【TABIZINE 現地特派員による寄稿】
北海道のガイドに必ずと言って良いほど登場するウィリアム・クラーク博士。なぜかとっても人気がありますよね。そしてほとんど誰もが知っている「少年よ大志を抱け!」というお言葉。その本当の謂れは実はあまり知られていないように思います。
羊ヶ丘展望台はクラーク博士と全然関係がない?
札幌ドームを見下ろす羊ヶ丘展望台に立つクラーク博士の銅像は観光客につとに知られ、豊平区というちょっと不便な場所にあるにもかかわらず、大勢の人が訪れて一緒にポーズをとって写真に収まっています。このあまりに有名な銅像のせいでほとんどの人は、この見晴らしの良い羊ヶ丘の展望台でかの有名な言葉を語ったと思っているはず。実は、全然ちがうのです。

クラーク博士の立像

羊ヶ丘展望台にたむろする羊
真相を知る前に、どんな経緯で北海道に来たのか少しクラーク博士のことについて知るのはいかがでしょうか。まず、その背景から少し。
理想に燃えアメリカを後に
ローラ・インガルスの有名な小説「大草原の小さな家」にも描かれているのですが、クラーク博士の時代のアメリカ人は聖書を良く読み、宗教的理想に燃えている人が多かったようです。そんなアメリカから誕生間もない明治日本に単身渡ってきたクラーク博士の「大志」とはなんだったのでしょう。

マサチューセッツ農科大学の学長だったウイリアム・スミス・クラーク博士は、西洋文明を猛烈な勢いで取り入れようとしていた明治政府の招聘に応じ、1876年5月15日アマーストの自宅を出発しました。彼を日本政府に紹介したのは幕末明治に掛け留学生として米国で学んでいたあの新島襄でした。NHKの大河ドラマ「八重の桜」でよく知られるようになりましたね。彼はアマースト大学で教鞭を執っていた頃のクラーク博士の生徒となり、帰国後に日本政府に博士を推薦しました。
クラークは大陸を二週間掛けて汽車で横断し、建国100年に湧くアメリカを後にして西海岸から長い航海に出ます。そしておよそ1月後の6月29日、横浜に到着しました。数日後にアメリカ本国は、7月4日の記念すべき独立100周年を迎えます。その輝かしい時をどのような気持ちで迎えたかは分かりませんが、博士は東京でいくらかの手続きに時間を費やした後、札幌に新設される札幌農学校(後の北海道大学)の教頭となるべく海路「北の大地」を目指しました。

北大構内
クラーク博士を動かしたもの
クラーク博士は、アメリカ建国から100年が過ぎようとしていた地元の教会が、次第に物質主義に傾く姿に失望していたといいます。さらに、アメリカそのものにも憤りを感じていたようです。フロンティアが消失しつつあったアメリカもまた、ヨーロッパ諸国に遅ればせながら植民地を獲得しようとアジアに食指を伸ばしていました。高い宗教的理想に燃えた博士は、日本の若者たちにその理念を伝えたいという熱情に駆られたのでしょう。アメリカを後にした50才の博士は地球を半周して日本へ、そしてさらに北の果ての札幌まではるばると旅をしてやってきました。

ニレの古木の立つ北大構内
札幌農学校で教鞭を執る
後の北海道大学、新設札幌農学校で博士を待ち受けていたのは野人のような学生たちでした。激しい内戦である戊辰戦争が終わってまだ数年、集められた士族の師弟を中心とした学生たちは荒くれのようだったと言います。この好奇心に満ちた若者たちに博士は何を教えるでしょう。多くの規範を押しつける代わりに一言、「紳士たれ」というのが博士の言葉でした。
明治の若者たちは、次第にこのアメリカ人に心酔してゆきます。クラーク博士は1876年9月から教壇に立ち翌4月までのわずかな期間多くの科目を担当し、そして聖書片手に生徒たちへキリスト教精神を説いてゆきました。教えたものの中には、必ずしも専門分野とは言えない学科も含まれていたようです。
博士は当初、マサチューセッツ農科大学の学長を辞して札幌農学校に赴くつもりだったようですが、慰留されて「1年間の休暇扱い」という形を取ることになったため、このような短かい在任期間になりました。

北大構内に立つクラーク象

即完売チーズワンダーから「春限定イチゴ×チーズ」登場!3通りの食べ方もご
Apr 17th, 2022 | kurisencho
2021年の発売以来、毎週完売が続く話題の冷凍スイーツ“発明的チーズケーキ”「CHEESE WONDER(チーズワンダー)」。冬の“チョコ×チーズ”「CHEESE WONDER BLACK」に続き、2022年3月25日(金)から6月下旬までの春限定として、イチゴづくしのチーズケーキ「CHEESE WONDER RED(チーズワンダーレッド)」が誕生しました! 醍醐味である3通りの食べ方で“イチゴ×チーズ”のハーモニーをレポートします。
いながきの駄菓子屋探訪82:年中無休で子どもに愛情を注ぐ釧路市「中村商店
Mar 12th, 2022 | 駄菓子屋いながき 宮永篤史
全国約400軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回は、北海道の地酒から沖縄の泡盛まで扱う北海道釧路市の「中村商店」です。
茶の巨匠が監修!茶と人を想う和カフェ「京都宇治 茶想もりた園」が6店OP
Mar 2nd, 2022 | kurisencho
2022年2月18日(金)、日本一の茶の巨匠でもある森田治秀(もりたはるひで)さん監修の本格和カフェ「京都宇治 茶想もりた園」が、東京にある「アーバンドック ららぽーと豊洲」にオープンしました。以前、筆者も森田さん監修の抹茶スイーツには感激したことがあるので、今回の新規店オープンも本当にうれしい限り! そこで今回は、試食会でいただいた3品の味や特徴をご紹介します!
いながきの駄菓子屋探訪79:子どもの居場所として50年!旭川市「三谷商店
Feb 12th, 2022 | 駄菓子屋いながき 宮永篤史
全国約400軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回は、駄菓子屋探訪で最初に訪れた北海道旭川市の「三谷商店」です。2度目の訪問で歴史を伺ってきたので、はじめて記事にしてみます。
冬の秘湯は最高のパワースポット(18)札幌の奥座敷・定山渓温泉「ふる川」
Jan 21st, 2022 | 阿部 真人
北海道札幌市内から車でわずか1時間ながら、秘湯の雰囲気を残す定山渓温泉。温泉で温まりながら雪を楽しめる施設も多いですが、なかでも「ぬくもりの宿 ふる川」は、まさに人の温かさを感じさせる宿。心のこもったおもてなしにお茶や甘酒をいただき、広々とした館内でのんびりと過ごしました。
【ご当地ラーメン取り寄せ旅】旭川の銘店を踏襲した風來堂の「旭川中華そば」
Jan 7th, 2022 | Mayumi.W
日本全国津々浦々にあるさまざまな「ご当地ラーメン」。ラーメン好きはもちろん、旅好きにもその目的の一つとして楽しみにしている人も多いグルメですよね。とはいえ、なかなかそのご当地まで足を運ぶのも難しい…。と嘆いている人も少なくないはず。そこでこの連載では、地方の有名ラーメンを自宅で味わる「ラーメンのお取り寄せ」を実食レポート! 毎回人気サイト「宅麺.com」から、お取り寄せラーメンマニアの筆者が厳選した一杯の特徴をお届けしますよ。
土曜だけの冬限定チーズケーキを実食レポ!「CHEESE WONDER B
Jan 3rd, 2022 | kurisencho
冷凍スイーツのお取り寄せが話題となっていますが、その中でも2021年の発売以来人気を集めているのが、発明的チーズケーキ「CHEESE WONDER(チーズワンダー)」です。そんな人気スイーツに、季節限定の『悪魔的チーズケーキ』が仲間入りしていることをご存じでしょうか。そこで今回は数々の新作スイーツを試してきた筆者が、この悪魔的チーズケーキを実食レポート。チョコとチーズ、時間ごとに変化する食感も楽しめる冬季限定の逸品を紹介します!
【ご当地ラーメン取り寄せ旅】札幌系「綱取物語」の中太縮れ麺で思いを馳せる
Dec 31st, 2021 | Mayumi.W
日本全国津々浦々にあるさまざまな「ご当地ラーメン」。ラーメン好きはもちろん、旅好きにもその目的の一つとして楽しみにしている人も多いグルメですよね。とはいえ、なかなかそのご当地まで足を運ぶのも難しい……。と嘆いている人も少なくないはず。そこでこの連載では、地方の有名ラーメンを自宅で味わう「ラーメンのお取り寄せ」を実食レポート! 毎回、人気サイト「宅麺.com」から、お取り寄せラーメンマニアの筆者が厳選した一杯の特徴をお届けします。
いながきの駄菓子屋探訪73 大量のプラモデルが積まれた室蘭市「かたつむり
Dec 18th, 2021 | 駄菓子屋いながき 宮永篤史
全国約400軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回はとんでもない量のプラモデルの箱に驚かされる、北海道室蘭市の「かたつむり」です。
いながきの駄菓子屋探訪72 他人の店を引き継いだ旭川市「駄菓子店きしだ」
Dec 11th, 2021 | 駄菓子屋いながき 宮永篤史
全国約400軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回は、他人から引き継いだ駄菓子屋とクリーニング店を兼業する北海道旭川市の「駄菓子店きしだ」です。