建物の重みによる、地盤沈下で傾いてしまったので、1976年に完成した新寺院が利用されている ©Miho Nagaya
1531年、先住民のフアン・ディエゴの前に聖母が現れ、メキシコのカトリック教会の司教に自分のための寺院を建立するように伝えてくれといいました。フアンは司教にそれを伝えたのですが、相手にされませんでした。フアンの前に聖母が現れ、今度は「テペヤックの丘に上って、花を摘み、司教にもっていきなさい」と告げました。フアンが丘にいくと、冬にもかかわらず、美しい花が咲いていました。その花をフアンはマントに摘んで、司教の元に持って行くと、花はなくなり、マントに褐色の聖母の姿が浮かび上がりました。驚いた司教は、テペヤックの丘に聖母のための寺院を作ることにしたのです。
テペヤックの丘の上の礼拝堂に描かれた、グアダルーペ出現の姿 ©Miho Nagaya
それ以来、褐色でメスティーソ(スペインと先住民の混血。メキシコ国民の半数以上はメスティーソ)の顔をした聖母グアダルーペは、メキシコの象徴として広く愛されているのです。
グアダルーペ寺院内部 ©Miho Nagaya
寺院内部に、聖母が浮かび上がったマントが展示されている! ©Miho Nagaya
毎年12月12日は、グアダルーペの記念日なので、メキシコ全土から多くのひとたちが徒歩で訪れます。
寺院にむかう巡礼の人びとの姿 ©Miho Nagaya
奉納に使う花の飾り。巡礼にはこれを背負って寺院へむかう ©Miho Nagaya
地方からもたくさん参拝者が訪れる ©Chad Zuber / Shutterstock.com
膝歩きで礼拝に訪れる人びとも多い ©Chad Zuber / Shutterstock.com
メキシコ社会では母親が強く、一家の中心。父の日よりも母の日のほうが、盛大に祝われます。
メキシコで母親が偉いのも、もしかしたら、このグアダルーペ信仰と関連があるのかもしれませんね。