台北近郊のローカル列車、平渓線。沿線には、ノスタルジックな街並みや手つかずの自然、世界6大猫スポット、台湾の猫村「猴硐(ホウトン)」で可愛いを見つける旅でも紹介した猫好きが集まる村など、魅力あふれるスポットがいっぱい。台北から日帰りで、のんびりローカル線の旅に出かけましょう。
台湾の「江ノ電」!?平渓線
平渓線は台湾北部、台北近郊の山間部をガタゴト走るローカル列車。首都から日帰りで楽しめるノスタルジックなローカル線であることから、どこか鎌倉の「江ノ電(江ノ島電鉄)」を思い起こさせます。実際に、平渓線と江ノ電のあいだでは乗車券交流などの取り組みが行われているんですよ。
台北から平渓線に乗るなら、まずは台北駅から台鉄に乗って瑞芳駅を目指し、瑞芳駅で平渓線に乗り換えます。このとき、瑞芳駅で平渓線の一日乗車券を買っておくのがおすすめ。平渓線は一時間に一本程度と本数が少ないので、あらかじめ時刻表を調べておきましょう。
菁桐駅
平渓線の終着駅である菁桐駅の駅舎は、日本統治時代の1929年に建てられたもの。台湾に現存する4つの日本式木造駅舎のひとつで、国家三級古跡に指定されています。レトロな駅舎周辺は、結婚写真の撮影地としても人気があるのだとか。
駅の周辺には、小さいながらも古い街並みが広がり、ほっとするような懐かしい雰囲気が漂います。駅の東にある菁桐礦業生活館では、かつてこの街が炭鉱地帯であったころの様子を紹介しています。
(次のページに続く)
十分老街
平渓線随一のにぎわいを見せるのが、十分駅。駅の周辺に広がる十分老街は、古き良き台湾の面影を残すノスタルジックタウン。
線路に沿って土産物屋やローカルグルメの店が並び、観光地らしい活気にあふれています。
願いごとを書いたランタン(天燈)を空高く飛ばす天燈上げが名物で、線路の上から観光客が願いを込めたランタンを飛ばす光景がひっきりなしに見られます。
建物すれすれ、街の真ん中を列車が走るため、列車が通過するときは「列車が通るよ、線路から離れて!」と、毎回ちょっとしたイベント気分が味わえるのも、十分ならではの楽しい体験です。
十分瀑布
十分駅から徒歩約20分のところにあるのが、十分瀑布。落差20メートル、幅40メートルの水量豊富な滝で、「台湾のナイアガラ」とも呼ばれています。
「ナイアガラ」の異名は、ナイアガラと同じくらい迫力があるからというよりも、滝の形状に由来するようですが、手つかずの自然が残る環境でマイナスイオンをたっぷり浴びれば、頭を空っぽにしてリフレッシュできること間違いなし。
正面から、横から、上からと、さまざまな角度からダイナミックな自然の造形美を堪能しましょう。
(次のページに続く)
猴硐猫村
国内外から猫好きが集まるスポットとして人気を集めているのが、CNNが選んだ世界6大猫スポットのひとつである猴硐猫村。猴硐駅で列車を降りて橋を渡ると、100匹の猫が暮らすという猴硐猫村があります。
村を歩けばいたるところで猫と遭遇するのはもちろんのこと、ショップやカフェにも必ずと言っていいほど看板猫の姿があります。のんびりと気ままに過ごす猫たちの姿を見ていると、心がゆるりとほどけてくるような気がするはず。
猴硐猫村に行ったら、キュートな猫のパイナップルケーキをおみやげに持ち帰ってはいかがでしょうか。
豊かな自然が残る山間部をガタゴト走る平渓線。都会から離れて、ゆったりと流れる時間に身を置いたら、懐かしくて心地よい時間のはじまりです。
[A photo by Shutterstock.com]