平安時代に開湯されたという石川県は山中温泉。あの松尾芭蕉も愛したという、古きよき温泉地です。加賀温泉駅からバスで30分ほどいった山間にあり、伝統的な文化と大自然が魅力の山中温泉。おすすめスポットをご紹介いたします。
料理の巨匠道場六三郎さんプロデュースのかに鍋
山中温泉は道場六三郎さんの故郷でもあります。4月から10月31日までの期間限定で、道場六三郎さんプロデュースのスイーツが楽しめる川床(渓谷沿い)や、「町人旅人亭」にて、道場六三郎さん監修のかに汁鍋(11月〜3月末)が一杯200円で振る舞われます。ただ、あまりの人気に午前中でほとんど売りきれてしまうようです。
ちなみに、こちらで使っている味噌があまりにおいしかったので購入してしまった筆者です(笑)。味噌を売っているのは中野味噌醤油店。温泉街のはずれに小さな販売所があります。気に入ればお取り寄せもできるとのこと。おすすめです。
[中野味噌醤油店]
肉のいづみやのコロッケを片手に街を散策
温泉街で食べ歩きは必須だと思っているのは筆者だけ? 温泉まんじゅうや味噌こんにゃくに甘酒飲み歩き! なんて夢みたい(笑)。山中温泉で食べ歩きといえば、肉のいづみやのコロッケ。衣がかりっと中はしっかりした味付けのコロッケは絶品! ミンチカツや手作り焼豚なども魅力的でした。
[肉のいづみや]
絶景ポイントの鶴仙渓とこおろぎ橋
山中温泉は本当に山間にありますので、周囲を見渡しても自然がいっぱい。なかでも大聖寺川中流に位置する鶴仙渓(かくせんけい)は約1kmにわたる美しい渓谷です。鶴仙渓の上流にあるこおろぎ橋は観光スポットのひとつ。
パワースポット樹齢2300年の大杉でパワーチャージ
温泉街から約2kmほどはなれたところに佇む菅原神社。神社の境内にある樹齢およそ2300年の御神木は、国の天然記念物にも指定されているまさにパワースポット。一礼して鳥居をくぐると、気温がぐっと冷えこんだように感じます。下から見上げても大迫力の大杉。生命力どくどくの、神様みたいなご神木にパワーをいただきましょう。
加賀地酒蔵 辻酒販本店にて地元のお酒を味わう
こちらのお店は、地元のお酒を中心に販売しております。店内奥のほうでは一杯200円で利き酒ができるスペースも。こういうお酒が飲みたいという要望にすぐさま応えてくださるこちらのお母さん、なんと道場六三郎さんのご親族なのだとか! 驚きです・・・。お手頃価格でいろんなお酒が楽しめるので、利き酒をしながら酔っぱらってしまうお客さんも多いのではないでしょうか(笑)。地元ならではのお酒を飲みつつ、お母さんから色々な話を聞けますよ。
和酒BAR縁がわにて酒匠についでもらう絶品のお酒
酒匠(さかしょう)という資格をご存知でしょうか? 唎酒師のうえに値する資格なのだとか。全国でもそんなに数はいないらしいのですが、石川県で唯一の酒匠がなんと、山中温泉にいらっしゃるという噂を聞きつけていってきました。古い古民家を仲間達と改造したという店内は、現代と日本の和の文化がうまく調和されている印象。とにかくお洒落でした。また、こちらの酒匠、日本酒を広めるべくNYに行くなどとても精力的。話していても日本酒への情熱がびしばしと伝わってきます。おいしいお酒を飲みながら日本酒の勉強もできるので、日本酒好きな人にはおすすめです。
[和酒BAR縁がわ]
若手作家たちがまなぶ九谷焼ギャラリーいずも堂
山中温泉は九谷焼発祥の土地。ゆげ街道沿いにも九谷焼を扱うお店は数多くみられました。中でも目をひいたのが、現代風にアレンジされた漆器や九谷焼など、この土地の作家達の作品が並ぶいずも堂。地元出身の作家以外にも、九谷焼を学ぼうと全国から若手芸術家達がこの土地に移住してきて制作しているのだとか。「嫁いできてすぐに有名な作家さんの陶芸品を扱う仕事があったり、なれるまでは大変だった」と話してくださったお店のお母さん。「写真撮って良いですか?」と聞くと「昔は喜んで写ってたんだけどね〜」と言いながら、恥ずかしそうにカメラに目をむけてくださいました。
[いずも堂]
古き良き日本の伝統を若者達が今風にアレンジしているという風景は、昨今さまざまな温泉街にみられます。伝統を繋いでいくにあたり、スタイルを変えていくことは今の時代流なのかも。太古の香りがする山々と大聖寺川。その中で若者達が繋いでゆく文化の街。山中温泉、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。