アクアポニックスとは、植物と魚が織りなす小さな生態系。魚の糞を栄養素にして植物が育ち、植物は水槽の水を浄化するという循環型菜園です。以前でもTABIZINEでも紹介しました。今回は、このアクアポニックスのユニークな新商品を、大・中・小の大きさ別に3つご紹介します。
テーブルサイズの丸型水槽「Avo」
(C) おうち菜園
テーブルの上に置いて鑑賞する、小さめサイズのアクアポニックス。水槽の中で植物を育てるタイプです。容器内で水が浄化され、さらに水温(27℃)やライトまで自動でコントロールしてくれる優れもの。
生まれはロンドン。完成までには、3年間のリサーチと18カ月の試験運転を行ったそう。普通魚を飼うときは水槽の掃除が必要ですが、「Avo」には特別なフィルター機能があるので、掃除いらず! 「金魚や熱帯魚を飼いたいけど水替えが面倒」という方にもピッタリです。
「Avo」は、クラウドファンディングKICKSTERTERで10万ポンド(約1800万円)を調達し、現在発売の準備中。価格は200ポンド(約3万6400円)を予定しているそうです。
スマートな壁面アクアポニックス「Grove」
(C) おうち菜園
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キャビネット一体型のアクアポニックス菜園「Grove」。ハーブや野菜を育てれば、部屋のなかで収穫してそのまま料理に使えます。食のライフスタイルを新しくしてくれそう。インテリアとしても画期的で、スペースをとらないスマートさがうれしい。店舗やオフィスにさりげなくあっても、おしゃれですね。
実はこの「Grove」、発売当初は製造会社「Grove Labs」のオフィスの近郊、約50km圏内に住む地元の人だけにしか販売していませんでした。理由は、「製品だけでなく、製品を支持してくれる人たちのコミュニティも作りたい」という作り手の思いから。いつでも駆けつけられる距離のなかで、カスタマーとの関係を温めていたそう。
現在は、50km圏内でなくても購入することができます。ただし、その際はまず予約をしてデポジットの約4万円(350ドル)を前払い。そのデポジットを元に「Grove」が製造されるという流れになります。販売のプロセスも画期的ですね。
屋上に巨大なドーム型アクアポニックス「Globe/Hedron」
(C) おうち菜園
スイスで巨大なドーム型アクアポニックスが誕生! ユニークな形は「ジオデジックドーム」という建築方法で、五角形や六角形の面を組み合わせて球体に近いフォルムを再現しています。サッカーボールを半分に切ったような形だとイメージするとわかりやすいと思います。強風や地震に強く、空調効率もよく、少ない材料でより多くのスペースを確保できる、効率のいい建築方法なのだとか。
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ドームの中は、真ん中に魚の水槽があり、それを囲むように野菜を育てるスペースが6段。うまく育てれば、年間約400kgの野菜と約100kgの魚を収穫できるそうです。日本人は一人あたり年間約100kgの野菜、約50kgの魚を消費するといわれています。野菜だけで考えれば、このドーム型農場ひとつで4人家族をまかなえる計算になります。
「Globe/Hedron」の気になる耐久性は、最低4年間は安定して使えるそう。都会に住んでいても、屋上にこのドームがあれば、畑を持っている人と同じくらいの収穫ができる。将来、こうしたドーム型農場が、ひとつの家庭にひとつ置かれる時代がいつかやってきたら、素敵ですね。
アクアポニックスの講座がスタート!
アクアポニックスの仕組みや実践方法をレクチャーする、「AQUAPONICS ACADEMY」が今月スタートします。場所は東京、横浜、国立、千葉の4校。
アクアポニックスの基礎を体系的に学ぶことができる学校は日本初。アクアポニックスの世界に興味がある方は、この機会を逃さないで!