オランダ在住ライターの倉田直子です。オランダは国民の気性も穏やかで、非常に暮らしやすい国だと感じています。しかし世界でも屈指の安全国である日本と比べると、気を付けなくてはいけないポイントがいくつか存在するのも事実。今回は、筆者が思いついたポイントを6つご紹介したいと思います。
1.自転車レーンにご注意を
オランダは、とにかく自転車大国。特にアムステルダムのような大都会では常に自転車の気配に気を配ってください。慣れれば自転車がどこからどの方向に来るか感覚がつかめると思いますが、最初のころは気を使いすぎるほどで丁度よいと思います。信号のない道路を横断するとき、車は歩行者優先で止まってくれることが多いのですが、自転車は止まってくれません。そして自転車専用レーンを歩くと危険なので、必ず歩道を歩くようにしましょう。
2. 自転車には、しっかりロックをして
そんな自転車大国オランダでは、レンタル自転車も気軽に借りられます。ただし自転車泥棒も非常に多いので、自転車から離れるときは短時間でも必ずチェーンなどでロックをするようにしましょう。
(次のページに続く)
3.カフェに入る前に、看板をしっかり確認
旅先の素敵なカフェでお茶を飲むのは、旅の楽しみの一つですよね。でもオランダでは、コーヒーを飲みに入るときに気を付けなければいけないことがあります。それは、そのお店が「カフェ」(Café)なのか「コーヒーショップ」(Coffee Shop)なのかということ。「カフェ」は、普通に我々が連想するカフェなのですが、「コーヒーショップ」はマリファナやハシシといったソフトドラッグを取り扱うお店。オランダでもドラッグの使用は合法ではありませんが、警察に黙認されているのでこういうお店が存在するのです。カフェだと勘違いして入ると驚くかもしれません。
4.違法な売買を持ち掛ける人は無視して
誤った「オランダ=ドラッグ合法」というイメージを持っている方も多いかもしれません。けれど、ドラッグは決してオランダでも合法ではありません。マリファナなどのソフトドラッグは、(18歳以上のオランダ在住者であれば)1日5gまで前述のコーヒーショップで購入できますが、ハードドラッグ類は所持も売買も違法です。そのことを知らない観光客相手に(ハード)ドラッグを売りつけようとする売人も存在するので、知らない人から話しかけられたら気を抜かないようにしましょう。
[Toleration policy regarding soft drugs and coffee shops]
(次のページに続く)
5.「飾り窓」観光のマナー
元々は港町として栄えたアムステルダムには、かつて船の乗務員たちが立ち寄った売春地帯が今でも残っています。2000年には合法化もされました。「飾り窓」(Red Light District)と呼ばれるその一帯は観光客が訪れる観光地でもありますが、観光マナーには注意が必要です。そこで働く女性や顧客のプライバシーを守るため、写真撮影は厳禁。あらぬ誤解を避けるためと、スリ対策として、飾り窓付近ではカメラを取り出さないように気を付けて下さい。
6.毎月第一月曜日は警報テストの日
オランダでは毎月第一月曜日の正午に、全国的に警報サイレンの動作テストが行われます。いざ本当に国民に警告が必要な際に動作しないと困るので、毎月テストをしているのです。慣れっこのオランダ人は警報を聞き流していますが、観光客が知らずに体験するとかなり不安に感じるのではないでしょうか。実際、下の動画の撮影者(ベルギー人)はオランダ観光の際に警報テストに遭遇し、戸惑っています。警報の音を聞くこともできるので、ご興味あれば見てみて下さい。第一月曜日正午に、この音を聞いてもパニックにならないようご注意を。
【TESTING AIR RAID SIREN IN HOLLAND ON MONDAY 3 AUGUST 2015 AT 12 PM Luchtalarm in Budel op Maandag】
スリなどの観光地ならではの軽犯罪はありますが、周囲の雰囲気をしっかり確認しながら行動すれば、それほど危険は多くないオランダ。けれど念には念を入れ、在オランダ日本大使館のホームページに掲載されている緊急連絡先などをメモしておくのもいいかもしれません。
この記事が、みなさまの安全なオランダ旅行のお役に立てれば幸いです。
[All Photos by Shutterstock.com]
【2024最新|オランダ人気のお土産10選】在住者厳選!スーパーマーケッ
Mar 28th, 2024 | 北崎早希
オランダトップクラスのシェアを誇るスーパーマーケット「Albert Heijn(アルバート・ハイン)」。プライベートブランドにも力を入れており、お土産におすすめの商品が豊富にそろっています。そんなAlbert Heijnに行くなら、ぜひチェックしていただきたい商品をオランダ在住者が紹介。自分へのお土産からばらまき用まで要チェックな商品を順にお届けします。
自然エネルギーで稼働!海に浮かぶ酪農場「Floating Farm」を現
Mar 11th, 2020 | 倉田直子
オランダに暮らしていると、国民の発想力に驚くことが多々あります。農業分野でも、その発想力はいかんなく発揮されています。国土は日本の九州ほどしかない小国ですが、いち早く農業にも独自の発想力とテクノロジーを導入し、非常に効率よく農作物を生産しているのです。そのおかげで農作物の輸出量は、アメリカに次いで世界第二位を誇っているのだとか。そんなオランダのクリエイティビティが、酪農ジャンルに適用されたらどなるでしょう? 世界でも類を見ないオランダの「牧場」が話題になっているのでご紹介させてください。
パンダ愛好家たちが認めた「世界一のパンダ動物園」を現地ルポ【オランダ】
Mar 2nd, 2020 | 倉田直子
「ジャイアントパンダ・グローバルアワード」(Giant Panda Global Award)をご存知でしょうか。パンダ愛好家のベルギー人男性が立ち上げたパンダのファンサイト(パンダ保護に関する啓発情報などを発信)が行う、世界のパンダに関するあれこれの人気投票です。元々は個人でスタートした活動ですが、世界中のパンダファンたちに瞬く間に知れ渡り、いまでは30万人以上が投票に参加しています。この人気ランキングの常連の動物園がオランダにあるので、ご紹介させてください。
ゴッホの作品が揃う!自然の中で芸術と触れ合える「クレラー・ミュラー美術館
Feb 27th, 2020 | 倉田直子
オランダを代表する画家、フィンセント・ファン・ゴッホ。首都アムステルダムには、彼の作品を集めた「ゴッホ美術館」が存在します。ゴッホ美術館は、当然のことながらゴッホの作品収蔵数で世界一。けれど、世界で2番目にゴッホの作品を収蔵するのは、かつての個人コレクターの作品を元に作られた美術館です。自然の中に佇む、その美しい美術館のことを紹介させてください。
環境問題にアクション!銀行が作ったサステナブルな施設「CIRCL」を現地
Feb 25th, 2020 | 倉田直子
「サステナブルな企業」と聞いて、どんな会社を連想しますか? 若者が立ち上げた、スタートアップ企業でしょうか。もしくは、大きなメーカーの環境問題への取り組み? オランダでは、とある銀行のサステナブルな取り組みが話題です。しかもその取り組みは、環境フレンドリーなだけではなく、とってもスタイリッシュなんです。
穴場のアウトレットでWOOLRICHダウンを約6万円→4万円弱でゲット!
Dec 4th, 2019 | 鈴木幸子
オランダ南部ルーモントにある欧州最大級のアウトレットモール「マッカーサーグレン・デザイナーアウトレット」。グッチ、プラダ、アルマーニなどの人気一流ブランドはもちろん、日本やハワイ、ロス郊外などのアウトレットにはない貴重なブランドにも出会える絶好のチャンスです!
ドラフト生&クラフトビールも充実!ポップなイタリアンレストランに変身した
Dec 3rd, 2019 | 鈴木幸子
今回巡ったオランダ地方都市の中で、筆者がもっとも気に入り女子ウケしそうと感じたのは、ゴーダチーズの街として知られる西オランダの「ゴーダ(ハウダ)」でした。今回は、この街で長年眠っていた電力工場を再生したレストランをリポートします。
1860年代築の給水塔と浄水場をリノベした人気ホテル「ヴィラ・オーガスタ
Dec 2nd, 2019 | 鈴木幸子
遠くから見ると古城のよう。オランダ西部のデルタ地帯にあるドルトレヒトの「給水塔ホテル」に、なんと内外から年間300万人が訪れます。中庭のオーガニックファームから採れる食材を使ったレストランの料理は、宿泊者のみならずローカル客にも大好評。絵本のような世界感も含めて女子必訪のスポットです!
有機野菜のフレンチが評判のホテル「シャトー・セントヘルラーヘ」現地ルポ【
Dec 1st, 2019 | 鈴木幸子
マーストリヒトから北東へ車で10分、キャッチフレーズが「世界一、健康なフレンチを提供する『シャトー・セントヘルラーへ』ホテル」をご紹介。豊かな大自然にあふれるゴシック様式の庭園は、初夏から秋、どの季節にも訪れたい風景が広がっています。
一生に一度は拝んでみたい、本の神殿「世界で最も美しいドミニカネン書店」の
Nov 30th, 2019 | 鈴木幸子
本好きにはたまらない書店巡り。それが、英国紙ガーディアンが「世界で最も美しい本屋10選」と選んだ場所ならなおのこと。700年以上の歴史をもつドミニコ教会が2006年に書店として生まれ変わりました。今回のオランダ・リノベ建築のベスト1にしたい傑作です。