日本では教室で昼食を取る学校も多いですが、学食(カフェテリア)で食べる生徒が多いアメリカ。そんな学食文化では、学生にとってランチ仲間の有無は頭を悩ませる問題です。そんな中、クラスメイト達のいじめから孤独なランチを余儀なくされた少女が、画期的なアプリを開発して話題を呼んでいます。
中学時代のいじめと、孤独なランチタイム
こちらが、その話題のアプリを開発したナタリー・ハンプトンさん(Natalie Hampton)、現在16歳。アメリカのカリフォルニア在住の彼女は、7年生(中学2年生)の頃にクラスメイト達から執拗ないじめに遭います。そのせいで、その年は誰ともランチを一緒に取れなかったのだとか。両親の再三の訴えにも関わらず学校はいじめに対する有効な手段を取ってくれなかったそう。そればかりか、学校の体面を気にして「いじめの事実を口外しないように」と彼女に申し渡します。この写真で彼女が持っている絵は、そんな無力感を表現したものなのだとか。
現在は高校2年生になり、学校も変わって穏やかな学生生活を送っているというナタリーさん。けれどいじめの経験を決して忘れることはなく、かつての自分と同じような経験をして苦しんでいる生徒の助けになりたいと常に願い続けていました。そんな彼女の想いと創造性が結びついたときに、ついに「そのアプリ」が開発されたのです!
ランチ仲間を探せる「Sit With Us」
その名も、「Sit With Us」という「ランチ仲間を探せる」アプリ。「一緒に座って」という意味のタイトルです。このアプリをダウンロードすると、「ランチ・アンバサダー」(ランチ大使)になって誰でも自由に参加できるランチ会を主催できるのです。その情報は、ランチ仲間を探す人(アプリを既にダウンロードしている人)にお知らせとして届くのだとか。これさえあれば、もう寂しいランチともおさらばですね!
この「Sit With Us」のダウンロードが開始されたのは9月9日からですが、アメリカでは既に様々なメディアの注目を集め、テレビ取材も経験しているナタリーさん。彼女の表情も、先ほどの絵を手にした写真と比べると格段に明るくなっているのが見て取れます。
(C) facebook/Debbi Huston Braeger
そんな注目度に比例するように、「Sit With Us」のアプリでアンバサダーになった生徒たちの写真がナタリーさんの元に続々と届いているようです。これこそ、ナタリーさんが何よりも願っていたことなのではないでしょうか。
いじめは悲しい出来事ですが、こうやって前向きに誰かを助ける方法を見つけ出したナタリーさんは素晴らしいですね。今のところまだIOSデバイス(iPhoneおよびiPad)のみの対応だそうですが、この「Sit With Us」を使って孤独なランチタイムを過ごす子供が1人でも少なくなって欲しいものです。
[Photos by Shutterstock.com]
[Sit With Us]
[facebook/Sit With Us]
[Carolyn Hampton Photography]
[Teen Makes ‘Sit With Us’ App That Helps Students Find Lunch Buddies]