日本でもすっかり浸透したハロウィン。元々は古代ケルト人の民俗行事で、ヨーロッパや北米で盛大に祝われてきました。
日本で楽しまれるようになったのはご存じの通り最近のことで、そのお祝いの仕方は海外の人から見るとちょっと不思議なんだとか。具体的に、どんなことが不思議だと思われているのでしょう。
子どもよりも大人が主役
ヨーロッパや北米では、ハロウィンの主役は子どもたちです。いっぱしの扮装をしたかわいい魔女やガイコツたちが、「トリック・オア・トリート?(お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ!)」と家々を回り、大人たちからお菓子をもらいます。子どもに合わせ、家族でおそろいの仮装をすることも一般的です。
対して日本では、大人のほうが仮装に夢中になっているように見えます。渋谷や六本木、川崎で繰り広げられる大人だらけの仮装行列は、日本独特の文化として海外でも有名になりつつあります。
かぼちゃのランタンを作らない
ハロウィンのデコレーションといえば、カボチャで作るジャック・オー・ランタンです。ハロウィンが近付くと、アメリカのスーパーにはランタンを作るためのカボチャがごろごろ並びます。親子でランタン作りをするのも恒例のイベントです。
でも、日本ではジャック・オー・ランタン作りはあまりしませんよね。日本のかぼちゃは西洋かぼちゃより固くて加工しにくいからかもしれません。オレンジ色の西洋かぼちゃは日本の緑色のものより水分が多く、簡単にくりぬいたり削ったりできるのです。
オバケのキャラクターも、どこか可愛い
ハロウィンでは、魔除けのために怖~いマスコットを飾ります。本物と見まごうようなクモやガイコツの人形が街頭に飾られていて、ドキッとしてしまうこともあります。
こんな本格派のゾンビ、子どもたちは怖くないのでしょうか。
対して「カワイイ」文化の日本では、ハロウィンのキャラクターもずいぶんキュート。リアルさを追求する西洋とは180度違い、面白く感じる人が多いようです。
ハロウィン料理もとびきり可愛い
日本のハロウィンは、パーティー料理まで「カワイイ」です。本場の料理はかなりおどろおどろしく、ちょっと悪趣味すぎるんでは? と思うものさえあります。
例えば・・・
オリーブとスパゲッティを使ったクモの前菜。全然食指が動きません。
もしくは、指の形を模した文字通りのフィンガーフード。
はたまた、独特のトッピングに鳥肌が立ちそうな特製サラダ。
日本の可愛い料理やお菓子は、とても平和的に見えます。何よりおいしそうです。
日本のお盆と収穫祭はどこへ?
本場でもその由来は忘れ去られてしまっていますが、そもそもハロウィンは死者の霊に思いを馳せ、秋の収穫を祝うお祭りでした。
死者の霊に思いを馳せ、秋の収穫を祝うお祭りといえば、日本にはお盆と収穫祭があります。お盆は❝盆と正月❞といわれるくらい一年の中でも重要な位置を占め、収穫祭である10月17日の神嘗祭(かんなめさい)と11月23日の新嘗祭(にいなめさい)は、国民の祝日でした。
しかし今ではお盆の習慣はすっかり廃れ、神嘗祭は宮中だけの行事になり、新嘗祭も「勤労感謝の日」と名前を変えてしまいました。せっかく素晴らしい伝統があるのに、借り物の死者の日・収穫祭であるハロウィンに興じる日本の文化は、ずいぶん不思議に見えるようです。
「海外で不思議がられる日本人の夏8選〜魚を見て涼しさを感じるって!?〜」「外国人観光客から不思議がられる日本の観光地事情5選~つっこみどころ満載~」などでもお伝えしたように、日本の文化の不思議さはつきないようです。
今やハロウィンの市場規模は、バレンタインのそれを上回るほどだそうです。西洋から伝わり、独自の発展を遂げた日本のハロウィン。今後も規模を拡大していくのでしょうか。
[All photos by Shutterstock.com]
Misako Treutel ライター/翻訳業
1986年生まれ。大学では英米文学・英語学を専攻していたが、授業そっちのけで留学、国際インターンシップ、旅に明け暮れる。大学卒業後は出版社に入社し、約80点書籍を制作。2015年に退社し、現在は米国シアトル在住。
海外で不思議がられる日本人の習慣5選〜相づち上手は信用されない!?〜
Jan 9th, 2024 | 目黒沙弥
【2024年1月9日更新】「日本人はとても礼儀正しい!」と世界中から称賛されます。でも時には外国人からみると理解できないことや、無意識に失礼に当たる行為をしているということが少なからずあるようです。それは一体どういうことなのでしょうか? 筆者の周りで集めた、外国人の生の声をご紹介したいと思います。
【大学生が見た海外の“今”】研修中のカメラロール見せてください!アメリカ
Dec 7th, 2023 | TABIZINE編集部
TABIZINE10周年企画、第3弾は日本女子大学とコラボ。大学生ならではの視点で切り取られた海外の“今”をお届けします。今年2023年から国際文化学部が新設された日本女子大学。新学部では1年生から約2週間の海外研修で他国の言語や文化を学ぶプログラムが必修となりました。彼女たちの研修中のカメラロールや等身大の体験談から見えてくる、教育や文化、価値観の違い、そこから得た学びとは? 第2回は、アメリカ編。レポーターは、日本女子大学国際文化学部1年生のみおさんと、M.Nさんです!
横幅70m超!「世界一幅の広い橋」はアメリカにあった【旅に関する面白いギ
Jul 8th, 2023 | 坂本正敬
1955年に書籍から始まった「ギネス世界記録」。人間が達成した記録や、自然界で起きた「世界一」など、さまざまな世界記録を認定・登録しています。その中から、旅行に関するギネス世界記録を紹介するシリーズ。今回は、記念撮影の対象にもなる橋に関するギネス世界記録を紹介します。
全長4,260km!北海道から沖縄の距離よりも長いアメリカの歩道「トレイ
Jun 3rd, 2023 | 坂本正敬
1955年に書籍から始まった「ギネス世界記録」。人間が達成した記録や、自然界で起きた「世界一」など、さまざまな世界記録を認定・登録しています。その中から、旅行に関するギネス世界記録を紹介していきます。今回は、トレイル(長距離自然歩道)に関する世界一を紹介します。
「セラピー犬」が大活躍する世界一の空港とは?【旅に関する面白いギネス記録
Apr 15th, 2023 | 坂本正敬
1955年に書籍から始まった「ギネス世界記録」。人間が達成した記録や、自然界で起きた「世界一」など、さまざまな世界記録を認定・登録しています。その中から、旅行に関するギネス世界記録を紹介していきます。今回は、世界で最も犬が活躍する空港を紹介します。
【世界三大美術館】エルミタージュ・ルーブル・もうひとつは葛飾北斎を見られ
Mar 24th, 2023 | 坂本正敬
世界を代表するとされるものを3つ取り上げて、「世界三大〇〇」と呼ばれるさまざまなものがありますよね。そこで、どんな事物がそういわれているのか調べてみました。あなたはどれだけ知っているでしょうか? 今回は、旅の目的地にもなる世界三大美術館を紹介します。
【あの国はなぜ親日国なのか?】日米関係がこれまで以上に重要になる理由
Feb 13th, 2023 | アンダルシア
世界には「親日」といわれる国や地域がたくさんあります。海外旅行をするときも、親日国を訪れると、なんとなく過ごしやすかったり、現地の人とのコミュニケーションがスムーズだったり、なんてことがないでしょうか? そこで、比較政治や国際政治経済を専門とする政治学者が、なぜその国や地域が親日なのか、政治や歴史の背景から解説します。
【世界の立入禁止スポット人気記事ランキング】遺跡や聖地・心霊スポットまで
Jan 2nd, 2023 | TABIZINE編集部
遺跡や宗教の聖地、人が住まなくなった廃墟の街、心霊スポットなど、世界のミステリアスで美しい立入禁止スポットを紹介する連載「世界の立入禁止スポット」。これまで公開した記事の人気ランキングを発表します。
【世界の立入禁止スポットvol.8】坑内火災の恐怖!50年以上燃え続ける
Dec 25th, 2022 | あやみ
フィラデルフィアから北西に約2時間。ペンシルバニア州「セントラリア」では、現在もなお、坑内火災が続いています。今回は、そんな立ち入ると危険な町、セントラリアにフォーカス。なぜ火災が起こったのでしょうか? いつまで火災は続くのでしょうか? 詳しく紹介します。
【世界三大瀑布】「ナイアガラ滝」とあと2つは?新宿ー原宿の距離より長い南
Dec 23rd, 2022 | 坂本正敬
世界を代表するとされるものを3つ取り上げて、「世界三大〇〇」と呼ばれるさまざまなものがありますよね。そこで、どんな事物がそういわれているのか調べてみました。あなたはどれだけ知っているでしょうか? 今回は、見る人を圧倒する観光スポット「世界三大瀑布」を紹介します。